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Phase9 新魔道具工房

 今日は店の出来上がる日だ。短期間で改修が終わるなんてさすが魔法だな、と思う。


 商業ギルドに向かい、係の人を呼び出してもらう。

 すぐに出てきてくれて改修がどのようになったのか聞いてみる。

  レミアに任せていたのでまだどのようになったのかよくわかってない。


 元々魔道具を 扱う工房だったためか、防備面ではそれなりに優れていたもののようだったが、高価な薬剤を置く場所や、完成した魔道具を置く場所くらいしか対魔法用の防護壁はなかったようなので、建物の周りにも置いて外部からの魔法に対しての備えとしたようだ。

 他にも通気口や排気口など普段入らないような所には罠を仕掛けたらしい。

 罠の位置を建物の見取り図で確認しつつ普通に生活している限りは問題なさそうだと思った。

 ただ対魔法用の防護壁とかあると建物内で魔法が使えるか気になったので聞いてみると、あくまでも外側からの魔法に対し働くもので、内側で魔法を使う分には問題ないらしい。


 店に着いた。見た目は巨大なシェルターのように見える。正直これが店だと言われてもそう思えない。

 入口は地面の下にあるようで階段を下るとまた防護壁が見えてきた。あれ?と思うとその後に入口があるようだ。

 背後からの魔法攻撃を防御するための措置らしい。

 防護壁に触ってみると非常に硬く、物理面では安心できそうだが、実際に魔法を打ち込んでみないとわからないのであとで実験してみたいと思う。

 中に入ってみると工房の設備がすぐ見え、応対用の部屋など店の設備はその上の階に、居住用の部屋はさらにその上の階にあった。外の見た目に反して意外と普通だった。入口が一方向しかないのは少し納得が行かなかったが、防護上しようがないらしい。魔道具とか魔晶石とかかなり高価なものを扱うつもりだからこうなってしまうのはしょうがないと自分を納得させる。


 係の人にお礼をいって見送り、レミアと部屋をどうするか話し合った。

 美少女と同じ建物に住むなんて幸せだなと思いつつ、あんなことやこんなことが起きないかなと思ったが、もし起きたとしてもきっと鉄拳制裁されるだろうし、とまで考えて身震いした。確かにシたいしされたいけど訓練十倍とか言ったら死んでしまう。

 今は依頼のおかけで護衛とかしてくれているし、気まずくなるような、不誠実な行為は慎んでおこうと思う。

 レミアの部屋は俺の隣になった。しかし、この部屋窓がないので凄く閉鎖的で窮屈な気持ちになる。防護上必要とはいえ監禁されるような気分になるから少し気が滅入った。

 取り敢えず見た目だけでもよくなるように光の魔晶石を置いて、和らぐ空間にしようとしたが、光が強すぎるので逆効果だったのでやめておいた。特にこの魔晶石は用途がないので工房に放り込んでおくことにした。


 店も出来たことだし、ロックさんに挨拶しに行く。

 近いからすぐ行ける。

 

 ロックさんはどこにいるか弟子っぽい人に声をかけてみると、何の用なのか色々と聞かれたが、商業ギルドのカードを見せると大人しく案内してくれた。やはり日が浅いし俺の顔は知れわたってないのだろう。

 知れわたってない方が都合はよいので少し不躾な対応をされたが気にしないことにする。


 ロックさんの機嫌はよさそうだ。煙草のようなものを吹かしている。

 

「お久しぶりです。店ができたのでご挨拶に上がりました」


「おう。どの辺だ?」


 場所を聞かれたので答えると、魔道具工房が在った所ではないかといわれたので正直に答える。


「小僧は魔道具を作れるのか?」


 作れないと答えると変な顔をされたので、これから作ってみると言ってみると難しいぞ、といわれた。

  ただ、魔晶石の目途はついているので魔素遮断用の溶液さえ手に入れば良いことを伝えるとやれるだけやってみろといい笑顔でいわれた。わからないことがあったら教えてやると言われたので、勉強してわからなくなったら聞きにきますと返しておいた。

 魔道具に関する資料が高価なのに教えてもらってもいいのか疑問に思ったので聞いてみるとこの前お前の魔晶石を使った杖、いくらで売れたと思う?と聞かれたのでそういう事なのだろう。機嫌がいいのはそのせいみたいだ。

 

 次はいつ来ればよいか聞くとこの前作った魔晶石を使った杖を買い取った方が、あと数本杖を欲しいそうなので、それ用の魔晶石を作ってほしいらしい。仕事が立て込んでいるから明後日くらいに持ってきてくれると丁度いいらしいのでそれで了承した。


 レミアと露店で買い食いをしつつ店に戻った。レミアが訓練をしようと言ったが、その前に魔道具の資料を読みたいと言うと少し残念そうな雰囲気を見せて部屋から出て行ってしまった。ちょっと悪いことをしたかなと思いつつ、資料に何が書いてあるか気になるので読んでみる。



 結果的に言うと専門用語が多すぎてよくわからなかった。魔道具の核には魔法陣が使われていて、魔法陣を作るのも難しいが、魔素伝導体なるものと接合するのも難しいということくらいしか読み取れなかった。

 追加で資料を買うには手持ちが心もとないし、とりあえずやれるだけやってみようと思う。明日辺りに魔素遮断用溶液、魔素伝導体など必要な物を買うことにしよう。

 ちょうど一区切りついて、レミアとご飯でも食べに行こうかなと思ったら、ドアがノックされた。


「もう夜よ。今日は訓練はなしね」


 窓のない部屋だからどのくらい時間がたったのか麻痺してしまっていたようだ。レミアが軽く涙目になっているのを見て、『後で』と言った約束を破ってしまっていたことに気が付き、すごく罪悪感が刺激されて気が重くなる。謝ると一応許してくれたが、本当に後悔しているので果たせる約束は出来る限り果たすことを誓った。


朝の食事の描写を毎回やるのは冗長に思えてきたのでカット


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