第2話 獣人の国ディクタ
「我々の戦争にお力添えをお願いします」
王座に座る獣人が確かにそう言った
「戦争ってなんだよ!?」
「ここは何処なんだ!」
「私たちどうなったの!?」
クラスメート達が突然の出来事に混乱している
その時獣人の王が口を開いた
「ここは獣人の国ディクタです、この国は 人の国デモクラティアと長く戦争をしています。 長い間、最前線では力が拮抗し大きな被害も出ず穏やでした。ですが最近敵国が編成した新たな軍隊によって、前線は今破られかけています、もし破られれば敵はこの国に侵攻し多くの民が血を流すでしょう。 それはなんとしてでも阻止しなくてはなりません!」
獣人の王がより一層声の覇気を高めた
その声には民を思う気持ちがひしひしと伝わってくるようだった。
「ですが我らの兵士の多くは既に戦場で殺されてしまいました。このままではまずいと考えた我らは打開策を模索しましたそして我々はある秘技の書かれた文献を見つけました。
それが《異空間転移魔法》の存在です、遥か昔この世界に強力なモンスターがおり人々を蹂躙していた時代、当時の魔導士達が力を合わせ異世界から勇者を召喚し世界を救ったという事がわかりました。
これこそが打開策だと我らは直感しましたそして我々は国にいた魔導士を集め異空間転移魔法を発動しあなた方を召喚した次第です。
どうか!愚かで弱い私たちを救ってください!」
獣人の王が深々と頭を下げた
「救うったって俺らはただの高校生だぞ!」
その通りだ僕たちは何の力も無いただの高校生だ、戦争なんて僕たちがどう頑張ったて大きな変化が起こるわけでも無く死ぬだろう
獣人の王が喋る
「文献にはこのような事が記されています、召喚された勇者達はしばらくすると、皆特殊なスキルを獲得し戦いで絶大な力を発揮したと。
この事を我々は詳しく調べました、この世界には
空気、地面、そして私たちの体内などの何処かしこにも《魔素》が満ちています。
魔素とは特殊なエネルギーです私達は体内の魔素を使い魔法を行使する事ができます。
火を出したり、雷を降らす事もできますそして、
文献に記されていた特殊なスキルとはこの魔法が異世界から来た人の体に合わせ独自に進化した姿だと我々は突き止めました。
つまり皆さんはその内この世界の魔素が体に馴染み特殊なスキルを獲得するでしょう。
そうなれば皆さんは100人力、いや1000人力もの力を手に入れるでしょう!」
なるほど、そうなれば僕たちでも戦えるとゆうことか。 僕は益々この世界が面白くなってきた
その時今まで黙っていた、担任が声を荒げた
「ふざけるな!この子達の中には就職や進学が決まっている子も多くいるんだ!いきなりこんなとこに連れてこられて戦争に参加して救ってくれだ?
ふざけるな!おい!お前たち帰るぞ!」
くだらない帰って何がある?社会に縛られ駒として使われ捨てられるだけの人生よりこの世界の方がよっぽどいいじゃないか。
「異世界、面白そうじゃねえか!」
「帰っても私大学落ちたしもう終わりなんだよ」
「僕は進学が決まっているんだ!早く帰らせてくれ!」
クラスは二つに別れた元の世界に戻ろうとする者達
このまま異世界に残る僕たちに
「我々も嫌がる方達を戦争に巻き込むのは気が引けます、元の世界に戻りたい皆さんは右側にある部屋に入ってくださいそこで帰還の魔法陣を作ります」
「良かった〜戻れないかと思って絶望したよ」
「帰ったら俺ら有名人じゃん!きっとバズりまくるぞ!」
クラスの3分の2以上が元の世界に帰還するようだ
続々と部屋に入っていった。
しばらくすると魔法陣が完成したのだろう大きな音が聞こえしばらくすると何も聞こえなくなった。
そして残ったのは僕含め8人になった
王が口を開く
「おぉ我々を救わんとするお方が8人も残っていただけたなんとお優しいお方達だ。
今後の事についてですが皆さんにはこの世界の魔素に体が馴染まなくては何も始まりませんなので2週間皆さんにはこの城で生活してもらいます。
ではすまないが私は軍事会議があるので詳しいことは彼に聞いてくれ」
王が隅にいる獣人に指を指す
そのフクロウ?ミミズクだろうか?の獣人が僕たちの前に歩を進め僕たちの前で止まった
「ご紹介にお預かりました、書庫騎士副団長のオニストフと申します」