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萌え絵師への道  作者: 昔昔亭或処@休眠中
にさつめのおしごと
16/59

#にのはち

 必要なのは7着分。


 徐々にエスカレートさせる方向性が、露出。


 お仕事のために大作家先生に詳しく話を聞いたら、そう説明された。


 ええーとぉ。いかにも男目線な意見じゃないかと思いますが。


 まあ、あたしは言われたとおりに描くだけですけど。


 ……でも、露出。エスカレートした、常軌を逸した、露出。


 迷いに迷って、あたしは藤埜サンに電話した。


「あの、ライトノベルの挿絵でヌードって、ありですか」


 間髪いれず返ってきた。


『阿呆ですか』


 うん。ですよねー。


「でも、先生の指示で」


『先生がはっきりヌードだといいましたか?』


 いや、それは言われていないけど。


「常軌を逸した露出、って、ナンダと思います?」


 はぁ、と電話の向こうでため息が聞こえた。


『だからヌードというのは安直過ぎるでしょう。……正直に申し上げて、私には、その「常軌を逸した露出」がどんなものか思いつきません。ですが、あなたがどんなものを描くのか期待しています』


 おお?


 今まで挿絵はパセリにも劣る物言いだった藤埜さんが。


『一作目。第一稿のどこがどう修正されたのか確認しましたか?』


 スイマセン読んでません。刷り上った本貰って本棚直行です。


「ええと。矯正器具の記述を加えたんじゃないんですか?」


『逆です。主人公の描写を、むしろ減らしたんです。ですから驚きました。ご存知ないでしょうが、先生は、ご自身の作品は本文が全てだと仰って、後書きも解説もつけません。その先生が、自分の作品で、その表現を、絵に譲ったんです』


「……それって」


『ですから、あなたの描くものを楽しみにしています。できる限りのサポートはさせていただきます。頑張ってください』


 電話の向こうで、ちゃんと本気で激励してくれてることが分かる。


 大作家先生は、モットーを覆したんだって言った。



 うん。頑張ろう。ちゃんと、本気で、頑張ります。




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