表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

作家は異世界で「平和をもたらす。」

最終回です。ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

「これだ!これこそが、わたしもとめていた究極きゅうきょく主題テーマよ!」

中也ちゅうやは、「種族しゅぞくかん共存きょうぞん」という壮大そうだいなテーマに歓喜かんきし、即座そくざ執筆しっぴつに取りかかった。その文字もじは、これまでのどれよりもはげしく、つよく、ひかはなった。

そして、玉座ぎょくざよこに、ひかりはなおおきな水晶すいしょう具現化ぐげんかした。それは、魔王まおうぐん人間にんげん指導者しどうしゃ一堂いちどうかいし、平和へいわてきな話しはなしあいができる対話たいわ魔道具まどうぐであった。いわばモンスターが人間にんげん言葉ことばはなせるものだった。

魔王まおうは、その魔道具まどうぐちから理解りかいし、こころからよろこんだ。

「ああ、これは……!にくしみを一時いちじてきめ、対話たいわ強制きょうせいてきつくちから!これで……道筋みちすじえた!」

中也ちゅうやは、魔王まおうしずかにかたりかけた。

いままでで一番いちばん作品さくひんけたぞ。満足まんぞくだ…。

魔王まおうよ。ところで、貴様きさま討伐とうばつすれば、わたしもと世界せかいかえれるとおうもうしたのだ。それは、まことか。」

魔王まおうくびよこった。

「あー、召喚者しょうかんしゃかね?そんなことはないぞ。わたしたおしても、あなたをかえちからはどこにもない。」

落胆らくたんした中也ちゅうやに、魔王まおう側近そっきんであるスケルトン(側近そっきん)がすすた。

旦那だんなさん。魔王まおうさまたお必要ひつようはございません。わたしが、ちょう高度こうど転移てんい魔法まほう使つかえば、旦那だんなさんのもと世界せかい座標ざひょうまでおかえしすることは可能かのうです。」

ソフィアとハルは、ついに中也ちゅうやかえれるときたことをさとり、なみだこらえて中也ちゅうやつめた。

中也ちゅうやさん、達者たっしゃで……。貴方あなた主題テーマが、世界せかい平和へいわみちびいてくれました。」

ソフィアが深々とあたまげる。

中也ちゅうやさん!お元気げんきで!オレ、中也ちゅうやさんからおそわった文字もじを、絶対ぜったいわすれないよ!」

ハルもなみだながらにった。

中也ちゅうやは、二人ふたり魔王まおうに、詩人しじんらしく簡潔かんけつわかれの言葉ことばげた。

「ふむ……。貴様きさまらとのたびは、主題しゅだい連続れんぞくであった。感謝かんしゃするぞ。さらばだ。」

スケルトン(側近そっきん)が転移てんい魔法まほう発動はつどうさせると、中也ちゅうやひかりつつまれ、異世界いせかいからった。


中也ちゅうやつぎけた場所ばしょは、見慣みなれた故郷こきょう街角まちかどであった。しかし、いえはボロボロにちており、そと景色けしきはすっかりと様変さまがわりしていた。人々の服装ふくそうも、見慣みなれないものばかりだ。

中也ちゅうやは、ちかくにいたひとつかまえて、いただした。

「おい、あんた!いま一体いったい何年なんねんだ!」

「え?昭和しょうわ六十ろくじゅうねんですけど……どうかされましたか、おじさん。」

中也ちゅうやは、異界いせかいでのたびあいだに、現実げんじつ世界せかい数十年すうじゅうねんという時間じかんっていたことをった。まるで、浦島太郎うらしまたろうのように。

しかし、中也ちゅうや落胆らくたんしなかった。

かれは、異界いせかいた『労働ろうどう不条理ふじょうり』、『根源こんげんてき恐怖きょうふ』、そして『世界せかい平和へいわてき共存きょうぞん』といった、だれなかった極上ごくじょう主題しゅだいっていた。

その中也ちゅうやは、異界いせかいでの経験けいけんもとにした物語ものがたりを次々と出版しゅっぱんし、そのふか思想しそうせい独自どくじ文体ぶんたいによって、時代じだいえただい文豪ぶんごうとして有名ゆうめいになるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ