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魔伝回廊  作者: 七薫
浅葱と出会い紡ぐ物語 序章
6/14

伝家の宝刀・妖刀舞風

 ざっと、組の人たちを紹介してもらってしばらくいろんな見学をしていた。

「組長、そろそろ」


監察方の紀炎君がそう告げる。

そして夕七つ(16時台)になり市中を見回りすることになった。


『そういえば、望月君はどこいったのさ』


木沼君、孝之介君、連君、猿渡君、朝倉君、紀炎君は後ろにいるんだけど、

御庭番衆の望月君の姿だけ見えない。


「望月には幕府の密命もあります故、単独行動をさせております。この近辺に気配もありませんから、別の任務もあるのでしょう」


監察方の紀炎君がそういった。

ええー、御庭番集は単独行動ありなの?


「あんな協調性のねぇ野郎は放っておいて、苑流組長!今度俺に安倍家の陰陽術教えてくれよ!!もっと強くならなくちゃいけねーしなぁ!」


「陰陽術とは、習えばできるものなのですか。でしたら私にもぜひ、教えてください」


連ちゃんに便乗して、孝之介君がそう言ってきた。


『あ、教えることはぜんぜんいいよーっ素質があれば、習得できるんだよ』


というか連ちゃんよ、君は望月くんのこと気に入らないんだねぇ・・・・・・

僕のそんな言葉が表情に出てたのか、連ちゃんは放った。


「やったぜっ!なんだよ組長、そんなお前望月のこと気に入らないの?みたいな顔して」


『おおう、君鈍感そうに見えて心が読めるのか・・・・・・』

「こう見えて三番組の一番手だからなッあの野郎、新撰組(うち)に来てから全然なじまねーし、うちは全部連帯責任なのによぉ、何してるか訳分かんねぇし気に入らねえ!みんな不気味に思ってるんだよ!」


結構はっきり言うんだね・・・・・・

まあ確かに、というか御庭番て、何してるかわかっちゃったら駄目だから致し方ないんじゃぁ・・・・・・。


――ギャアアアアアアアアッ



ほのぼの(?)とした会話をしていたとき、また、断末魔が聞こえた。



「ああ、さっそく犠牲者がでたようだな」


「行きましょう」


走って現場に行くと、最初に遭遇した奴より強そうな魔物が浪士を喰らっていた。



「さーて、魔物伐倒組初陣といきますかぁ!」



その時、


一陣の風とともに、閃光が走った。


【旋風】



そんな声とともに、魔物は一瞬で滅されてしまった。


――グギィイイイッ


【治まれ、舞風】


カチャンッ


「なっ」

「なんだ?!」


普通の刀では斬れないはずの、魔物が刀で倒された。


『誰・・・・・・』


つぶやいたとき、黒装束に身をまとった忍風の男が現れた。


「てめぇは・・・・・・!望月!」

『ええええええ!?望月くん!?』


どうやらいないと思っていた望月くんが、今のをやったらしい。

「勝手にいなくなり申し訳ない。会津中将、松平容保公に呼ばれ、会津藩邸へ行っておりました」


片膝をついて、僕の前で頭を下げる望月くん。


会津藩邸、といったとき、朝倉くんが反応した。

「お主のような訳のわからぬ者が、会津藩邸に・・・・・・」


「そして、松平容保公より、魔物を滅することのできる妖刀(ようとう)・舞風を頂戴いたしました」


さっきの、風が斬撃に変わったやつ・・・・・・

どうやら、松平家に代々伝わる伝家の宝刀らしい。


「そんなもの、聞いたことは・・・・・」


朝倉くんは知らなかったらしい。

「お前、それ貰いに行ってたなら言えよな!」

「だから、最初に告げたであろう、申し訳ないと」

「誠意がこもってねぇーんだよ誠意がぁ!!」


おっと、衝撃すぎてぼけっとしていたよ。


このままじゃあ連ちゃんと望月くん喧嘩になっちゃうし。

私闘は切腹だし。

・・・・・・連ちゃんが一方的に吹っかけてるだけだけど


『はいはい、連ちゃんいちいち突っかからないの。望月くん助かりました、君が来てくれてよかったよ。さて、屯所に戻ろうか』


「はっ」


そのあとみんなで帰って、土方さんに妖刀の報告をした。

怪しがってたけど。


その日は、それ以降魔物がでることはなかった。




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