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元・魔王と行く異世界征服旅  作者: 天空海濶
第九章 支配者の街“ラマーディ・アルド”
197/982

百九十四話 七、八割

「…………」

「…………」


 ザァと風が吹き抜け、クレーターだらけになった恒星の数千万、数億倍の広さを誇る惑星に佇む二つの影──ライとシヴァ。

 その星に空いた穴はまるで、天から降り注ぐ流星群が全て地に落ちたのかと錯覚する程だった。

 二人は髪が揺れており、暖かくもほんのりと冷気を含めた風が吹いていた。

 幾つものクレーターがその場にはあるのだが、一際大きく惑星が数十個入る程の大きさを誇る大穴が一番目立っていた。


「「…………」」


 そして二人はゆっくり動き、


「行くぞ……!」

「……ハッハ……来い! 侵略者ァ!!」



 ──その刹那、星の表面が……『消し飛んだ』。



 魔王の力を七割纏ったライ。

 そんなライが恒星の数千万、数億倍の面積を誇る惑星を踏み砕き、そのまま星の表面が抉れたのだ。

 消し飛んだ恒星数万個分の面積は宇宙に飛ばされ、ライは第六宇宙速度──光速を超えて加速した。


「オラァ!!」

「これだよこれェ!!」


 そしてライとシヴァはぶつかり、それによって新たな巨大クレーターが形成された。

 そのクレーターは造り上げられても尚巨大化し、最終的には惑星が数千個入るであろう大きさと化す。

 そしてそのまま辺りの大地は消し飛び、ライとシヴァの足元以外残っていなかった。


「ッハハ……一撃ぶつかっただけでこの破壊力……やっぱこれくらいが楽しいぜ……! 光速のぶつかり合いも良いが、常軌じょうきを逸したぶつかり合いの方が丁度良い……!!」


 光の速度を超越したぶつかり合い。

 それを行うシヴァは心の底から楽しそうに嬉々として話す。

 対等を求め続けていたシヴァは互角の相手が居るだけで嬉しいのだろう。


「まだまだ楽しもうぜッ!!」


 大地を蹴り砕き、光の速度を超えて加速した。そんなシヴァの一歩によって星の表面が抉れる。


「……楽しめるかな……」


 そしてライは正面からシヴァを迎え撃つように拳を放ち、本日何百何千何万回目となる激突を起こした。

 ライはシヴァに返すが、ライの言った"楽しめるかな"と言う言葉はライ自身に言った言葉だった。

 ライは魔王の力を七割纏った。しかし、その七割は恐らく今のライが出せる全力である。

 つまり、これ以上楽しませたとして八、九、十割を使えなければ逆にやられてしまうだろう。


「楽しませて貰うぜ!!」


 そんなライの言葉に返しながはライへ向かうシヴァ。シヴァは楽しむ事を優先しており、ライの全力どうこうは気にしていないようだ。


「取り敢えず今は支配者優先か……」


 ライも意識をシヴァに向け、再び身体に力を込める。

 使えようと使えまいと、どの道戦闘は行う。ならば、うだうだと考えていても意味が無いと考えたのだろう。


「「オ────」」


 そしてライとシヴァは互いに互いの距離を光速以上の速度で詰め、


「「────ラァ!!」」


 同時に拳を放った。

 それによって生じた衝撃波はこの星を大きく揺らし、想像を絶する爆風を巻き起こした。

 その威力は星が消える際に起こる超新星爆発を軽く超越しており、その場に他の星が数十個から数百個あったとしても塵すら残らないだろう。それ程の大爆発だった。

 それでも尚この星は砕けず、表面数十億キロ程度が更に抉れて消滅する程度で済んだ。


「「…………!!」」


 そして例の如く二人の姿は消え、一瞬にして星を容易く破壊出来る攻撃同士がぶつかった。

 光を超える二人は更に加速し、音や視界を置き去りにして突き進む。

 景色というモノは通常、光速で目に入りそれを脳が映像にする。

 しかし光の速度を超越した今、ライとシヴァに映るモノは互いの姿と光の残映だけだろう。


「「ラァ!!」」


 そして光の領域を越えた二人は一瞬動きを停止し、互いに脚を放った。

 ライとシヴァの脚は交差し、その衝撃で辺りを廃墟と化させる。

 一瞬でも動きが止まった事によってライとシヴァの視界に景色が映り込み、互いが互いの姿を捉えた。


「やるじゃねェか……!!」


「アンタに追い付かなきゃ……追い越さなきゃ勝てないからな……!!」


 互いの顔を一瞬だけ確認したライとシヴァは不敵な笑みを浮かべて互いに言い、二つの衝撃で二人は離れる。

 離れた瞬間即座に近寄り、刹那の時間で数千回ぶつかり辺り一帯を消滅させた。

 そしてシヴァは消滅させた土地を再生させ、ライを土地の底に埋めようと試みる。

 消滅した土地が再生し、ライは確かに底に埋もれた。

 そして次の瞬間にライはシヴァの後ろに回り込んでおり、回転で勢いを付けた回し蹴りを放つ。

 シヴァはそれを避け、


「ハッハ! 確かに埋めたつもりだったがやっぱ意味無かったか!」


 高らかに笑い、光の速度を超えてライへ近寄る。


「ああ、山に埋められた時は大規模な破壊をしちゃったけど……今はそれなりの力を使っている。最小の破壊で脱出出来たのさ」


 そんなシヴァに返し、ライも大地を蹴って加速した。


「「オ────ラァ!!」」


 刹那、星が砕けた。

 砕けたと言っても全てが粉砕した訳では無い。

 林檎リンゴで例えよう。林檎リンゴをかじった時、当たり前だが歯形が残る。

 その歯形の範囲が砕けたのだ。

 林檎リンゴは小さいが、この星は恒星の数千万から数億倍。歯形程度の範囲だとしても惑星──恒星が数万個は容易く入る。

 しかし、その程度の破壊など先程からされていた。


「楽しいなァ!! 侵略者ッ!!」

「楽しくねェよ!! 支配者!!」


 ライとシヴァは光速領域を超越した速度で殴り合い、蹴り合い、ぶつかり合う。

 ぶつかりながらも二人には会話をする余裕があり、シヴァは感想を言い、ライはその感想を否定する。

 そしてライだが、ライは"ラマーディ・アルド"とその近辺の場所で戦った時、確かに七割の力を使った。

 しかしその七割は一応全力という訳だが、完璧な全力では無い。

 本当の全力の場合、今現在進行形で行われているように一挙一動で惑星を数千、数万個破壊する程。

 "ラマーディ・アルド"でもライはシヴァに全力の七割、超新星爆発を軽く超える拳を放った。


 だが、近辺には住人が居ると刻まれていたのか、『ライは自分も知らないうちに枷を着けていた』のだ。


 結果、シヴァの頑丈さも相まって"ラマーディ・アルド"が消滅するだけで済んだのだが、現在使われている力は本気の七割。

 住人の安否やレイ、エマ、フォンセ、リヤン、キュリテ、その他の心配が無い今、ライは本当の意味で全力の七割を使えているのだ。


「オ────」


「……?」



 そしてその七割は──



「────ラァ!!」


「……!!」



 ──次の段階へと進化した。



「……ッ! ……な、これは……!?」


 そして、光の速度を超越した──更にその向こう側の速度でシヴァを殴り付けたライ。

 シヴァはその変化に対応しきれず、ライの拳が腹部に直撃した。

 それによってシヴァの姿が消え去り、遅れて前方を大きく破壊させ土煙を巻き上げる。

 文字通り天地を揺るがす攻撃によって前方は大きく凹んでいた。そこにも惑星が数万個入るだろう。


「………………………………。……は?」


 ライは自分でも速くなったと理解し、思わず素っ頓狂な声を上げた。

 先程まで互角に渡り合っていたシヴァ。

 そんなシヴァに確かな一撃が入り、見えなくなる程吹き飛ばしたのだから当然だろう。


【お、やったじゃねェか! テメェ、今八割の力を使えたぞ!】


(…………。……八割だって? ……成る程な)


 そんなライを見た魔王(元)は笑うようにライへ言い、それを聞いたライは納得する。

 使いたかった八割だが、それを使えるからと言って慌てたりはしない。

 慌ててはいけない。

 八割の力を使えたとは言え、相手は支配者にして魔族最強。"魔神"の異名を持つシヴァだ。

 恐らく七割と八割の緩急差で反応が遅れ、ライの拳を受けたに過ぎ無いだろう。

 つまり、次のシヴァは魔王ライの八割に合わせてくるという事である。


「ハッハッハ……オイオイ、テメェはまだ俺を楽しませてくれるのか? これはありがたい!」


「……」


 そして、土に汚れたシヴァがライの背後から話し掛けて来る。

 その表情は相も変わらず楽しそうな嬉々としたモノ。

 ダメージを受ける機会すらも無いシヴァからすれば、自分にダメージを与えられる存在は貴重。神の領域に足を踏み入れていも、戦闘好きの魔族という事は変わらないシヴァは対等を望むが故に対等以上の相手も望んでいたのだ。


「面白ェな侵略者! テメェは今、全力のどれくらいだ?」


 高らかに笑うシヴァはライへ向け、今ライの出している力はどれくらいかと尋ねる。

 恐らくシヴァはライの力に合わせた力を出そうとしているのだろう。


「そうだな……八割くらいだ。魔王おれは今八割くらいの力を使っている。まあ、別にアンタには関係無いんじゃないのか?」


 そんなシヴァに一応答えるライ。

 しかしライは、それを言っても意味が無いとシヴァに質問した。

 それもその筈。ライは全力を出せないが、シヴァは出していないだけ。

 つまり、魔王の力を八割纏ったライとシヴァではまだシヴァの方が上手の筈だからである。


「ハッハ……いーや、意味が無い訳じゃ無いぜ? どうやら一割から五割まではテメェの力と俺の力に圧倒的な差があるみたいだが……六割からは俺もそれなりの力を使っている。つまりまあ、六割以降は俺と同じレベル……もしくはそれ以上って訳だ……」


 口角を吊り上げ、心の底から歓喜に触れながら話すシヴァ。

 今の八割以外はシヴァに何割の力を使っているか言っていないのだが、恐らくシヴァはライの力はどれ程か推測していたのだろう。なのでライが何割ほどの力で戦っていたのか分かった様子だ。


「へえ、つまり……元々俺はアンタに勝つつもりでいたけど……それに信憑性が増してきたって訳だな? 俺がアンタに勝つ確率は上がりつつある訳だ」


 シヴァの言葉を聞き、挑発するように話すライ。

 元々勝利を掴み取るつもりだったライだが、それが現実味を帯びてきたので余裕が出てきたのだ。

 無論、挑発する余裕というだけであり油断もしなければ警戒を怠らない。


「ああ、そうだな。俺的には心底嬉しい事だが、テメェも俺に勝てる見込みが出てきて嬉しいだろ?」


「まあな……」


 それに対してシヴァが言い、ライが本心を即答で返す。

 魔族の国の征服は、悪魔で世界征服の手段に過ぎ無い。しかしも四つある国のうち、まだ一つ目の国である。

 その為にもさっさと支配者のシヴァを倒し、次々と国を征服しなければならない。

 勝てる確率が0と1では大きく違う。今は勝てる確率が半分以上になったのだ。

 世界征服を目標とするライにしてみればこれ以上無いだろう。


「てぇ事で……さっさとアンタを倒すとするよ」


「クク……来い!」


 刹那、再び超新星爆発を凌駕する爆発が起き、辺りが消し飛んで消失した。

 それと同時に別方向にある大地の一部が浮き上がり、そのまま空中を漂う。それはさながら空中に浮かんだ島のようだった。


「「…………!!」」


 そして二人はその島のような大地へ跳躍し、重力に伴って落下する大地に足を着けた。

 そして大地は粉砕する。それと同時にライとシヴァがぶつかり、雲や空気を吹き飛ばして風圧だけで山々を消し去る。

 その風圧と衝撃は留まらず、光の速度を超え、それを更に超える速度でこの星を駆け巡り、恒星の数千万、数億を誇る星を一周して打ち消しあって収まった。


「オラ……!」

「そら……!」


 軽い掛け声と同時に放たれた衝撃は轟音を響かせ、成層圏の雲を消し去る。

 それでもまだ収まらず、重力を振り切って宇宙に飛び出し近辺の惑星を大きく揺らす。


「ほいっと!」

「ハッハァ!」


 そして次は脚と脚をぶつけて二人が衝撃を放つ。

 その衝撃も宇宙へ放たれ、近辺の惑星を揺らし、最終的には破壊する。

 人智、生物の領域、それらの全てを圧倒的速度で超え超越した二つの攻撃は宇宙へ伝わり、近辺の惑星のみならず数光年を一瞬にして通り越した。今頃どこかの星では一際明るい星が見えている事だろう。

 そしてライとシヴァは姿を消し去り、それによって生じた爆風は星の表面のみならず星の半分を抉った。


「ハッハー! この星も俺たちにとっては狭過ぎたか侵略者ァ!?」

「んな事、俺が知るかよ!!」


 この惑星や近辺の星々、最終的には宇宙へ伝わる衝撃を放つ二人は会話しながら攻防を繰り広げ、更に破壊して行く。

 一発殴って星が砕け、二発殴って銀河を揺らし、三発殴って数百数千光年先の銀河まで衝撃を伝える。

 そんな衝撃が加われば恒星の数千万から数億倍の面積を誇るこの星も砕けそうだが、衝撃を宇宙へ逃がしている事である程度抑え惑星破壊は防いでいた。


「八割って事はまだまだ真の力が眠っているって事だろ!? だったら早くその力を俺に魅せてくれよ!!」


「慌てるな! せっかちな男は嫌われるって婆ちゃんが言ってたぜ?」


「ああそうかよ!!」


 下らない会話をしつつ、決して下らなく無く宇宙に影響を及ぼす攻防を繰り広げるライとシヴァ。

 一挙一動で惑星の表面が抉れ、近辺の星々が砕け散るせめぎ合い。

 それを見たシヴァはクッと笑い、


「じゃあ、今度はこの星の数千万から数億倍の面積を誇る星に移動してやるぜ!!」


「……は?」


 刹那、ライとシヴァは別の星に居た。


「……な!?」


 シヴァの言葉に疑問を浮かべたライだったが、その疑問が脳に伝わるよりも早く別の星へ移動していた事へ声を上げる。

 そしてその星は、先程までの星とは何かが違っていた。


「……これは……重い……?」


「ハッハッハ!」


 その違いは重力。

 ライとシヴァが移動した星は何も無く、ただただ重かった。

 その重力は先程までの星と数万倍は違うだらう。


「この星を創ってみたは良いが……如何せんこの重力があってな。生物が棲まなきゃ空気も潰れて無くなっちまった。それ故に草木も生えずただ真っ平ら。そして見える者は恒星サイズの山が数兆個だけ……まあ要するに、余りにも過酷過ぎるんだわ。銀河系程のサイズに加え重過ぎる重力に空気も無いから息も出来ねェ。そんな星を創った意味が無かったが……テメェと戦うにはこのくらいが丁度良い!!」


「……は? いや、息って普通に話せているし……てか、は? ……え……うん……?」


 この星へ移動し、淡々と説明をつづるシヴァ。

 シヴァが話す事にはおかしな点が多過ぎた。

 重過ぎる重力や恒星サイズの山々など、言いたい事は山ほどあるが、そもそも空気が無いのに何故シヴァとライは話す事が出来、ライが普通に行動出来ているのか。である。


「あ? ああ、まあ色々言いたい事があるってのは分かる。空気が無くて話す事が出来るのはおかしいからな。ぶっちゃけそれは俺にも分からん! 俺は空気を創造する事も出来るが、テメェの周りに空気を創るのを忘れちまっていた! だから、何でテメェは普通に出来てんだ?」


 ライの気になっている事を理解したシヴァは、ライに向けて話した。

 しかしライが空気の無いこの場所でも普通に出来ている事は分からないらしい。


「何だよ……そりゃ……。……つか、本当に何で……?」


【ああ、多分それ。お前の能力……っつーのか? 的な物理を無効にするアレだ】


(…………………………。……は??)


 悩むライに向け、答えを出したのは魔王(元)。

 魔王(元)はライの思考を横に言葉を続けて説明する。


【そうだな……まあ、今回だけかもしれねェが、今のテメェは俺を八割纏っている。だからなのか、テメェ自身が持つ物理的な攻撃をも無効にする力が働いているって訳だな。……多分】


(物理的な攻撃の無効化……? いや、確かに前から魔王おまえに言われていたが……それって空気にまで影響を及ぼすのか?)


 魔王(元)が言った答え、それはライ自身が持つ剣や矢に銃弾、拳に脚などのような物理的力を無効化する能力が作用して今の状態が出来上がったらしい。

 それは魔王(元)の八割に反応して開花したとの事。

 しかし、それは悪魔で今だけの話と魔王(元)は言った。

 ライ自身を鍛えれば全ての魔法・魔術などのような異能。そして全ての物理攻撃を無効化を得る事が出来るらしい。

 無論、そんなラスボス染みた能力ちからは得られ無い可能性の方が高い。


【ああ、物理ってのはこの世の全て……って訳じゃねェが、あらゆる事に該当する。んじゃま、要するに……今のテメェは海の底だろうが宇宙空間だろうが何事も無く行動出来るって事だ! むしろ、一分一秒も掛からずに成長しているテメェなら俺の九割も使えんじゃね?】


(……!)


 魔王(元)の説明を聞き、魔王(元)の言った言葉に何かを感じるライ。

 まだ八割を纏って数分だが、魔王(元)は既に九割の力を使えるのではと告げたのだ。ライが目を見開くのも当然だろう。


「んー、やっぱ分かんねェな……。取り敢えずテメェを倒した後に調べてみるか……あ、勿論拷問に近い事はしないから安心しろ! 調べるって言っても質問とかがメインだな。後はこの戦闘で色々と分かる筈だからな」


「……え? あ、ああ……。……いや、何かがおかしいぞ……!? あ、そうだ……俺が勝つんだよ!!」


 ライが魔王(元)と会話をしている時、まだライについて考えていたシヴァは適当な答えを導き出した。

 それをライに言い、シヴァが勝つ事を前提で話す。

 それに対してライはから返事をしてしまったが、それを訂正した。


「ハッハッハ! テメェが勝つ? 力は互角だが、こういう時に経験の差がモノを言うんだ、自惚うぬれるなよ侵略者……? とまあ、それっぽい事を言い終えたし……さっさと続きと行こうぜ?」


 クイッと掌を己の方へ返し、ノリノリで上級者を演出するシヴァ。

 シヴァは"自惚うぬれるな"。と言う台詞を自分でも言わない事を理解しているのだが、何となくやってみたかったのだろう。


「ハハ、良いじゃん……。せっかく場所を変えたんだ……だったら俺も……次の段階に移って見ようかな……っと……」


「……ほう?」


 ザッ。と脚を広げ、シヴァの方を見ながら話すライ。

 取り敢えず今は魔王(元)の言葉を信じ、九割の力を纏ってみようと試みる。

 その行動を見たシヴァはふざけた表情を一変し、キリッとした真面目な表情に変える。

 それと同時にライを漆黒の渦が纏割り付き、辺りにある恒星サイズの山々を粉砕して行く。

 そして、ライはいよいよ九割の力を纏おうと行動に移る。

 仮に九割の力を纏える事が出来れば十割──本当の意味での全力へグッと近付ける事だろう。



 ライとシヴァの戦いは、ライが九割の力を纏おうと試みる事でいよいよ終盤戦へと向かって行くのだった。



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