前へ目次 次へ 10/29 (二)―8 隣にいた五〇から六〇代のやせ形の道上大輝が言った。 「ご迷惑おかけして申し訳ない」 二人に比べるとまだ若い、中年でガタイのいい梶田忠治が言った。 「別に梶田、お前に落とし前付けさせるつもりはないんだよ。状況が状況だけに変に勘違いする輩は出てくるからな。あの若造だってうちに入って長いんだろう。だったら落とし前は自分で付けさせなければならん」 「ただ、一つお願いがありまして。近田に付き添っている、高木という男、こいつは見逃してくれませんかね」 (続く)