表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/34

その19 望野宮神社・参道


 がっくりと肩を落として座り込むシロネ、頭を抱える。

「いったい、どこに落としたんだよ…」

 そこに、単語帳を片手にぶつぶつとつぶやくコブタエの姿が。下を見ていなかったので、シロネにつまづく。

「ニャッ!!」

「わっ!…ごめんなさ…シロネ!」

「コブタエ…」

 いつもなら、ぎゃんぎゃん文句を言うであろうシロネが、しょんぼりとしているので、怪訝に思うコブタエ。

「どうしたんです?」

「どうしたらいいんだ…」

 涙目になりながら、シロネはコブタエに事の次第を話した。

「ということは、クロネくん、本当に誘拐されちゃったんですか…」

「シノブも一緒に消えた」

「まさか、シノブさんが犯人だとでも?」

 シロネが尻尾を左右にばたんばたんと振る。

「確かにシノブは一日中クロネの傍で働いている。誘拐のチャンスはあるだろうが…」

「シノブさんにしたら、すごく幸せな状態ですよね。それをわざわざ壊すとは思えません」

「ああ」

 腕組みするコブタエ。

「でもツナ缶を欲しがるということは、犯人は猫側の人間なのでは」

「考えたくないがな」うつむくシロネ。


 と、その時、シロネのスマホが鳴った。

「はい」

「ダイヤモンドツナ缶は用意できたか」

 機械のような声が聞こえてくる。

「クロネは無事なのか!」

「ダイヤモンドツナ缶は用意できたか」

「…二日後に犬狛から渡してもらえる手はずになっている」

「なぜそんなに時間がかかる」

「遠方から運ばねばならぬそうだ」

「チッ」

「頼む! クロネの声を聞かせてくれ」

 一瞬間があいてから、犯人が答える。

「ま、そのくらいはいいか…ほら」

「兄さん、渡しちゃダメだ!」クロネの声だ。

「余計なこと言ってんな!」犯人が何かを叩く音がする。

「クロネに乱暴するな!」

「また連絡する」

「おい、待て!」

 電話はそこで切られてしまった。大きくため息をつくシロネ。

 コブタエが心配そうにシロネの顔を見つめる。

「ともかく今はクロネくんを助けることが最優先です」

「それが……肝心の骨ガム、落としちゃったんだよ」さらに大きなため息をつくシロネ。

「骨ガムなら、神殿の神棚にありますけど?」

「は?」ぽかんと口を開けるシロネ。

「最初に神殿に来た時に落としていったのをシンケイさまが保管していらっしゃいます」

「早く言えよ!」

「聞かれてないです」

「…まあな」

「とにかく神社に行きましょう」

 コブタエは、むんずとシロネを抱えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ