誰かに伝えたいショート・ショートがあるんだ──1話1分のアンソロジー
トキヲX(=カケル)ココロ
仕事が楽しければ、どんなに良いだろうか……
家事に育児……
目が覚めると、世界は止まり、音も光も消えていた。窓の向こうは静寂の海。机の上の時計だけがかすかに時を刻む。
振り返ると、もう一人の自分が立っていた。
「君は壊れている。トキを止めたのは、その証だ」
目が覚めると、空は凍り、トキは凍結していた。影も声も、時間も止まる。
もう一人の自分が静かに笑う。
「戻るか、止め続けるか。君が選ぶトキが来た」
胸が震え、ココロが答えを探す。
目が覚めると、世界は深い沈黙に沈んでいた。ココロの奥に冷たい波が広がる。
もう一人の自分がそっと近づき、囁く。
「戻れば痛み、止めれば永遠。君が選ぶ道は何だ」
胸の奥で鼓動が響く。
目が覚めると、世界は微かに揺れ、色を取り戻していた。空は柔らかく震え、音は遠くで溶ける。
もう一人の自分は消えていた。
「君は選んだんだ、ココロと向き合うことを」
そして、静かに歩き出した。
止まり、感じ、そして自分を抱きしめてあげてね。