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2日目:22/9/12 富山→黒部ダム→長野→直江津

2日目:2022/09/12(月)

移動:富山→黒部ダム(立山から扇沢に抜けるルート)→長野→直江津


 富山駅と実質一体化している「とやマルシェ」の近くを歩き回っていると、立山そばなる立ち食いそば屋さんを見つけたので、朝はそこでいただきました。一人旅の時はよほど安いとかバイキングとかでない限り、素泊まりを選択するので、迷わずにささっと美味しそうなものを見つけられたのは良かったです。前日に白えびかき揚げを食べたかったのですが叶わず、ここで朝から白えび天の入ったそばを食べました。

 言い忘れましたが、富山駅の構造でもう一つ驚いたことがありまして、それが路面電車の乗り場と駅改札が一体化してフラットになっていたことです。新幹線改札を出てふと見ると真っすぐ向こうに路面電車が待ち構えている景色には少し感動させられました。筆者はこれまで生まれ育った中で路面電車というものに縁がなかったので、前日のガラス美術館を訪れる際も歩かず路面電車に乗るという選択をしました。路面電車しかり、普通の鉄道しかり、富山市は富山地鉄が一大勢力という感じなのでしょうか?有識者の方お願いします。


【朝食 立山そば 白えび天そば】


挿絵(By みてみん)


 そばを食べ終わってお土産をあさった後、いよいよ立山黒部アルペンルートへ向かいます。電鉄富山駅はおそらく付近では最大のターミナルなのですが、列車や駅名標はレトロ、改札は有人ということで、趣を感じました。月曜の朝だったこともあり、通学途中の高校生がわんさかいたのも印象的でした。


【電鉄富山8:12発→立山9:16着 富山地方鉄道本線・立山線 立山行】


挿絵(By みてみん)


 1日目の記事でもお話しした通り、今回の旅行の目的の半分は黒部ダム観光だったので、どのルートで行くか、どのバスやらロープウェイに乗るか、というのを綿密に決めていました。値段だけで比較すると、富山からだと長野まで新幹線で出てしまって、そこから往復の方が安くはなります。ただ、劇的に安いかというとそうでもなく、どちらも往復13,000円くらいで、数百円程度の差です。ということで、立山から黒部ダムを通り抜けるように長野まで行くことにしました。シーズンにもよりますが、旅行当時は県外の旅行者も利用できる割引があり、電鉄富山から長野まで9,000円くらいで行けましたので、結果的にはこちらで正解でした。通り抜けることで観光地を一通り堪能できるのもいいですよね。事前に立山黒部アルペンルートの公式サイトで予約して、きっぷは 電鉄富山駅か館山駅で受け取る形なので、行かれる方はぜひ試してみてください。

  電鉄富山駅周辺はさすがに地方都市ならではの活気があったのですが、数駅離れるともう別世界のような田舎になって驚きました。住所的には同じ富山市内のはずなのですが。まあ神戸市も北区は中央区あたりとは全然様相が違いますから、そんなものなのかもしれません。途中岩峅寺(いわくらじ)駅を過ぎるとさらに秘境感が増して、標高もどんどん上がってゆき、早速いい景色にお目にかかることができました。ちょっと風が吹いたら電車ごと落ちそうな高さにある、川にかかった橋を観光のためのんびり渡ってゆくあたりが、さすが観光地としての売り出し方が完成されてるな、と感じました。ここからさらに標高が上がる、立山黒部アルペンルートのスタートです。


※以下ダイヤは、2022年9月1日~11月3日のもの。ちょくちょくダイヤ変更されているそう。


【立山(475m) 9:40発→美女平(びじょだいら)(977m) 9:47着 立山ケーブルカー】


挿絵(By みてみん)


 これは立山黒部アルペンルートの時刻表を調べていただければすぐに分かることですが、9:16に立山駅に着くと9:20に美女平行きのケーブルカーが出ています。すぐに出発してもよかったのですが、ケーブルカー乗り場の前に休憩スペースっぽい場所があったのと、この後の行程もずっとそうなのですが、おじいちゃんおばあちゃんの団体客でいっぱいだったので、一旦見送ることにしました(見送りましたが結局いっぱいでした)。平日の、それも月曜の朝だったので、筆者のような二十代一般社会人男性はいませんでした。たぶん。

 上にそれぞれの駅の標高を併記していますが、早速とんでもない角度で登って行きます。筆者はケーブルカーの乗車経験もそんなにないので、よく滑り落ちないなとひやひやさせられていました。立山ケーブルカーはその道中のほとんどがトンネルなのでそれほど景色は見られませんでしたが、美女平に到着後展望室が屋上にあったので、そこで写真を撮りました。これだけでとんでもない山の中に来たな、というのが味わえてよかったです。ちなみに自撮りもしてみましたが、普段まったくやらないのでヘッタクソな写真が出来上がっていました。

 このあたり、各駅に一応自販機はありますが、美女平の時点で500mLペットボトルのお茶が200円でしたので、あらかじめ電鉄富山駅周辺で買っておくことをおすすめします。筆者もそうしました。


【美女平(977m) 10:10発→(弥陀ヶ原(みだがはら)1930m)→(天狗平(てんぐだいら)2300m)→室堂(むろどう)(2450m) 11:00着 立山高原バス ※臨時】


挿絵(By みてみん)


 団体のおじいちゃんおばあちゃんが多いという認識は合っていたのか、直行便が臨時で出て、それに乗ることができました。バスで50分というのも高速バスでない限りなかなかの乗車時間ですが、それよりこの50分で1500mくらい高くなるというのも驚きです。途中の道路はこのバス以外原則走行禁止で、景観保全にかなり力を入れられているとのこと。まあこの高原バスの前後はめちゃくちゃ登るケーブルカーか、ほぼ専用道路のトロリーバスなので、そもそも自家用車が入る余地がないのですが。

 正直寝不足で途中うとうとしていたところもあったのですが、バス内でも映像付きの解説が流れており、 自然を楽しむことができました。手前のケーブルカーの時点で角度が結構急なところを登っていくので霞みますが、この高原バスも始点と終点でかなりの標高差があります。このあたりで長野駅との往復ではなく、通り抜けるルートを選択して正解だったな、と思っていました。もちろん安くなったのもありますがね。

 室堂にも美女平と同様、屋上から景色を見下ろすことができます。が、十年ほど前まではそこから少し下のくぼみまで歩いて行くことができ、小屋もあったのが、最近は火山活動が活発になったことで立入禁止になっているようです。日によっては火山ガスの濃度が高いのでそもそも屋上にすら行けないこともあるそう。ただ、規制されていないこの日でも結構硫黄臭かったので、大丈夫な方だけおすすめします。現地の職員の方はもう慣れてしまって分からない、とおっしゃっていましたが、観光客は結構敏感に臭いと感じる方も多いようです。


【室堂(2450m) 11:15発→大観峰(2316m) 11:25着 立山トンネルトロリーバス】


挿絵(By みてみん)


 続くトロリーバスはほとんど専用道路のような場所を通るうえ、とどまって写真を撮るような時間も場所もなかったため、大観峰のロープウェイに乗る直前の写真をお見せしています。実は標高がこのトロリーバスで若干下がっていますが、バスに乗っているとあまり感じられませんでした。これを書いている今、実は下がっていることに気づいたくらいです。

 山の中腹をまっすぐ貫くトンネルの中を走行しますので、正直景色は分かりません。が、電気で動いているためか普通のバスでは曲がれないようなカーブもしっかり曲がっていくところは面白かったです。大観峰には展望台のようなスペースは特になく、流れるように次のロープウェイに乗った記憶があります。トロリーバスが終わると、今度はどんどん下ってゆく旅となります。


【大観峰(2316m) 11:30発→黒部平(1828m) 11:37着 立山ロープウェイ】


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 やっぱりロープウェイに乗っているといつ滑空しないかと心配になるのですが、ここで一気に下ってゆきました。これだけ長く、大きく高度差があるにも関わらず、途中に支柱がないタイプのロープウェイは珍しいそう。何も景色を邪魔するものがない中、浮遊しているかのように下っていく様子が、おそらく今回のルートで一番綺麗でした。また、この黒部平の展望台がお土産屋さんとともに一番充実している感じでしたし、個人的にも好きでした。


【黒部平(1828m) 12:00発→黒部湖(1455m) 12:05着 黒部ケーブルカー】


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 立山ケーブルカーと同じく、ここも急勾配のトンネルを下っていくため、景色は分かりませんでした。加えてケーブルカーのキャパの割に乗客が多く、5分間とはいえ詰め詰めで苦しかった記憶があります。富山側から来るとここでアルペンルートはほとんど終わり、あとは少し離れた場所にある電気バスに乗れば終了ですが、この黒部湖周辺でしばらく観光していました。まずは13時から30分ほど遊覧船、その後ダムにかかった大きな橋をのんびり歩きつつ食事処へ向かいました。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


【昼食 黒部ダムカレー】


挿絵(By みてみん)


 お昼はあらかじめ決めていた黒部ダムカレー。ダムのように曲線状に盛られたご飯と、ピリ辛のグリーンカレーが特徴的です。訪れたところはメンチカツもついていました。黒部周辺には他にもダムカレーを出す店がちらほらあり、きっちり特徴が統一されている、というわけではないようです。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 昼食後は2時間ほど、観光放水や特別展示を眺めていました。特に観光放水は放水場所のすぐ近くや、階段を280段上った先にある展望台などから見ることができ、特に280段の方は死にそうになりましたが全て制覇しました。死にそうとは言いましたが、今から考えれば3日目の行程よりはマシです。ダムを訪れたのは初めてでしたが、来てよかったなと思える景色でした。


【黒部ダム駅(1470m) 16:05発→扇沢(1433m) 16:21着 関電トンネル電気バス ※16:17頃に早着】


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 最後の電気バスが通る関電トンネルで、随所に説明のあった破砕帯が登場するのですが、車内からはここからここまで、というのが一瞬しか見えませんでした。今でも水が流れ出している光景は何とか見えましたが。しっかり朝から夕方まで黒部ダムを堪能して、あとは宿泊先の直江津に向かうだけ。……だったのですが、ここからが一見楽に見えて、なかなかハードな行程でした。

 ちなみに扇沢は展望台やお土産屋こそありますが、逆に言えばそれだけしかない山の中腹のターミナル、といった感じ。扇沢からのバスの時間は決まっており、もう一本後の電気バスでも間に合う時間だったのですが、扇沢で時間が潰せるだろうと思っていたら案外そうでもなかった、ということをお伝えしておきます。


【扇沢17:00発→長野駅東口18:45着 特急バス】


 3日目の行程として佐渡島に行くことは決まっており、直江津から小木港に入り、両津港から新潟市へ抜けるルートを考えていたため、この日じゅうに直江津かその近くまで行く必要がありました。つまり黒部ダム観光で終えることはできず、まだまだ旅は続きます。

 扇沢からは特急バス・路線バスが出ており、主な行先は大糸線・信濃大町駅と長野駅。大糸線は松本駅と元北陸本線の糸魚川駅とを結ぶ路線で、途中南小谷(みなみおたり)駅を境に、北側はJR西日本(飛び地)、南側はJR東日本が管理しています。この大糸線、南半分のJR東日本管轄エリアは特急も走っており、地方交通線ながら比較的活気がある(信濃大町~南小谷間はそこまででもないようですが)みたいなのですが、JR西日本管轄の北側区間はいつ廃止されてもおかしくないほどの過疎地域であり、車に完全にシェアを奪われていることもあって本数の全然ない区間だったりします。信濃大町で降りてしまうと、糸魚川に行くにも松本まで下るにも地獄ということが分かっていたので、長野まで行くことにしました。ちなみに扇沢から長野駅に行くバスは上記が最終で、これに間に合わないと糸魚川か松本経由が確定してしまいます。


【夕食 くるみそば 長野駅ステーションビル内 信州蕎麦の草笛】


挿絵(By みてみん)


 長野からは旧信越本線の区間を乗り継いで、直江津方面に向かいます。信越本線は直江津~新潟間以外全て三セク化されており、長野から途中の妙高高原まではしなの鉄道が、妙高高原から直江津まではえちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインが受け持っています。しなの鉄道の発車まで時間があったため、長野駅で夕食を取ることにしました。筆者は半年前に友人と長野旅行に来ており、長野駅周辺と善光寺にも訪れ、戸隠そばも堪能していたのですが、くるみそばは食べられていなかったので今回はそれをいただきました。くるみの甘さが絶妙にそばつゆに合う、という口コミを見て疑っていたのですが、確かに不思議と美味しい組み合わせでした。筆者は比較的ご飯を食べるのが遅い方なのですが、麺類は周りが驚くほど速く、今回もさらっといただきました。もともと筆者は蕎麦好きで、それもあったかもしれません。


【長野19:39発→妙高高原20:23着 しなの鉄道北しなの線 普通妙高高原行】


 昔の信越本線は群馬県の高崎駅から軽井沢、長野、直江津を通って新潟までを結ぶ路線でしたが、のちに全国で初めて新幹線の並行在来線として三セク化された路線でもあり、その際にバラバラの管轄となりました。しなの鉄道はこのうち真ん中あたり、軽井沢~篠ノ井間と長野~妙高高原間を受け持っています。間の篠ノ井~長野間は昔と同じくJR管轄となっており、交互の管轄でにわか鉄道ファンの筆者としては不思議に感じられました。

 しなの鉄道の南側区間は今回乗車していないため事情を把握できておりませんが、北しなの線との名前がついている長野~妙高高原間は、特に長野から数駅の間については高校生や通勤客でそこそこいっぱいでした。さすがに終点近くなると降りる人が自分を入れて2、3人というほどの過疎区間に入って、とんでもないところに来たなという感じがしましたが。


【妙高高原20:30発→春日山21:13着 えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン 普通直江津行】


 直江津は旧北陸本線の終着駅かつ港町ですので、ホテルくらいたくさんあって困らないだろうと高をくくっていたのですが、案外そうでもなく一つ手前の春日山やもう一つ手前の高田にぽつぽつとある感じでした。今回は一つ手前の春日山で下車したわけですが、まあ駅前が暗い。比較的大きな道路に出るまで街灯一つすらない道を歩いたのですが、あれほど二度と歩きたくない道はありませんでした。筆者は心霊スポットとか行けないタイプの人間ですね。

 この日はすぐ直江津に出られる場所で宿泊して終了としました。

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