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チョコは条件で  作者:
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◇前編◇

放課後の教室。私は今、自分の席に座り1人で居る。

私は、山野 沙輝(やまの さき)。中3。

いつもなら友達と帰るんだけど、ちょっと喧嘩をしてしまいムシャクシャして教室にUターンしてきた。

そして、今に至っている。


「もー!冗談じゃない!!」


黒板に向かって叫んだ。1人静かな教室に私の声が響いた。

こんなに、学校で大声を出したのは初めだ。

だいたい私はクラスでも目立つ方じゃなく、どちらかといえばおとなしい系だと思う。

だから、人様の前で叫ぶなんてあり得ない。


あー、なんかすっきりしたかも

そろそろ帰ろうかな


カバンを持ち席を立った。

ふと、ドアを見てみた。

そこには、閉まっているはずのドアが開いて男子が1人目を丸くして立っていた。

なんとそこには、腐れ縁で今までクラスが一緒の中田 航(なかた こう)がいた。


え・・・

もしかして、聞かれた?

よりにもよって、航に・・・?


急いで顔を戻した。


心臓がバクバク鳴りはじめ、急に体が熱くなった。


もう最悪!!



そんな私に航が近づいてきた。


「あのー、大丈夫ですか?」

ニヤニヤしながら横で言った。

「うるさい!大丈夫よ!!」


そう言い捨て、ドアに向かって早足で歩いた。


最悪

明日絶対みんなに言いふらすに決まってる

昔からそんなヤツだもん

私にだけ、そんなことをする憎たらしいヤツ


視界が少し潤んできた。

ドアの敷居をまたごうとした時だった。


「おい。どーせ俺が明日言いふらすに決まってるなんて思ってるだろ?」


後ろから聞こえてきた。いつもの愛想のないような声で。


くるっと私は後ろを向いた。

「思ってるわよ!どうせ言いふらすんでしょ?言いたいなら言えばいいじゃない!!」

1人で叫んだよりもっと大きな声で言った。

目から潤んでいた正体が落ちた。慌てて拭った。


そして、視線を下に落とした。


「誰も言いふらすなんて言ってねーよ」

私は顔をガバッとあげた。


え・・・

「う、嘘だ!そんなこと言って私を騙してるんでしょ!?」

「嘘じゃねーよ」

「ほ、本当に・・・?」

「どこまでこの俺を疑ってんだよ!」


だって、こいつの言っていることはほぼ嘘に近いもん

何回引っかかってきたことやら・・・


疑い深い目で見つめた。


「おい!そんな目で見るな!!やっぱり言いふらすぞ!!」

「え!?あー、ごめんなさい!ごめんなさい!!」


そして航は改まって『コホン』と咳をした。

「ただし・・・、条件がある」


でた・・・、このパターン。

これにも、何回私は悩まされてきたことやら・・・・


「な、何よ。簡単なことにしてよ」

「ふっふーん、簡単さ。今度のバレンタインに俺にチョコを作ってくること」


へ・・?

チョコ?


「義理はダメ?」

「ダメに決まってるだろ!」


チョコね・・・

今までのお返しに毒でも盛ってやろうかしら


口が少し緩んだ。


「あ、毒盛ったら言いふらすからな」

私の考えを読んだように付け加えて言った。

「だ、誰も盛りません」

私は慌てて弁解した。


「じゃ、14日の放課後4時30分に屋上に来いよ」

いつにもなくニコッと笑って航が言った。

胸がドキッとした。

『はい、はい』と適当に返事をして教室を出た。



な、なんで航なんかにドキッてしてんだろ私。

とうとう、おかしくなったかな。

さ、とっとと帰ろうっと。


玄関に向かって足を運びだした。




『14日の放課後4時30に屋上に来いよ』


その言葉と航の顔が、家に帰り着いてからも私の頭から離れなかった。













さー、これからどうなるのでしょう??(笑)

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