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元・魔王と行く異世界征服旅  作者: 天空海濶
第八章 王の街“マレカ・アースィマ”
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百五十七話 戦況

 ──"マレカ・アースィマ"・街の出入口。


「"ショーラ"!」

「"マイヤ"!」

「"リヤーフ"!」

「"トゥルバ"!」


 "ハルブ・アドゥ・マウラカ"側の兵士四人が、幹部の側近であるラビアに向けて四大エレメントの魔術を放つ。


「あらら……こんなに……」


 それを見たラビアは微動だにせず、楽観的に眺めていた。

 そしてそんなラビアに向けて放たれた炎・水・風・土のエレメントは突き進む──


「しょうがないなぁ……」



 ──刹那、ラビアの周りに光る浮遊物が現れ、



「"光線アシェア"♪」

「「「「………………ッ!!」」」」


 それから連続して光の熱線が放たれた。

 光線によって兵士達は貫かれ、肩や腕が熱で焼ける。


「「「「ぐわあああああ!!!」」」」


 そして痛みが伝わり、叫び声を上げる兵士達。

 それを見る限り、ラビアが使うのは魔力の塊をレーザーのように放つ魔術らしい。


「ほらほら~♪」


「「「「ぐわあああああ!!!」」」」

「「「「うわあああああ!!!」」」」

「「「「ぎゃあああああ!!!」」」」


 笑顔を向け、連続して魔力の塊を放つラビア。

 ラビアが放った魔術の塊は地面に着くと同時に破裂し、爆発を巻き起こす。一撃一撃が広範囲を爆破し、"ハルブ・アドゥ・マウラカ"の兵士達が巻き込まれて吹き飛んだ。

 訂正しよう、ラビアが使うと魔術は光線タイプと爆弾タイプがあるらしい。


「まだまだ行くよー!!」

「「「ギャアアアアアアアア!!!」」」


 最後にそこそこの大きさを誇る魔力の塊を放ち、大爆発を起こさせて相手の兵士達を吹き飛ばしたラビア。

 何とも雑魚処理に便利な魔術だろう。


「"剣の雨(セイフ・マタル)"!」


「「「うぐはああぁ!?」」」


 ブラックは刃の雨を降らせ、相手の兵士達を突き刺して行く。

 それを受けた兵士達は血を流して倒れ、そのまま気を失う。


「俺のとこには雑魚しかいねえのか……」

「俺の所もです、ブラックさん」


 兵士達を見て退屈そうに呟くブラック。

 そんな近くにサイフが来、ブラックに話す。

 サイフの後ろに居る兵士達には矢で貫かれたような痕がある事からサイフが倒したと推測出来る。

 そして、ブラックの所に来たという事はサイフも雑魚処理がつまらなかったのだろう。


「……ッ!!」


「「何だァ!?」」



 ──その刹那、ブラックとサイフの方に建物を砕きながらフォンセが吹き飛んで来た。



 ブラックとサイフは思わず声を上げ、フォンセの方に視線を向ける。


「オイ、何があった?」


 そんなフォンセに向け、訝しげな表情で尋ねるブラック。

 サイフはフォンセが飛んで来た方向を見ていた。


「いや……何でもない……」


 そんなブラックに向け、話ながら立ち上がるフォンセ。

 フォンセの身体からは出血しており、打撲のような傷もあった。


「何でも無ェ訳がねェだろ……一体何が……」


 そんなフォンセに聞こうとするブラック。

 しかし、ブラックの質問はサイフの声にさえぎられる事になる。


「……ッ! ブ、ブラックさん! 大変です!!」

「……?」


 その声に反応を示すブラック。

 そして示した時、ブラックの視界には──


『ウオオオオォォォォ!!!』


「……!!」


 巨大なそれが映り込んだ。


「あれは……バロールだと……!?」


 バロール。見たら死ぬという目、魔眼を持つ最強の巨人。

 それを見たブラックとサイフは構えを取り、自身の警戒を最大限に引き上げる。


『ウオオオオォォォォ!!!』


 バロールはフォンセを含めた三人を一瞥し、大きな雄叫びを上げて三人へ突撃する。


「……チッ、レヴィアタンだけじゃなくバロールもか! "乱れ剣(イルテバーク・セイフ)"!!」


「これはこの街にちょっとした神話が広がってますね……! "矢の雨(サハム・マタル)"!!」


 その瞬間、ブラックとサイフはバロールに向けて大量の剣と矢で攻撃を仕掛けた。

 剣と矢は空気を切り裂きながら真っ直ぐ進み、バロール目掛けて直進する。


『ウオオオォォォォォ!!!』


 そしてバロールは、その二つの魔力から創られたモノを……意図も簡単に弾き飛ばす。

 当たり前のように魔術も使えるバロールは、ブラックとサイフの魔術を風魔術で吹き飛ばしたのだ。


「……しゃーねェ! サイフ! 近距離で攻めるぞ!」


「ウッス! ブラックさん!」


 それを見たブラックは遠距離攻撃は無駄と悟り、サイフに近接で攻めると言う合図を出した。

 それに頷いて返すサイフ。二人はバロールの元に駆け寄って行く。


「あ、オイ!」


 それ見たフォンセは呼び止めるように叫ぶが、ブラックとサイフにその声は既に届いていなかった。


「"セイフ"!」

「"サハム"!」


 そんなフォンセを横目に、ブラックとサイフはバロールへ仕掛ける。

 バロールの近くではブラックが幾多の剣を構え、遠距離程離れておらず、近距離程近付いていないサイフは矢を放つ体勢に入った。


「「"放出ラマー"!!」」


『……!!』


 刹那、バロールに向けて幾多の剣と矢が放たれた。

 ブラックの剣は主に胴と脚を切り裂き、サイフの矢は上半身を貫く。それを受けたバロールは怯み、一瞬だけその動きが停止する。


「"剣の森(セイフ・フルシュ)"!!」

『……ッ!』


 その瞬間、バロールの足元から大量の剣が生え、バロールの足元から身体を貫通していく。

 バロールに流れている血も赤いらしく、傷口からは鮮血が流れていた。


『グオオオォォォォォッ!!?』


 バロールは剣で足を貫かれた痛みで苦痛のような声を上げる。


「ダメージは受けるか……"矢の滝(サハム・シャッラール)"!」


 次の刹那、サイフは上空から魔力で創られた矢を大量に降らせた。その矢は相手の兵士達を含め、バロールを貫いていく。


『ウ……グオオオォォ……』


 ズズーンと、バロールは剣と矢のダメージによって膝を着き前屈みになる。


「やはり強いな……幹部とその側近は……私があっさり吹き飛ばされただけか……?」


 じわじわとバロールを追い詰めるブラックとサイフ。

 それを見たフォンセは自分の力が不足していたに過ぎなかったと、反省するように──


『ウ……ウオオオオォォォォォ!!!』


「「…………!?」」


 ──そして、フォンセが反省するよりも前に『ブラックとサイフがバロールによって吹き飛ばされた』。


「……!! な、何が……!?」


 それを見たフォンセは驚愕したように目を見開き、ブラックとサイフが吹き飛んだ方向を見やる。

 そこには何も無く、砕けた木や岩、"マレカ・アースィマ"の建物の残骸だけが残っていた。

 フォンセが目をやった瞬間に貫通痕は消え、途端に場は静まり返る。


(成る程……ただ単にバロールが全快じゃなかっただけか……いや、兵士達の話を聞いた限り目覚めたばかりらしいからな……当然と言えば当然だ……)


 フォンセはゆっくりと立ち上がり、バロールの状態を推測しながら警戒を高めて構えを取る。

 フォンセが使えるのは四大エレメントを含めた魔術だけ、物理的な攻撃には特化していない。

 トリッキーな動きでバロールを翻弄するしかないだろう。


「幸い、あの二人によるダメージは残っていそうだからな……」


 バロールの身体を観察し、ブラックとサイフが与えたダメージは残っていると推測して呟くフォンセ。

 実際、バロールの力と魔力は凄まじいが心なしか動きが鈍くなっているように見えた。


(本当にただそう見えただけか……)


 フォンセは、実際にはあまりバロールが変化を起こしていない事を理解している。

 ダメージもあるにはあるだろうが、二匹の蜜蜂に刺された程度のものだろう。

 実際の蜜蜂なら数分後に腫れて動きが鈍くなるだろうが、生憎ブラックとサイフは魔力から創り出した物理的な魔術。腫れる事も無ければこれ以上弱体化する事も無い。


(苦労しそうだ……!)


 フォンセは改めて構え、バロールを相手取る。



*****



「イテテ……クソ……! 油断した……」


 一方の吹き飛ばされたブラック。

 バロールによって勢い良く吹き飛ばされたように見えたが、外傷は無く少し痛む程度のダメージだった。


「あー……サイフは少し休ませるか……」


 そしてブラックは自分の近くに寝転がっているサイフを見、「俺一人でやるか……」と呟いて立ち上がる。


「「「………………」」」

『『『………………』』』


 その周りには、"ハルブ・アドゥ・マウラカ"の兵士達と生物兵器達がブラックを睨み付けながら立ち塞がっていた。


「結局俺は雑魚処理係かよ……バロールに再戦挑みたいんだけどなァ……」


 そう呟き、その者達に構えるブラック。

 兵士達は剣、槍、銃、弓矢、魔法道具などを持っており、生物兵器達は己の力に集中している。


「まあ、良いか……」


 そしてブラックは両手両足を広げ、己に魔力を込めて何時でも動ける体勢に入った。


「精々楽しませてくれよ……雑魚共……!」


「「「…………!!」」」

『『『…………!!』』』


 刹那、ブラックは魔力の剣を放出して兵士達と生物兵器達を貫く。その者達は為す術無く貫かれ、辺りに真っ赤な鮮血を流した。


『『『………………!!!』』』


 それを受けて動けなくなったのは防御する術が鉄の鎧しか無い兵士達で、生物兵器は貫かれた箇所を再生させつつブラックに向かう。


「成る程。テメェらを行動不能にしなくちゃ、戦況が良くならねえって事か……」


『『『………………!?』』』


 そして、一瞬で巨魔人の上に移動したブラックは座りながら言葉を綴る。

 実際のところ、相手の兵士達は倒さなくとも問題なさそうではある。が、生物兵器は中々に厄介だろう。

 "マレカ・アースィマ"側の兵士は全員城へ戻したので被害は無さそうだが、今この空間にいる味方はライの仲間であるレイ、エマ、フォンセ、リヤン、キュリテの五人と幹部のブラック、その側近のラビア、サイフ、シターの四人。

 つまり、計九人で"ハルブ・アドゥ・マウラカ"の指揮官と兵士達、そして生物兵器に元側近のハリーフを含めた数百人を相手にしなければならない。

 要するに、一体で数十以上の戦力を誇る生物兵器はさっさと片付けるのが吉。という事である。


『……!』

「……!」


 その瞬間、一体の生物兵器が巨魔人の上にいるブラック目掛けて飛びかかって来た。

 ブラックは軽く避け、巨魔人の首が切断される。

 互いに不死身と理解しているので、敵が居るのなら仲間の上だろうと攻撃に躊躇しないのだろう。


「随分とまあ……」

『『…………!!』』


 そして次の瞬間、ブラックは自分が乗っていた巨魔人ごと飛び掛かって来た生物兵器を切り刻む。

 切り刻まれた二体の身体は真っ赤な鮮血を散らし、石ころサイズまで小さくなる。その後、ボトボトと石ころサイズの肉片が降ってきた。


「さあ、この程度じゃねェだろ? テメェらは魔族の国の最高戦力……一つの街を纏める幹部を相手にしたんだ……無事で帰れると思うなよ?」


『『『…………!?』』』



 ──一閃、ブラックは動かずに生物兵器を粉微塵に切り刻んだ。



 切り刻まれた生物兵器達は何が起こったのか分からない状態で困惑する。辺りには赤い雨が振り、血生臭い鉄のような臭いが充満した。


「そうだな……原始レベルに分解すりゃ流石に再生出来ねェか……仮に再生したとしても時間が掛かりそうだしな……」


 そして、粉微塵にバラされた生物兵器を更に分解するブラック。

 取り敢えずブラックはバロールと戦っているフォンセの邪魔にならないよう、生物兵器達を適当に相手取っていた。



*****



「……!? レイちゃんとフォンセちゃんに何かが!?」


 一方、爆発する魔力の塊を兵士達や生物兵器達に放って一方的に破壊していたラビア。

 ラビアはフォンセとレイの身に何が起こったと直感で感じ取り、慌ててそちらに向かう。


「……この気配……レイちゃんのところにはキュリテちゃんが居る……! あとハリーフも……というかハリーフがレイちゃんに……! 許せない……! けど、キュリテちゃんが居るから大丈夫かな……」


 ブツブツと呟きながら急ぐラビア。

 そう話している間にも魔力の塊を放ち、辺りを粉砕している。

 ラビアはどちらへ助太刀に行くか大変悩んでいた。


『『『………………』』』


「……! っもう!」


 そんなラビアの前に立ち塞がる生物兵器。

 ラビアは苛立ち気に言い、


「……消えて!」


『『『………………!?』』』


 爆発する魔力の塊を生物兵器にぶつけて爆散させた。

 それを受けた生物兵器は光に包まれて消え去り、その場から消滅する。


「……だったら、レイちゃんもフォンセちゃんも助けるよ!」


 そう叫び、取り敢えず駆け出したラビアだった。


「はあ!」

「……!」


 ハリーフと戦闘を行っているキュリテ。

 キュリテは"サイコキネシス"の塊を放ち、ハリーフはそれを避ける。


「オイオイ……何をしているんだ? キュリテさんの仲間が可哀想じゃないか……足が抉られ、立ち上がる事すら出来ない今の状態……私はね、さっさとトドメを刺して楽にして上げた方が良いと思うんだ……」


 そんなキュリテに向けて淡々とつづるハリーフ。

 曰く、レイを楽にして上げたいのなら殺した方が良いとの事。


「ハハ、貴方こそ何言ってんの? 楽にするならレイちゃんに私の"ヒーリング"を使った方が良いじゃない……その方が良いでしょ……!」


 そんなハリーフに返すキュリテ。

 キュリテは"テレポート"でレイの方に移動した。


「レイちゃん! 今私が……「あ、そうそう……そこ、気を付けて下さいね?」……え?」


 刹那、キュリテの周りに大量の槍が生えてキュリテの身体を貫いた。


「…………ッ!」


 キュリテは咄嗟に避けたものの、槍のいくつかが足と腕に刺さって出血する。


「ほら、気を付けてと言ったのに……人質になりうる存在を重宝しない訳無いでしょう? ……まあ、人質の方にも罠がある事は伝えていないから、動かないように気を付けて下さいね?」


 ハリーフはレイの周りに罠を仕掛けたと言い放った。

 その事はレイにも教えておらず、レイが動いた瞬間に何が起こるか分からないと言う。


「……!」


「レイちゃん……」


 動けないながらも、レイは視線でキュリテに来なくて良いと訴える。それを見たキュリテは止まり、ハリーフの方へ向き直った。


「だったら……ハリーフ! 貴方を倒してレイちゃんを救う!」


「フフ……良いでしょう……超能力というものに興味がある……さあ、続きといきましょうか?」


 刹那、キュリテは連続して"テレポート"を使い、前後左右上下とハリーフの周りに連続して消えては現れ、消えては現れを繰り返す。


「これは一体どういうつもりかなキュリテさん? 適当に移動して私を翻弄しようという魂胆かい?」


 そんなキュリテを見たハリーフは余裕を出しながら槍を周りに浮遊させる。


「この槍に死角は無いのさ……」


 そしてその槍はハリーフを囲うように漂っており、確かに死角は無さそうな雰囲気だった。


「そう……」

「死角が無いんだ」

「けど……」

「死角が無ければ」

「作れば良い!」


「…………」


 キュリテの"テレポート"。その速度は早くなっており、どんどん加速していた。

 ハリーフもキュリテが何の考えも無しに"テレポート"を多用しているとは思っていないので、しっかりとそれを観察していた。


「"テレポート"の際に……!」

「私が居た空間には隙間が出来る……!」

「そして」

「その隙間を埋める為に周りの空気は」

「高速で縮む!」

「つまり」

「それと同時に大きな風が発生するんだよ!」


 刹那、キュリテが連続して移動した空間に風の隙間が出来上がり、そこを中心に強風が吹き荒れた。


「……成る程。しかし、だからどうしたと言うんだ?」


 そして、風を槍で貫いて破壊するハリーフ。

 その瞬間、キュリテはハリーフの近くに居た。


(貴方の槍が一つでも消えれば問題ないでしょ?)


(…………!?)


 さっさと用件をつたえる為、ハリーフの脳内へ直接声を届けるキュリテ。キュリテはハリーフの前に手を差し出しており、


「吹き飛んじゃえ!」


「──ッ!! "槍の(ハルバ・)"……!!」


 そしてハリーフはキュリテの超能力によって向こう側へ吹き飛んだ。



*****



『ウオオオオォォォォォ!!!』

「"土の壁(ランド・ウォール)"!!」


 バロールが放った拳の一薙ぎにより、フォンセの壁が砕かれる。


「……ッ!」


 その衝撃に押され、フォンセは吹き飛ばされて木々に激突した。

 あまり吹き飛ばされなかったがその木々は砕け、フォンセは地に膝を着く。


「やっぱり一筋縄じゃ無理か……」

『……』


 バロールを見て呟くフォンセ。

 既にバロールへ四大エレメントを含めたあらゆる魔術を使っているが、一向にダメージを与えられたような気配はない。


『ウオオオオォォォォォ!!!』


「……!!」


 そしてバロールは腕を振り上げ、フォンセに仕掛けようと──


「フォンセ!!」

「……!」


『…………!?』


 ──次の瞬間、フォンセの名前を呼ぶと同時にバロールへ『蜘蛛のような糸が巻き付く』。

 それによってバロールは怯み、バロールへ仕掛けた者がフォンセに駆け寄った。


「……えーと……だ、大丈夫……?」

「…………リヤン……」


 フォンセを助けたのはリヤン。

 大蜘蛛の糸でバロールを拘束したのだ。


「わ、悪い……リヤン。助かった……」


 取り敢えず助けられたのは事実。

 フォンセはリヤンに礼を言って立ち上がる。


『ウオオオオォォォォォ!!!』


 そんな事をしている間にバロールは大蜘蛛の糸を引き千切り、自分の拘束を解いた。


「フォンセ……! 私も……私も戦うよ……!」


「……そうか、すまない。助かるよリヤン」


 そんなバロールを見たリヤンは身体を震わせながらもフォンセに言い、フォンセはそれを無下にせず礼を言う。


『ウオオオォォォォォッッ!!!』


 バロールが高らかに吼え、魔眼以外の目を光らせる。

 その身体には魔力が纏わり付き、バロールの力を上昇していた。

 リヤンも加わったvsバロールの戦いは、まだ続くのだった。

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