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魔伝回廊  作者: 七薫
浅葱と出会い紡ぐ物語 序章
11/14

釘と蝋燭と新撰組鬼畜二人組!

 だんだんと、魔物が多くなり、強くなっていく今日この頃。


「はぁー・・・・・・あいつらほんときりねぇな」

「たしかに・・・・・・結局、首謀者も姿を現さないですしね・・・・・・」


夜、巡察に出て魔物を斬って斬って斬りまくり朝を迎える。

最近は毎日その繰り返しだった。


とくにこれといった情報源を得られないまま、時間だけが過ぎていく。


『んー・・・・・・なんかいい方法ないかなぁ』

「いい方法、といいますと?」


『なんか、うまいこと首謀者をおびき出すような・・・・・・・』


そんなうまいこといく方法がすぐに見つかる訳もなく、苑流と木沼と紀炎はその場で腕を組んで佇んでいた。

その時、誰かが走り回る足音が聞こえてきた。


―バタバタバタッ


「ん?」


なんだか、屯所内がいつになく騒がしい。


原田組長が釘やら蝋燭(ろうそく)やらをもって走り回っていた。

「原田組長、釘なんてもってどうされたんですか?」


すごく嫌な予感しかしないのは僕だけだろうか。

「お?おう木沼か。土方さんのところにもってくんだよ」

「副長のところへ?」


みんななぜ釘を土方さんの所へ持っていくのか疑問が浮かんでいた。

『なぜ、土方さんのところへそんなもの・・・・・・・』

「前から新撰組が泳がせていた古高俊太郎(ふるたかしゅんたろう)を捕まえたんだよ。今総司と土方さんが拷問して京で何しようとしてるのか吐かせようとしてるってわけだ」


釘、蝋燭。

そして副長と沖田組長が拷問・・・・・・

思わず身震いした。

『前々からそういう噂ありましたもんね・・・・・・』

「ああ、じゃあ俺急いでるからよ。また後でな」


そう言って原田組長は去っていった。

「・・・・・・組一腹黒い鬼畜で有名な沖田組長と容赦のない副長に拷問されるなんて、同情しますよ・・・・・・新撰組に捕まったのが運の尽き、敵といえど哀れですね」


『木沼くんも大概腹黒いじゃん』

「何をおっしゃいますか組長。私なんて可愛い方でしょう。」

「まぁたしかに、同情しますよね・・・・・・その場で舌を噛んで死んだほうがましです」


みんな言いたい放題だ。


まあ、わからなくもないけれど。

3人で拷問室に向かって手を合わせた。


時折、古高の悲鳴が聞こえている・・・・・・



夕刻になると、みんなが出陣の準備でバタついきだした。

「討ち入りでもするんですか?」


「おお!紀炎君、昼間捕まえた古高が、長州の間者でな。風の強い日に京の町に火を放ち、騒ぎに乗じて天子様を連れ去ると吐いたんだ。我々は四国屋と奴らが頻繁に会合で使っていた池田屋に俺の組と歳の組に分けて突入する!もちろん、伐倒組も参加してもらうぞ!」


局長は何故かウキウキしていた。


それもその筈。

もし、この討ち入りが成功すれば、新撰組初の大捕物になるし京の人たちに名前を広げる絶好の機会でもある。


「わかりました。組長・・・・・・今日は二番組非番でしたのでたぶん寝てると思いますから叩き起して伐倒組も準備してきます」


「おお、すまんね!頼むぞ!」


そういって局長は走っていた。

とりあえず、全員を集めて、組長の部屋を訪ねた。


「組長!起きてください!」

『んー・・・・・・』


「組長?」


いつものごとく、紀炎殿が殺気をだして、組長を起こした。


「出陣ですよ。古高が長州藩の計画を吐いたそうです。近藤局長は少人数を引き連れて池田屋へ。土方副長は四国屋へ。我々はどちらへ向かいますか?」

『んー・・・・・・そうだねぇ、ひとまず、伐倒組はあくまで補佐だから、人数の少ない局長の組についていこう』


「では池田屋ですね」

『そういうこと!みんな集まってるし、準備して広間に集まるよ』


重たい武装をして、抜刀組は普段、新撰組の浅葱の羽織をはおらないが今日ばかりは全員浅葱の羽織を羽織って討ち入りの準備をする。


広間に向かうと、すでに隊士は集まっていた。


「土方隊は四国屋へ向かう。近藤さんは小隊を連れて池田屋へ。山南総長と、山崎君、あと尾形君、尾関君らには屯所守備にあたってもらう。全員、気を引きしめろ。」


土方さんが、話しだしただけで、隊の士気が上がる。

そこはやはりさすがと言える。





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