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元・魔王と行く異世界征服旅  作者: 天空海濶
第四章 科学の街“イルム・アスリー”
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五十五話 本の内容?

 ──"イルム・アスリー"を探索して数時間後。


 "イルム・アスリー"を一通り見て回ったライとリヤンの家に行っていたレイ、エマ、フォンセ、リヤン、キュリテの五人が合流し、ライが見つけたカフェ的な所に六人は集まっていた。


「で、どうだった? リヤンの家は」


 そして集まるや否や、まずはライがリヤンの家はどうだったのかと尋ねる。

 ライは街の探索をしていた。それでちょっとしたいざこざにも巻き込まれたが、一先ずリヤンの家に興味が湧いているのだ。


「うん、凄かったよ! まるでお伽噺とぎばなしに出てくるような家でね! 木をそのまま使ってね──それで──が──でね──なんだ!」


 それに答えるレイは嬉々としており、リヤンハウスの事を楽しそうに話していた。

 そんなレイの様子を見、本当に良いところだったんだな。という表情をしていたライ。


「オイ……中々の上玉を連れたガキがいるぜ……?」

「本当じゃねェか……。……くぅ~ガキの癖してあんな美人を連れて歩くとはよ……見せつけてくれんじゃねェかよォ……!」

「ケケケ……何も知らねェクソガキにゃ勿体ねェよなァ……? つーか、一部は魔族じゃねェぞ……?」


 ライたちが話していると、チンピラ風の魔族がこちらを見てヒソヒソと話している。

 話し声は小さいが、その視線にはライたち全員が気付いていた。


「……なあ、キュリテがいれば絡まれる心配は無いんじゃなかったのか?」


 ライはそんな魔族達を横目で見てキュリテに聞く。キュリテ曰く、自分が居れば絡まれる事すら無い筈なのだが向こうは此方を嫌な目付きで見ているのだ。

 キュリテはそちらを一瞥し、自分の意見を述べる。


「ああ、それねー。……多分、私がライ君たちの影になっているから見えないんだと思うよー?」


「ライ君……? いや、まあそれは良いか。……俺が影になっているねえ……? じゃ、俺が少しズレれば良いのか?」


 ライはキュリテが呼んだ自分の名に一瞬反応するが、そうじゃない。と首を振り、質問した。その質問に対してキュリテは笑いながら応える。


「アハハ、うん、多分ねー」


 高いテンションでライへ返したキュリテ。

 ライは言われた通りキュリテの正面から少しズレ、それからチンピラの様子をうかがう。


「……お、オイ……あれって"レイル・マディーナ"にいる幹部の側近じゃねェか……?」

「ほ、本当だ……じ、じゃあアイツらは客か何かか……?」

「て、手ェ出すのはよした方が良さそうだな……」


「……クフッ……」


 魔族達の反応を見て思わず笑ってしまいそうになるライ。

 プルプルと肩を震わせるが、何とかこらえる。しかしあの魔族は何とも扱いやすい者達だろう。それはさておき、ライは話を戻す。


「……で、リヤンの家が凄いってのは理解したけど……他に何か目ぼしい物……ってのもおかしいな……。何かリヤンについて分かった事とかあったか?」


 ライが気になったのは、リヤン自身ですら分かっていないという両親の事や、何故リヤンが魔族の国にある森に一人で居たのか。などである。

 リヤンは仲間だが、仲間であるライたちが知らない事が多過ぎるのだ。

 見た限りだと呪いのような術を受けている様子でも無く、虐待されていたかのような傷も無い。

 となると、リヤンの親は何らかの理由で育てる事が出来なくなってしまった。という可能性が高い。


「リヤンの家があったなら、何か秘密もありそうだけどな……レイの話を聞く限り、中々快適な家らしいじゃないか」


 つまり、リヤンを捨てたのならばそんなモノを用意する筈が無い。だとしたら、やはり何かの災害などに巻き込まれたのだろうか。

 ライはリヤンを傷付けない為に自分の推測を言わず、言葉を選んで話していた。

 ライがリヤンについて知っている事、それは"リヤンはまだまだ謎が多い"。くらいである。


「あ、そうそう。家を調べた時にね、私が勝手に"サイコメトリー"で残留思念を読み取ってみたけど……あまりにも古過ぎて私の読み取れる範囲を超越していたなー」


「……そうなのか?」


 そして次にライへ話すキュリテ。キュリテもキュリテでリヤンの事を調べてくれたらしい。

 しかし、全能に近い超能力を所持していても尚リヤンの過去は分からなかったようだ。

 ライはキュリテに聞き返し、キュリテは言葉を続ける。


「うん。私の超能力はまあまあ万能なんだけど……結局はまあまあ止まりで、全てにおいて万能って訳じゃ無いんだー。"テレポート"は"空間移動"の魔術と同じように自分が全く知らない場所には行けないし、"サイコキネシス"で強化できる範囲も決まっているし……"サイコメトリー"は精々数百年の記録しか読めないし……」


「へえ……」


 つまりキュリテの超能力はこの世の全てを理解出来るモノでは無いという事。

 日常生活ではかなり便利な超能力だが、数百、数千年前に起こったような知りたい過去を知ったりする為には少しばかり不向きなようだ。

 ライはキュリテの話を聞きつつ、リヤンのそれから読み取れる情報を脳に詰め、そこから思考を回して推測していた。そして一つの答えに辿り着く。


「……じゃあ、リヤンの家は少なくとも……『数百年前からあるんだな』?」


「「「…………!」」」


 ライの推測にレイ、エマ、フォンセが眉を動かして反応する。

 リヤンの家を見た訳ではないのに、建てられてからどれくらい年月が流れたのかを当てたからである。

 ライの推測を聞いたエマはフッと笑ってライに言う。


「ふふっ……流石だな……。年月の事は『これ』を見せてから話そうと思っていたが……どうやら見せる間もなく当てられてしまったらしい……」


「……?」


 ライはエマの言い回しに疑問を覚える。そんな中、エマは自分のふところから本を取り出した。

 その本はテーブルの上に置かれ、ライは訝しげな表情でその本を見やる。


「……。何だ……その本は? ……随分と昔に作られた本みたいだけど……」


 ライが本を見て考える。本は凄く風化しており、形が残っている事が不思議な程。その事からかなり昔の本と当て、そんなライに向けてエマは言葉を続けて話す。


「その通りだ。この本は昔の本らしくてな、リヤンの家にあった開かずの間? から出てきた物だ」


「……へえ? ……詳しく聞きたいな」


 ライの要望に答え、エマはリヤンの家であった事を話す。

 家の形や家が建っている場所の様子などはレイから聞いたが、エマから聞きたいのは家の中で起こった出来事である。

 エマは口を開き、起こった出来事を話した。


「──って訳で、この本を開いた時に何があっても大丈夫なように、ライの近くで開こうという結論に至ったという事だ」


「……成る程な」


 そしてその話を終える。

 そんなエマの話を聞き、大体理解した様子のライ。

 理解力の良さは若いからか、それとも優秀な魔族と言われているからか常人のそれを凌駕りょうがしているライ。

 話終えたエマは、取り出した本をテーブルの上に置く。


「で、どうする? 此処で開くか? それとも人気ひとけの無い場所に移動するか?」


 エマはライに判断をゆだねるようだ。

 何度も述べるように、この本を開いた時何が起こるか分からない。

 仮に天災などが起こったとして、人気ひとけの無い場所の方がそれを最小限に抑えられる。という事である。

 ライは少し考え、エマの質問に応えた。


「そうだな……。まあ、可能性がゼロじゃないし一応移動だけしておくか……」


 そうして、ライ、レイ、エマ、フォンセ、リヤン、キュリテの六人はカフェのうな場所で飲み物を飲み終え移動する事にした。



*****



 ──???。



 薄暗く、ジメジメしている森。

 そこに集まる四つの影。その影は話をしている声が響き渡っていた。


「──って事さ」

「ふーん……」


 目覚めたゾフルはヴァイスから話を聞いていたのだ。

 話の内容は察しの通り、ヴァイスがかかげる目標の詳細しょうさいである。

 ゾフルは理解したのか理解していないのか定かでは無いが、取り敢えず相槌を打っていた。


「他にも君について色々と知りたいが……まあ、良いだろう。他に何か聞きたい事は?」


 ヴァイスは話を終え、ゾフルに聞きたい事があるか尋ねる。相手に質問があるのならそれを聞いた方が良い。話し合いでは重要な事の一つ。

 その言葉を聞いたゾフルは少し考えてから答えるように返す。


「そうだなァ……。……うし。……此処って……何処どこだ?」


 ゾフルが気になった事は、この場所は何処か。という事。ゾフルは目覚めてからヴァイスの話を聞いて数分。この場所も何もかも分からないところだらけだった。


「そうだね……。君が吹き飛ばされた"レイル・マディーナ"から数千キロは離れた場所……見ての通り、薄暗い森だ。街などは近くに無く、人通りも無い。幻獣・魔物が沢山いるけど……まあ私たちに近付こうと考えるような頭の悪い幻獣・魔物はいないだろうね」


「そうかよ。あー、クソ……! それを聞く限りじゃ、俺は完膚無きまでにあんなガキにやられたって事か……! かー、イラつくぜェ!」


 ヴァイスの話を聞き、数千キロ吹き飛ばされた事と死に掛けていた事から、ゾフルは完敗したと改めて実感して悔しがる。

 ゾフルの相手──ライにはまだまだ余裕があり、手加減されていたにもかかわらず完敗したのだ。悔しがるのも無理は無いだろう。


「その気持ち分かるぜェ! 俺だって俺が出せる最大の攻撃を片手で防がれたからなァ!」


 そんなゾフルを励ますのは、同じくライに敗北したシュヴァルツだ。

 シュヴァルツにもライに敗北したという共通点がある為、話易かったのだろう。


「そういやお前もガキに負けたって言ってたなァ! クク、とんだ共通点を持つ奴が此処に居やがったぜ」


 妙に意気投合しているゾフルとシュヴァルツ。そんな二人を一瞥し、ヴァイスが言う。


「まあ、共感出来る事を持つのは良いことだ。それはさておき、そろそろ私たちの目標にも本腰を入れて取り組むとしようか……」


「「…………!」」

「やっとか!」

「遂にやるんだね……」


 ヴァイスの言葉に反応するゾフルとシュヴァルツ。グラオは待ってましたと言わんばかりに乗り気だ。

 それを見ていたマギアもクスッと小さく笑う。

 ヴァイスはそんな四人の反応を見て話を続ける。


「ああ、ライは今現在魔族の国を攻めており、幹部の一人を撃破した。……まあ、厳密に言えばゾフルを合わせて二人だが……それは別に良いだろう。……だから、私たちも何処かの国へ攻め込むとしようか」


 それは、支配者がいる国へ攻め込むと言う事。

 今までは支配者の監視下ではないが、小さくもそれなりの戦力を持った国を襲っていた。

 しかし、今度は本気で目的を達成させる為に支配者を視野に入れるらしい。


「じゃあ俺ァ"魔族の国"が良いなァ。ライの野郎もいるみてェだしよォ……!」


「ククク……俺も同感だ。殺され掛けた、つか死んだ怨みを再びあの国で晴らしてェ……!」


 シュヴァルツとゾフルは"魔族の国"を攻めたいようだ。だがしかし、二人の標的はライらしい。

 二人ともライによって敗北したと言う過去がある。ゾフルに至ってはかなり最近の話。なのでライにリベンジをしたいのだろう。


「いや……楽しみは最後まで取って置きたいからね……。僕は一番世界で名を上げている"人間の国"を攻めたいな」


 そしてグラオが攻めたい国は"人間の国"。

 この世界は大きく分けて四つの国になっているが、その中で一番勢力を所持しているのは人間の国なのだ。

 出来るだけ強者と戦いたいグラオ的には一番の戦力を持っているという人間の国を攻め落としたいようである。


「えーと……じゃあ、私は消去法で"魔物の国"かなー? だって幻獣・魔物を統一するならその二つで一番戦闘に長けているのは魔物でしょ?」


 マギアが攻めたいのは"魔物の国"。

 ヴァイス達が掲げる本来の目的は幻獣・魔物、そして優秀な人間と魔族の統一。

 なので、それを遂行すいこうする為に魔物の国を攻めた方が良いという意見。

 それらの意見が飛び交う中、ヴァイスは四人を見て話す。


「いや、君たちが挙げた国は少々厄介な者も多く、制圧を完了するのに莫大な時間を消費するだろう」


「「……!」」


「へえ……? 言われてみれば……確かに言えてるかもねえ……? でも、僕的には厄介な相手ほど燃えるんだけどなあ」


「じゃあ何処の国にするのー?」


 ヴァイスの言葉に意見するグラオとマギア。グラオはその言葉を考えて納得し、マギアは訝しげな表情で尋ねた。

 シュヴァルツとゾフルは何だよ。と、不貞腐れる。どうしても二人的にはライにリベンジをしたかったのだろう。


「ライたちが居なければ魔族の国も考えていたが……」


 ヴァイスは溜めるように言葉をつづる。ヴァイスの中では魔族の国が最低評価だったらしい。戦闘好きが多い魔族だが、だからこそ作戦が決まりやすいなどと考えていたのだろう。

 そして、そのように考えながら言葉を発するヴァイスが選んだ国は。 


「気性も荒くなく、そこまでの戦力を所持していない……──"幻獣の国"だ」


 ──"幻獣の国"。

 幻獣の国にもそれなりの者が集っているが、ヴァイスは一部を除いて穏やかな性格という、幻獣の国をターゲットに選んだのだった。



*****



 ──"イルム・アスリー"。


 カフェ的な場所から人通りが少ない裏通りに移動したライたち六人は、本を囲むように見下ろしていた。

 人通りが少なければ、仮に何かが暴走したとしても個別で対処出来る。それも踏まえ裏路地に来たのだ。


「さて……移動したけど……。裏通りってこの街じゃむしろ人が集まりそうな気もするぞ……」


 ライが懸念していたのは"イルム・アスリー"では裏通りの方が賑やかな可能性がある事だ。

 昨日さくじつに居た街"レイル・マディーナ"では表通りより裏路地の方が治安が悪かった。なので元々治安の悪い"イルム・アスリー"では更に危険があるかもしれないと考えていたのである。

 そんな心配をするライに対し、明るい声で笑いながらキュリテは言う。


「アハハ、心配しなくても大丈夫だよ。ライ君。表通りが荒れているこの街、"イルム・アスリー"じゃ裏通りに隠れる理由が無いからね♪」


 つまり、からぬ者達が裏通りに集まるのは国の兵士や警察のような取り締まりを行う者達から隠れる為。

 しかし、元々治安が悪い"イルム・アスリー"では取り締まりを行ったとしても返り討ちに会う事がの方が多く、国の兵士は"イルム・アスリー"側なので気性が荒いから持っての他である。

 要するに、自由なこの街ではコソコソする理由が無いという事なのだ。


「そうか。それなら良かった……のか?」


 自分の発言に疑問を覚えるライ。良くは無いが、今のライたちからしたら好都合だろう。

 一通り話が纏まったところでフォンセが言う。


「で、この本だが……開くのは普通で良いか? 特に怪しい気配も無いし」


「ああ、そうだな。けど、一応念のために俺がめくるよ」


 ライの言葉にレイ、エマ、フォンセ、リヤン、キュリテは頷く。もしもの時があった場合、魔法・魔術に呪いが効かない魔王ライならば問題無いからだ。

 そして五人の反応を見届け、ライはその本を開いた。


「……」


「「「「「……………………」」」」」



 ──シーン。と、耳鳴りが聞こえてきそうな程の静寂。



 本を開いたが、やはり何も起きなかったようだ。ライはホッとしたようなため息を吐き、言葉を発する。


「ふう……どうやら普通の本みたいだな。普通の本なのに厳重に閉ざされた扉の向こうにあったって事は……機密情報とかの線が高いな……これは」


 パラパラと分厚い本をめくり続けるライは、色んな角度から本を眺めている。

 世には逆さから読む物や炙り出しなどがある。それを確認する為にそれを行っているのだが、古いという事以外何の変哲も無い本だった。


「何て言うか……この本は本当に古いんだな……。汚れを見ても、紙? の色を見るだけでも……とにかくちょっと力を入れると砕けそうだ。しかも、俺は幼少期から本を読んでいるのに見たことの無い文字が使われていて読めない……。エマは読めるか?」


 ライは本を見ていつ頃作られた物かを考える。

 そして、とにかく古い。古過ぎるという結論に至った。それから本をエマに手渡す。

 エマは本を受け取り、ライのようにパラパラとめくる。


「……まあ、古い文字だが読めなくは無い……が、少々苦労するな。一部の文字はかすれている。まあ、ライかフォンセが紙を再生させてくれれば問題ない。聞いた話だと前にも読めないほどの紙を再生させたらしいからな」


 エマは読めなくは無いらしいが、消えている文字や文字を隠している汚れが気になっていた。

 しかし、ライとフォンセのどちらかならば再生の魔術が使える筈。数千年生きているエマならば、この本の文字も読める可能性がある。なのでエマは二人を見、その返答を待つ。


「オーケー。ならフォンセの出番か? 俺は再生術をまだ上手く扱えないからな。これは言い忘れていたけど、俺が再生させると体力の消耗が激しいんだ」


 そんなエマの言葉を聞いたライは目配りをし、申し訳なさそうな視線をフォンセに向ける。

 フォンセはフッと笑ってその視線に返す。


「ふふ……分かった。私がその紙? を再生させよう。ライの頼みとあっては断れないからな。それに、自分の役にも立ちそうだ。……まあ、私も完璧に扱えるって訳じゃないから少々手こずりそうでもあるな……。取り敢えず数日は何もせず、この本を少し調べてからだな」


 こころよく了承してくれたフォンセ。しかし時間が掛かる可能性があるとの事。

 なので数日掛けて調べてから本を再生させると言い、そんなフォンセの言葉対し、レイ、リヤン、キュリテが言った。


「あ、何か手伝って欲しい事があったら私に言ってね。魔法・魔術関係の事はさっぱりだけど、何もしないで見ているだけなのは罪悪感があるから!」


「……私の家にあった本だから……私も手伝えるなら手伝う……」


「そして、万能に近い私の超能力を忘れないでよね? その古さは難しいけど、再生の超能力もあるんだから」


 レイ、リヤン、キュリテも出来る事があれば手伝うらしい。その力強い言葉から何とも頼もしい仲間だろうと改めて思うような表情のフォンセ。


「よし……。じゃあ、また飲食店かなんかでも見つけて、これからの行動をどう取るか話し合うか?」


「うん、それが良いかもね。カフェでは何も頼まなかったからお腹も空いちゃったし……」


 グウと鳴る腹部を、恥ずかしそうに押さえるレイ。レイはライの提案に同意し、他の四人も頷く。

 先程カフェのような店で本を見ていたが、そこで頼んだのは軽い飲み物くらい。なので空腹なのである。


「そういやそうだな……。じゃ、まずは昼食を摂るか……」


 時刻は既に昼過ぎ頃。治安が悪い"イルム・アスリー"だが、午後の暖かな空気は他の場所と大差ないようだ。

 そんな空気に包まれる中、昼食を摂って行動を取ろうと考えるライ・レイ・エマ・フォンセ・リヤン・キュリテだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] キュリテが答え言ってるのに、当たり前のように自分で推理したふうな主人公とそれを褒める仲間よ・・・。
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