五話【魔法】
その夜
いつもと環境が違うからなのか、それともさっき使えたソレ…魔法と呼ぶことにした…が気になってなのかは分からないが寝ることができず、一人屋上に来て月を見ていた
「…昼間、確かに俺は魔法を使ったんだよな…」
あれは夢じゃなかったのか、試したい…
そんな気分で、もう一度やってみることにした
『障壁』
また、あの何もないのに何かがあるのがわかる、第六感かのような感覚
「やっぱ、夢なんかじゃ、ないよなぁ…ほかにも何か、出来んのかな…?」
『火球』
目の前に理科の実験で使った、ガスバーナーの火のを大きくしたような蒼い火球が現れる
「おうっ!?…っとびびったー、結構近いなー…。あったけーけど、な」
俺はしばらく火球を眺めながら、魔法のことについて考えていた
魔法を使ったとき、異世界ファンタジーでよくあるのは
“自分の中の何かが減った感覚がする”
と言ったパターンだが、俺はソレを感じなかった
つまり
“俺の持つ魔力…と呼ぶことにする…が膨大すぎる”可能性
あるいは
“空気中の魔力を使って発動している”可能性
くらいだろう
できれば、前者であれば嬉しいんだが…
もし、後者ならこれから使うことがあれば気を付けないといけない
使いすぎて、気づいた時には使えませんって事が有り得るからな
まあ、その検証はまた今度にするとして、そろそろ戻ろうかな
俺は教室に戻り、布団に入って目を閉じた