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その12 犬狛国・上空
コブタエは、犬狛国の上空でパラグライダーを操っている。コブタエのお腹のハーネスには、シロネがくくられている。
窮屈そうにシロネが言う。
「こんなもん使えるなら、最初から使って逃げればよかったろうが」
「うーん、でも、金平糖が3つかかりますしねえ」
コブタエのベレー帽にキラキラと輝く金平糖を睨みつけるシロネ。
「そんなにたくさんあるのにケチるなよ」
「受験の時に使う金平糖をとっておかないと試験が受けられなくなりますから」
上空で風が旋回する。
鼻を鳴らすシロネ。
「やっぱりクロネの匂いがないな…」
「では次」
パラグライダーの方向を変えるコブタエ。機体はやがて猫魂国の上空に到達する。風に乗って来る匂いを嗅ぐシロネ。
「こっちにもいない……」
「ではいったいどこに?」
「残るは一か所だ」
シロネは重々しくつぶやいた。




