一話【予兆】
朝起きると
朝食を作り、ニュースを見ながら食べる
それなのに、今日はテレビが砂嵐だった
何かおかしい、そう思いつつも一応朝食はとる
歯を磨いて着替えると、俺はいつもどおり学校へ向かった
学校に着くと、朝練があるのでグラウンドにいった
ここで、さらにいつもと違うことがあった
人が少なすぎる、のだ
おまけに来てない奴は全員、市外に住んでいる奴だ
電車が止まったのか…?
先生も来ていない
車のはず…なんだがなぁ
一応いつもどおりのメニューをこなすと
ちょうど良い時間になった
そして着替えて教室に行く
「おはー」
「はよー」
「ちーす」
と何人かのクラスメイトに挨拶される
「おはよ、…なんか今日おかしくないか?人も少ないし…」
教室も、市外に住んでる奴がいなかった
この学校は公立である上そこそこ成績があれば行けるので市内外問わず人気だ
それゆえに、今日は半分いるかいないか、もしかしたら半分を下回るクラスもあるかもしれない
「あー、確かにおかしいよな。スマホも朝からずっと圏外だし、テレビは流れねぇし」
「それに市外の奴だけ来てねぇんだよな」
「まあ、心配せんでもそのうちくるやろ」
というとまた別のやつらとおしゃべりをしにいった
しばらくすると先生が来る
「他の奴らはきてないが、授業はやるぞー。席ィつけー」
教室中から
えーーー…
と不満が漏れるがお構いなしだ
「いいかー?、虚数とか難しいことは考えるな。iは記号だ。ただ、二乗すると-1になるというルールを持つだけでな。だからこの問題は…」
ああ、だるい…
しかし聞いておかないとやばいので一応ノートはとる
「…おい、あれ見ろよ、なんだと思う?」
後ろからこっそりと言われて外を見ると、遥か上空を何かが群れて飛んでいる
鳥ではない
…は!?」
「おいっ、柳、俺が説明している時に、は?とはなんだ!は?とは!!」
「えっと、すみません。ところで、あれ、なんだと思います…?」
窓の外、空の方を指差す
「はぁー?ただの鳥の群れじゃあ…」
そこで先生が固まる
それを見たクラスメイト達が席を立って窓から空を見る
「…、あれって、ワイバーン、じゃね?」
「なわけないでしょ、いいからどきなさいよバカ男子ども」
「嘘じゃねぇって!!、見てみろよ!あれ!」
「そんなこと…」
ない、と続けたいのだろう
だが、空をワイバーン、飛竜が飛んでいる
「おい、俺はちょっと職員室いってくる。皆は自習してろ!」
先生が叫んで走っていった
…すぐに歩く音に変わるが、体力がないのだろうか?
数分後…
ピーンポーンパーンポーン
「全校生徒に言います、今日の授業は連絡があるまで自習とします、教室で待機しておいてください」
突然の放送にざわざわとしだす
「ラッキィ!」
と叫ぶ奴もいるが、半数は不安そうな顔をしていた…