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掃除のスキルで世界無双!? ~雑用スキルで最強になっちゃった~  作者: わらうクジラ
第三章一部 ルトナ公国
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☆黒の繋がり☆

彼の主な目標は公爵の粛清。

 よくもまあこんな話を堂々としようと思ったものだ。

 そして新たな国家権力の成立。

 理由は宗教弾圧の反発。

 そして、『夢想ノ使者(アクムツカイ)』の責任を取らせるため。

 ただ、まだ国民は公爵に怯えていて、まだ洗脳は解けないだろうということだ。


「そして、噂では奴隷商とも繋がっているらしい」


それはわからないからあまり深く考えないでおこう。


「大粛清ってどんなものだったの?」


マリが口を開いた。


「それは、悲惨なものだった。あまり、言いたくない」

「そっか、ごめん」


ゲルンの言葉にマリはあっさり引き下がった。


「『夢想ノ使者(アクムツカイ)』はいつ来るの?」


そうだね、という言葉のあとに


「2日後」


とだけ言った。


「思ったよりも早いね。軍隊はどうしてるの?」

「あまり詳しくは知らないけどもうついているとか」


動きはかなり速いようだ。


「あまり時間がないようだ。早く行こう」


イオアンがそう言った。


「貴方の色を灯せ。島を救うために」


その言葉を合図にまた私たちは戦闘に行くことになった。




私の炎が黒く染まってしまったせいで明かりとしては不十分になってしまった。

 ただその問題はすぐに解決できた。

 ルーヴァリックが帰ってきてくれたからだ。

 そしてもう半分まで歩いてきた。一睡を終えたところだ。


「ありがとう!」

「いえ、それには及びません」


ふむ、非常に謙虚だ。


「で、道案内役の君がビビってどうするの?」


突き刺すような視線を後ろで縮こまっている男性にマニが語りかける。


「うっ、誰かいるっ!?」


何なんだ、コイツは? この森を案内して、とお願いしたのに……。

 

「いちいち驚かないでもらっていいかな?」


ラミエルが両刃剣(ツインブレード)を構えてそう冷淡に告げた。


「ごめんって……」


森の中の生物が前よりも少ない。


「そうか、思ったよりも大きな城だ」


暗闇の中で薄く輪郭だけ見える。


「姉ちゃん。思ったよりも人が多い。戦闘の雰囲気はないのに、兵士が多すぎる」


言われてみれば確かに多くの兵士の雰囲気を感じる。


「全員出払ってるわけではないみたいです。最悪今入ってみてもよかったんだけど無理でした」


パウロが残念そうに言った。


「まあ今チカラを浪費する必要もないしね」


マニが彼女を止めるように発言する。


「ですね、残念ですが」


パウロは心底残念そうである。

 みんな壊れちゃっている。血を求めすぎでしょ、と思うが口にはしない。


「は、早く行きましょう」

 

案内という自分の持ち場を存分に活かして彼は森を突き進んでいく。

 あ、もしかしてこれを見込んであんな話をしていたのかもしれない。なるほど、ならばそれは成功したと言える。

 そして私たちはもっともっと奥へと進んでいく。

 段々と胸の高鳴りを感じてきた。


(それは、共鳴でしょう。黒き炎の特性です)

(と言うと?)


サヴダシクによると、黒き炎は別の黒き炎由来のチカラに近づくと自分の黒き炎が反応するという。


(黒・共鳴(オニキス・リンク)とも呼ばれます。まあそもそも黒色の能力自体が秘匿されたものなので知名度はないですね)


ほうほう。


(なるほどね。ありがとう)

(! いえ、それほどでも……)


可愛いやつである。まあそれはともかくやはり『夢想ノ使者(アクムツカイ)』というのは黒き炎関連らしい。


(私も参戦してもいいですか?)


サヴダシクがそう申し出てくれた。


(うん、お願い。あとセレイアもお願いできる?)

(命令とあれば私の意思関係なく戦うよ。それなのに命令しないなんて尊い……)


良いということだろう。

 そんな尊敬されるような人間ではない。だったらきっとマラを失わなかった。


「さあこの辺だね」


あの城を超えてからもう6時間は歩いただろうか。

 マリに乗れたら良かったのだが、人数が多すぎてさすがに乗れなかった。

 

「いるね」


地面が湿っている。潮の臭いがする。

 黒色が見える。


能力(スキル) 雷ノ矢!」


雷が矢のように『夢想ノ使者(アクムツカイ)』に向かって飛んでいく。


「いこう、私たちも。闇を、晴らそう」


そしてついに『夢想ノ使者(アクムツカイ)』との戦いが幕を開けた。




その日、手紙がオリヴィアと、マニューバ宛に発送された。

 内容はとても簡単である。

 なのに単純ではなかった。

 彼女らを産んだ一人の人間の終演をまとめ、端的に示したものだ。

 ただ黒色の海のせいでそれはまだ彼女らに届かない。




マニヴィアの手紙


オリヴィアとマニューバへ宛てた手紙。

 中身は丁寧な字で埋められていた。

 小さな紙片は一つの真実を抱えている。それをただ二人に届けるためだ。

 マニヴィアの死を。

 それはこの世界の夜明けになるのかはわからない。

 少なくとも大きく未来に影響を与えただろう。

 それを読んだとき、涙で濡れた。

短くなってしまって、すみません!

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