第一話 現実
この世界には夢がない
僕 縁冥来芥子
はいつも思う。たとえどんなに良い会社に入ろうがどんな素晴らしい成功を収めようが結局は、社会の末席に押し込められ一部の権力者が決めた都合の良いルールの上でしか僕たちは生きて行けない。
それはこの世界どこに行っても同じ通りで権力者以外の全ての人間に課せられる重しでもある、もちろん僕の様な凡庸な高校生もその1人である、あと半年もすれば社会の末席にネジで止められ、より重い枷を足につけられるだろう。
僕は少しでも自由に生きたい、少しでも上を向いていたい、たとえその景色が権力者が見せる曇り空だとしてもそれが、僕の夢であり望みだ、だから僕は、今まで人より勉強し、皆に好かれる為に誰にでも優しくそして明るく接してきた。
「来芥子、おはよ!何暗い顔してんだよ?もうすぐ朝のHRが始まるぞ?しっかりしろよ!」
隣の席の男子が話しかけきた
「うん、ごめん少し考え事をしてたんだ」
その通りだ、朝からこんな事を考えていればパフォーマンスに支障が出る、そしてミスを重ねれば、社会の末席から弾き出された僕はきっと社会的に死んでしまうだろう、さあ今日も1日乗り越える為に切り替えていこう。
しばらくして、、、
ガラガラガラ 「おーい朝のHR始まるぞ」
その言葉はいつもと変わらない平凡な1日が始まる合図の様に僕は思った。 だが
「はい今日は5限の面接練習に着いて連絡が、、、」
教師が話してる最中、突如教室の床が光、魔法陣の様なものが浮かび上がった!
「なんだこれ!」
「どうなっているんだ!」
「死にたくないよぉ!」
教室は泣き叫ぶ者、逃げようとする者、で溢れかえる混沌と化した誰しもが恐怖を感じた。 だが
僕は笑っていた 何故だろう? 自分でもこの高鳴りがわからない、いやわかっていた僕はとっくのとうにこの世界 夢のない現実に絶望していた!
そして渇望していたこのわけのわからない理屈の通じない、非現実《NOT REAL》を!
そして光は僕とクラスメイトを包み込んだ
気がつけばそこはどこかの、王宮の様だった近くにはクラスメイトがおり目を覚まし始めた、その周りには、獣の耳を生やしている者が何人もいた、アニメや漫画に登場する獣人にそっくりだ、いや彼らこそ獣人その人なのであろう。
「ここどこだよ?」
「私達どうなったの?」
「俺生きてる!良かったぁ!」
クラスメイトが全員気がついた様だ
そして、頃合いを見計らい玉座に座る獣人が口を開いた
「君たち、いや我々の希望の光である皆様に一つお願いがあります我々の戦争にお力添えをお願い致します」
それは耳を疑う言葉だった、だが僕いや俺は胸の高鳴りが、口角が上がっていくのを抑え切れそうになかった。
これだ!僕はいや俺はこれを求めていたんだ!この誰にも決められない自分で切り開いていく
この非現実感《NOTリアル》を!