#さんのにじゅうさん
その後は、普通にチェックアウトして、ボチボチ観光したりもした。
中禅寺湖沿いの道は走っていて気持ち良いし景色もよかった。竜頭の滝は『滝』というイメージとちょっと違ったけど涼しげで気持ちよかったし、華厳の滝は流石というか圧巻だった。先生サマが『夜の華厳も良いんです』と残念そうに言ったから、昨日の目的地はココだったのかと分かったけど。
んでも有名な神社仏閣は素通りで、アレレ、って感じだ。先生サマのガイドマップには東照宮も二荒山神社も中禅寺もないらしい。
時間があれば戦場ヶ原も良いんですが、と言いながら、老舗らしい湯葉割烹のお店でご飯食べて、東京に帰った。
うん。『ちょっと遠出』は小旅行だ。
これから先生サマと外出のときは気をつけよう。出かける前に目的地を明確にする必要がある。
……流石に昨日の服のままなのはね。一応ちょっと気になるよね。
そんなジュージツしたウィークエンドでリフレッシュしたら、お仕事ですよ。
先生は三作目をほぼ書き上げていて、早速藤埜サン交えて挿絵のお話。
うぇーん。やっぱマッチョの出番が多い。何でこの主人公マッチョ崇め奉っちゃってんの。視野が狭まってるってこういうことか。読みながら突っ込みを入れ、ウェイトトレーニングにのめり込んじゃう主人公に早く正気に帰れと念じ、見守っちゃう周囲にどうにかしろとイライラし、空気で終わっちゃった幼馴染に未来があるよとエールと送った。
今回は、如何にマッチョを面白カッコよく描くかが課題で、もともと可愛い系の主人公は視野狭窄の度合いを前髪で表すぐらいで特に捻りがない。
ちょっとつまらないので、空気で終わる幼馴染始めクラスメイト男子一同を乙女ゲー並に各タイプ取り揃えてみた。こーゆーのに見向きもせずマッチョに走る主人公。バッドエンドまっしぐらだな。
それでも、トレーニングしてメリハリボディを手に入れちゃった主人公が、ラストでは自分に似合う可愛い服着るシーンにはリキ入れたし、表紙の背景でポージングしてるマッチョは描いてる内に多少は可愛く思えてきたし、前回から引き続きカバー下にも気付いた人特典なイラスト入れた。
そんなこんなで、締め切り余裕で、3冊目のお仕事が終了。
次のお仕事までは間が空くから、先生サマが4冊目に取り掛かる頃に連絡くれるってことで、数ヶ月ぶりに自分のアパートに帰った。
……うーん。あのソファ持ってきちゃ駄目かな。すっかりゴロゴロ具合が気に入ってしまった。