20
その後、エリザベスと一緒にマイヤー家を訪ねた。
「ようこそ、みなさんんん!」
アルブレヒトはやっぱりオペラ調で、オレらを出迎えた。
なんか、気力ゲージを削られてる気がするのはオレだけですか?
……精神攻撃?
ともかく用件を伝える。
でも、新たな石炭の産地開発だけは伝えなかった。
これは機密事項だからな。
極秘裏に進めないと意味がない。
ということになってるし。
「ほほう、石炭ですとな!」
アルブレヒトはやっぱり無駄に声が大きい。
「石炭と言えば、『ニダヴェリール』ですよっ」
アルブレヒトは巻き舌発音だった。
あんた、どこ出身だよ?
「ニダヴェリールは、ミッドガルド南端にある地域でして、元は小人族や矮人族の住む土地ですよぉっ」
アルブレヒトは続けた。
疲れないみたいですね、この人。
ちなみに矮人族ってのは、太っちょでヒゲ生やしてて大酒のみで大食らいで頑固で、炭鉱やら金鉱やらで働くのが大好きな種族だとか。
それって、ドワーフじゃん。
じゃあエルフもいるのかね?
「昔は炭鉱があったのですが、今はその跡しかありませんな」
「では、やはり南から輸入してるんですか?」
「そうです。ムスペルヘイムから細々と輸入しているはずですよ。
ま、細々と言っても昔に比べてのことで、今でも我らの北方への輸出以上の数量がありますがね」
それって結構な量だよな。
あ、でも、ミッドガルド全体へ行き渡る量ではないのか。
となると、高級品として金持ち連中に行き渡ってるってとこだな。
ヒルデに聞いてみるのがいいかも、金持ちの令嬢っぽいし。
「その石炭に関わっていて、国政にも食い込んでいる方は?」
「……うむ、ロンドヒル公爵だな」
アルブレヒトは急に声を潜めた。
「公爵は元を正せば王族の血筋に行き着く由緒正しい家柄だ。
ニダヴェリールの北、アスガルドの南に位置する都市である『ドラシール』を治める地方統治者の一人でもある。
ヴァルハラ、ビフレストの多くの商人が石炭を買い求めに行く場所ですな。
公爵も多くの商人を抱え、利権を握っている」
「へー」
オレは先を促した。
王・侯・貴族で言えば『侯』族か。
「だが、公爵には黒い噂が付きまとっている」
「どんな噂ですか?」
「何でも、領地内の美しい女性を集め、その生き血を啜っているのだとか」
ドラキュラですか。
いや、ジル・ド・レーだっけか。
「わははは、噂にしては低俗な部類だな」
エリザベスが笑い飛ばした。
「わたしも昔、部下の兵士たちを頭からバリバリ食うとか言われたことがあったぞ」
……やりそう。
オレは周囲をチラと見たが、
みんなの表情が、
うん、やりそう。
うん、やりそう。
と言っていた。
「なんだ、軽い冗談ではないか」
エリザベスはぶすくれた。
そんな些細なことで機嫌悪くならないでください。
「敵が狙うとしたら、公爵閣下ですね」
オレはエリザベスに耳打ちする。
「石炭がなければ死活問題になるし、石炭を増やすことを条件に何らかのミッドガルドに不利益な事を飲ませることができそうだ」
「なんと!」
アルブレヒトは地獄耳だった。
あんた、何者?
「それは天下の一大事ではないか」
「あー、アルブレヒトさんも混ぜて欲しいんですね?」
「うん、そう」
ぱああっ。
アルブレヒトは、さわやかな表情でうなずいた。
「でも、国事に関わっている人がそう簡単に敵に通じるかな?」
鐶が珍しく意見を述べた。
もっともな考えだ。
「ま、バレたら地位がやばいだろうからな」
オレはうなずくものの、
「でも、それもやり方次第だ。逆に考えてみろ、地位が保たれるんであれば、やるだろ?」
「そうだけど…」
「これは勘だけど、魔王の軍勢というか、ムスペルヘイムと和平を結ぼうって考える諸侯もいるんじゃないのか?」
「……うむ。いるだろうな」
アルブレヒトはうなずく。
「戦争などしても我ら商売人は一文にもならん。死の商人なら別だが。
恐らく公爵もそう考えるだろう。同業者としてはそう思う」
「だが、それは認識が甘いと言わざるを得ないな」
エリザベスが断言した。
「魔王の軍勢は端から和平を望んでいない。ヤツらがそういう提案をしているのであれば、それは罠だ」
「同感ですね」
オレはその後を継いだ。
「魔王が搦め手を使ってくるのは、ミッドガルドの弱体化が目的だからです。
間違っても貿易を振興して共に発展しようなんて考えてません」
演説をぶって見たものの、
ぶっちゃけ、それでも良いと考える諸侯はいるだろう。
ミッドガルドが瓦解しても、ムスペルヘイムに尻尾を振ればよいと考えるのもアリだ。
でも、オレの立場からはその結論は出せない。
天の御使いは、アスガルドとミッドガルドの振興を求められるのだから。
「ロンドヒル公爵が石炭の輸入と国事を両立するとしたら?」
オレはみんなに問うてみた。
「うむ、和平路線を選ぶな」
エリザベスは、しかめっ面。
気に食わないのだ。
「うむ、大司教殿に事実確認すればよろしいのでは?」
アルブレヒトは、いつの間にか、オレらに取り込まれた様子だ。
……こいつ敵の間者じゃないだろうな?
ま、それはそれで貴重な人物だが。
間者を見つけた時は、寝返らせるか、泳がしてスピーカーとして利用するのが吉だ。
間違っても即刻始末してはいけない。
敵を警戒させるだけで、有益な情報は一つたりとも入ってこない。
それより、相手に情報を流し、それに反応したところを叩くのが上策だ。
ま、その辺はおいおい分かってくるだろうし、今はいいか。
「オーケー、アルブレヒトさんの案を頂こう」
「よっしゃぁっ!」
オレが言うと、アルブレヒトは子供のようにはしゃいだ。
******
オレらは一旦、エリザベス宅へ戻った。
バークレーの帰りを待ち、大司教へ事実確認を依頼した。
「人使い荒いですね、もう…」
バークレーは結構疲れているようだったが、
「そこを頼む、お前だけが頼りだ」
エリザベスが懇願すると、
「はい、すぐ行きます。今、行きます」
バークレーは惚れた弱みからか、喜んで出てった。
エリザベスは意外に人を使うのが上手いですね。
「いや、カイ殿の真似だ」
「バークレーさん戻ってきてないといいけどね」
オレは外を見やったが、舞い上がったバークレーはすっ飛んで行ったようだった。
つーか、オレの真似? ええー?
「マイヤー氏がいるところでは話せなかったが、新たな石炭の産地の調査はどうする?」
エリザベスが辺りをはばかるようにして言う。
「明日、大司教か、王の前で相談します。秘密裏にやらないとパーですからね」
オレは即答。
でも、本当はそれを餌に魔王の軍勢の出方を待ってるのさ。
策略に気づいているなら、誰でもそうするからね。
それを逆手に取って、出てきたところを挫くと。
「パーって何だ?」
エリザベスは聞き返す。
そこですか、あなたが気になったのは!?
「えーと、無駄になるとか、終わりだって意味ですね」
「解説ありがとう!」
エリザベスは、段々オレらにノリが近くなってきてるね。
慣れって恐ろしい。
あれ、気づいたらもう一日が終わってた。
******
夕方。
宿に帰ると、庭でロン毛が彫り物をしていた。
いや、無視だろ?
「無視すんなよ! 悲しいだろ!?」
「あ、ごめん、気づかなかった」
オレはわざとらしく言ってみた。
「イヂメるなよ〜」
「いや、そういうつもりはないんだけどね」
見ると、なかなかいい線言ってるが、作品としては平凡だなー。
「いいね、今度マイヤー商隊に見に来てもらうよ」
「先輩、今日、マイヤーさんの使いの人たちが来たッスよ」
割雄はオレを待っていたようだ。
う〜ん、持てる男/女は辛いぜ。ただいま性転換中。
「サンプルとして樽1本持ってかれましたよ」
「ああ、打ち合わせどおりだから大丈夫」
「あ、そっすか」
「それより、教会から建築士の司祭が来るから、そん時は一緒に立ち会ってくれ」
「あ、それって新設備の設置ですね」
「そう」
割雄とも結構ツーカーになってきたな。
「カイ君、これ見て〜」
美紀が『日中、カイ君いなくて寂しかったの〜』てな感じで擦り寄ってきた。
手作りの刺繍だった。
月と兎の図柄だ。
和風だなあ。
女子みんなで作ってたんだろうな。
「おっ、いいじゃんか、マイヤー氏に見てもらうよ」
「良かった、これ苦労したんだぁ」
美紀は喜んでいる。
やはり可愛い。
怒るとその筋の姉御だが、それはそれ。
「鐶も今日はご苦労様」
オレは鐶の髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。
「うん、カイ君のためならお安い御用だよ」
鐶は、ごろにゃんとオレに擦り寄ってくる。
やはり可愛い。
たまに黒いが、それはそれ。
サウナ上がりに鐶と美紀がやってきて、いちゃつく。
その後、サウナに入ってから、
ヒルデとどんなふうにいちゃつこうかと考えながら部屋に戻る途中、
ドス。
背後から、何かがオレの背中に突き刺さった。
******
「え?」
オレは事態が飲み込めず、
振り向くと、覆面姿の何かが立っていた。
とっさに頭の中にエリザベスの「そんな事をしてると後ろからブスリと刺されるぞ」という言葉が蘇る。
鐶か!? 闇化?!
いや、違うだろ。
それに全然、気配とかしなかった。
……うげ。
がくっ
オレの両足から力が抜ける。
オレの身体は意志とは関係なく、地面へ這いつくばってしまう。
痛みはまだないが、徐々にしてくるだろう。
そいつはオレの息の根を止めるべく、別の短剣を抜き放った。
『キャーッ』
ヒルデか?
思ったが、別の女子だった。
夜遅くに外に出たため、運悪く遭遇したと見える。
そいつは若干、迷ったようだったが、その女子をしとめるために投擲のフォームに入った。
……ダメだ。
何故か、オレの視界の中で、急速にすべての動きがスローモーになっていった。
……みんなを傷つけるのはオレが許さん。
怒り。
オレは、
オレは、
もう、
大切なものを失いたくないッ
ぐおおおおおっ
オレの中で何かが燃え盛り、体中を駆け巡った。
それは本当に炎として発現された。
背中の短剣が見る間に溶けて流れ落ちる。
傷口がひとりでに塞がれてゆく。
なぜか背中に目があるかのように、その様子が分かった。
視界にあるすべてのものは、まだスローモーなままである。
オレは風のようにすっ飛び、覆面姿と女子の間に割って入った。
そこで、時間の流れが戻ったらしい。
『キャーッ』
悲鳴とともに短剣が飛び、
ぐさっ
オレの掌に突き刺さる。
オレは意に介さず、
ぐしゃり
掌を握り込むと、
しゅーっ
短剣が溶けて地面へ流れ落ちた。
くるっ
覆面は背を向けて逃げた。
逃がすかっ!
追いかけようと思ったが、
『うううっ…』
狙われた女子のすすり泣きが聞こえたので、追跡は諦めて女の子の方へ駆け寄った。
******
認識が甘かった。
よもやピンポイントでオレを狙うとはな。
つーか、オレの存在がよほど邪魔と見える。
魔王?
……誰かは知らんが、つーか誰でもいいから後でボコってやる。
何にしても、殺しても死なないぐらい強えー身体でよかったが、問題はみんなに危険が迫ってるってことだ。
すぐに代表会議が開かれた。
一応、鐶が見張りについている。
「幸い、オレは怪我一つない」
オレは言った。
「でも、みんなの安全を考えると、エリザベスさんに頼んで見張りの兵士をつけてもらうのがいいだろうな」
「そうしてください」
藤田が震える声で言った。
怖いのだ。
今までは学校でゴブリンたちと戦った時でさえ、みんな直接的な死の恐怖は感じていなかった。
誰かが戦ってくれたからだ。
今回はみんなが狙われる可能性があるのだ。
その恐怖心は段違いだろう。
「今日は見張りを立てよう」
オレが立候補したのだが、
「ダメダメ、カイ君は怪我したばっかりなんだからね!」
美紀が有無を言わさず、オレを寝室へ連行した。
代役にはマサオが立った。
「これまでの地道な練習が実を結ぶ時がきたさー!」
とか喜んでんじゃねェッ。
……鐶の身が危ないッ!
「食らえっ!」
オレは速攻、マサオを殴り倒した。
ちろっと炎出てたかも。
見たか、嫉妬の炎の力!
「ぎゃーっ! なんてことすんだよッ!」
美紀が喚いたが、
「いや、気づいたら手が出てた、ごめん」
オレは悪びれもしない。
「この、アホッ!!!!!!!」
オレは、美紀に投げ飛ばされた。
バタンキュー。
******
気づくとオレは自室のベッドに寝かされていた。
「あ…」
美紀がオレが起きたことに気づき、心配そうにのぞき込む。
「大丈夫、カイ君?」
いや、お前がやったんだろっつーの。(苦笑)
でも、そんなことは言えるはずもなく。
怖いから。
「うん…大丈夫」
オレは言った。
「ごめん、やり過ぎちゃった…」
美紀は、何だかしょぼんとしている。
「大丈夫だ、いつもの単なるスキンシップだろ」
オレは美紀の手を取った。
引き寄せると、美紀は若干、はにかみながらオレの側に寄ってくる。
「でも、今回はケガしてたし」
「そうだな、ちょっとは状況を読め……って、オレも人のこと言えた義理じゃないけど」
マサオは今頃、夢の中で鐶を追っかけてることだろう。
…ちっ。
夢でもそんなことはオレが許さん。
またぞろ嫉妬の炎が出そうだったが、
「ごめん、ホント、ごめん」
美紀はまた謝った。
「じゃあこうしよう」
オレは言った。
「え?」
美紀は、かがみこんで後に続く言葉を待っている。
ふふ…引っかかりおって。
オレは心の中で悪役に徹しながら、
ちゅっ
軽くキスをした。
「あん…もうッ」
美紀は咎めるように言うものの、嬉しそう。
「ねえ…」
そして、すぐ『続き』と言わんばかりに目を閉じてくる。
オレと美紀はキスを交わした。
「ん…」
美紀の色気がレベルアップしてゆく。
閉鎖空間だし。
いや、オレ、キスだけで収まりそうにない勢いですよ?
「美紀」
オレは美紀の腰に手を回した。
「はい、そこまで!」
どかん。
ドアを開けて、鐶が入ってきた。
ああん。
オレと美紀の親密で濃密でラブラブなオーラがぁッ!?
「ちょっと目を離すとこれだ、チミはッ」
鐶はナイフのような研ぎ澄まされた視線をオレに向ける。
え、オレだけ?
ぐしゃっ
思うヒマこそあれ、鐶の踵落としがオレの胴体に叩き込まれました。
「ぐえ」
悶絶。
「ふん、ちょっとはスッとしたよ」
鐶は言って、
「ほら、美紀ちゃん早くしなよ」
「う、うん…」
でも…。
後ろ髪引かれる様子で美紀。
「あ、でもその前にッ」
鐶は何を思ったか、急にオレに接近し、
ちゅう〜っ
オレの唇を奪ったのだった。
ちゅぽん。
なんつーかオレの周りだけ、唇奪い放題、無法地帯なんですけど。
「い、いや〜ん。犯されるぅっ」
オレが思わず悪ノリすると、
しゅうしゅうっ
あ、美紀がスーパー○イヤ人になった。
すっげぇ、早いサイクルのシーソーだなあ。
ぎっこんばったん。
ラブラブしたり、体罰受けたり。
で、野球の投手フォームを真似たフルスイングパンチを食らいました。
******
でもその割りに、鐶と美紀は見張り中では仲が良いのでした。
美紀はもちろんマサオの代わり。
「ラブラブ話で盛り上がっている」
こうしてると普通の女の子たちなんだけどなあ。
いや、オレが何で知ってるかと言うと、いつもの幽体離脱で見てました。
愛しのヒルデちゃんと一緒に。
『ちっ…』
でもヒルデちゃんはご機嫌な斜め。
理由は言うまでもなく、鐶と美紀とキスした回数が増えたから。
『わかってるんなら、しないでよね!?』
ヒルデは、ジロリとオレを呪い殺すような目。
『てゆーか、『ちゃん』付けしないでよ…って、そろそろこのセリフ言うのも飽きてきたわ』
「そんなこと言ったってさー」
オレは弁解口調。
「鐶も美紀もオレのスイートハートだしィ…」
『物事には順列ってもんがあんの』
ヒルデはぶちぶちと文句を垂れる。
『王侯貴族だって、娶る女にはキチンと順位をつけてくのよ?』
「ああ、1号さんとか2号さんだっけ?」
『単語の意味はよく分かんないけど、ムカつくわね』
ヒルデは女の勘だろうか、鋭い。
でも彼女の言わんとすることは分かる。
『あたしが一番じゃなきゃイヤッ』
あ、言われた。
「あのね、オレはキミたちに順番つけるなんてできないよ。キミたちは物じゃないし」
『ま、それもそうよね』
ほ…。
オレは心の中でため息をついた。
『……』
ヒルデは、ちらとオレを見やった。
あう、待ってらっしゃるぅっ!
これは、
『キスして』
なフンイーキに他ならないっ。
うん、ボク、キス大好き。
オレの前世は、もしかして『キス魔』だったんじゃないだろうか。
「ヒルデ」
オレはヒルデの側へ立ち、彼女の腰に手を回した。
『ふん、そういうのだけは素早いのね』
憎まれ口を叩くが、頬が赤くなっている。
オレたちはキスを交わす。
『ん…』
ヒルデは頬を上気させていた。
いいですなっ!
グッドですなっ!
『また明日もちゃんと会ってよ?』
「会う会う。ボク、可愛いヒルデちゃんとキスするためなら毎日会う、死んでも会う」
『バカ、ヘンタイ、スケベ』
う〜ん、その恥ずかしそうな素振りがサイコー。
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」
『なに? 仕事向きの話?』
「うん」
オレはうなずく。
「石炭って上流階級ではよく使われるのか?」
『高級品よ、それ。貴族とかが冬になると懐炉ケースに入れて使っていたわね』
「そうか、ありがと」
オレはうなずく。
『石炭っていえばニダヴェリール産よね』
「今はムスペルヘイムから輸入してるってよ」
『ふーん』
ヒルデは昔を懐かしんでる風だ。
「ま、限られた業種では石炭が必要とされるだろうけどな」
『どんな?』
「今使われている泥炭ではできないようなところ」
簡単に言えばエネルギー効率なのだろうか。
不純物が多いのかも。
となると、大型の機械工業とかはやっぱ石炭が必要なんだろう。
安定した高出力の火力が必要になるだろうし、蒸気機関車も石炭が燃料だったよなー。
いずれは必要になる物資だ。
『……難しすぎて何言ってるか分かんないわ』
ヒルデに話したら、
ぐるぐる
目を回しかけたので、ストップ。
基礎から学ばせないとな。