毒虫集結。『壱』
「ーーねパイセン、天音パイセン!!」
ゆさゆさと揺さぶる、後輩の声が聞こえる。
「ん、どうした、結衣。…敵襲か?」
少々の仮眠をとっていたのだが。
俺の名前は斎場天音。日本自衛隊の隊員だ。横で俺を揺らし起こしたのが、一之瀬結衣。俺の後輩だ。
俺の言った質問に対して、結衣はこう答えた
「ーーーーええ、敵襲です」
がち、と薬莢の音が聞こえる。どうやら相当に危険な状況のようだな…。
「…よし。構えろ。威嚇射撃に留めろよ」
立ち上がり、嘆息した後、ひらりと長い、藍色に近い髪が靡き。
拳銃を構えて俺と結衣は向かった
するとそこには、にこやかに微笑む青年の姿
「何者だお前」
黒いフードのパーカーを羽織り、にこりと微笑みつつ、ちらりと金髪の覗く青年はこう言った。
「お前らは毒虫。選ばれたのさ…感謝しなよ?」
何を言っているか全くと言っていいほど分からなかったが…自衛隊の本丸へ向けて突貫して。我々を毒虫扱いとは…舐め腐ってくれる。
撃鉄をおろすことは無い。だが、銃口を差し向け。
「ーーーー何が言いたい。ここは日本自衛隊本丸だぞ」
「だからぁ、君達二人は選ばれたんだって。30人の中の1人として」
「意味がわからないっすよ!ねぇ天音パイセン」
会話は平行線だった。然し。一瞬、ちかりと視界の奥が切り替わるかのような音がなった後…
俺達は突如、学校のような施設へと座らされていた。
「「ーーは?」」
唖然として、俺達は口を開けながらそう呟くしか出来なかった、とも追記しておこうか…。