第4話 出会い
読了ありがとうございました!
できれば感想なども宜しくお願いします!
※これまでの話で分からない点なども感想で記入してもらって結構です
果てしなく続く、俺達の長い旅物語が始まった。
俺達のいたサーバック王国は、北・中央・南の三つに隔てられた大陸の内、北の大陸の中央部に位置する。
そして俺達は今、中央大陸へと歩みを進めている。
人気のない一本道を、ただひたすらに歩いていた。
さすがに、こう何時間も休憩無しで歩いてたら、疲れも出てくるな。
俺はシェリアの方をチラッと見た。
俺がハァハァと息を漏らしている中、シェリアは汗ひとつ見せず疲れを感じさせなかった。
さすが、元冒険者だ。
「坊ちゃん、そろそろ休憩しますか?」
俺を見兼ねてか、シェリアがそんな提案をしてきた。
そして俺はもちろんその提案を受け入れた。
「うまぁぁぁぁー!」
いい汗をかいた後の水は、どんな飲み物をとっても一番うまい。至高の味だ。
「そ、それでですが坊ちゃん!ぱ、パーティ名はもう決めましたか!?」
「あー、まだだな」
実は、「パーティ名を決めろ」とシェリアに前から言われてるんだ。まぁ、まだ決めてないんだけどな。
「だったら、私から一つ案があるんですが………」
◇シェリアの案◇
「《殲滅の黒龍》。なんてどうです!?」
却下だな。
だが、ここまで完璧だったシェリアを簡単に否定していいものなのだろうか?
「……………すごくいいと思うぞ」
俺はシェリア思い、思ってもいないことを言ってやった。偉いぞ、俺!
「ですよね!そうですよね!」
シェリアは嬉しそうにはしゃいでいた。
言ってよかったな。
「おうおうおう………お二人さん!」
「「ッ!?」」
そんな声と共に、一人の男が目の前に現れた。
俺達は瞬時に臨戦態勢へと入った。
………いや、正直言うと俺はシェリアの真似をしているだけだ。
だが逆にシェリアの方はというと………
「………坊ちゃんも分かりましたか」「あの男はやばいです」と、続けて言った。
どうやら、本当の本気でヤバいようだ。
「………で、どうするんだ?」
「坊ちゃんは、いつもどおり私の後ろに隠れて!」
そんな緊迫した会話を続けている中も、男はこちらへ歩みを止めなかった。
「お、おいおい。そんな気張らないでくれよ!俺はただ、お前らの仲間になりたいだけなんだ!」
男はそう叫んだ。
一体どういうことだ?
「なぁ、おい!話を聞いてくれ………」
男は遂に、シェリアのすぐ目の前まで近づいてきた。
うぁっ………!
遠目で見てたから分からなかったが、こんなにでかかったのか………
男は、2m近くありそうな大男だった。
肩には男と同じくらいの大きさの大剣。そしてイケメン。そして茶髪。圧倒的陽キャ。消えちまえ。
くそぉ………こちとらシェリア以外の女の子と話したことなんてないんだよぉ………
「近づくな!」
シェリアは、今にも殴りかかりそうなポーズで大男に向いていた。
「えっと、だから………」
「黙りなさい!これ以上近づくか、これ以上喋った瞬間、私はお前を殺す!」
怖っ!さすがにそこまでは………
「「ひっ!」」
俺と大男の声が被った。
シェリアは、右手に謎の光を溜めていた。
どうやら本気で殺しにかかるようだ……
シェリアは今にもその謎の光を放出しそうだった。
「よーし、落ち着け!とりあえず………」
子供をなだめるように大男はそう言った。
本気で焦ってるな笑笑。
そんな言葉はお構い無しにと、シェリアの右正拳が放たれた。
拳が着地する瞬間、今にも溢れ出しそうだった謎の光が放出された。
「ぎゃーーーーーー!」
ガッツポーズを決めるシェリアとは対照に大男は悲鳴をあげて吹っ飛んだ。
「悪は、これにて成敗!」
ヒーロー気取りなポーズをとったシェリアだが、後々自分のしたことを後悔することになるのだった………
◇真実は誠にすみません◇
「「誠にすみませんでした!」」
シェリアは現在、土下座中だ。もちろん、あの大男に向かって。
そして何故だか俺までやらされてる……
「まぁいいけどよ……せめて話くらいは聞こうぜ?」
「ですよね………」
やっちまった…といったような表情を浮かべるシェリアがそこにはいた。
真実はこうだ。
どうやら、あの大男は本当に仲間になりたいだけだったらしい。
だとしたら、あんな紛らわしい登場の仕方しなくてもよかっただろうに………
大男の名は『ロイン』、《鋭流》の中級剣士だ。
「これからよろしくな、ロイン!」
「おう!」
俺達は握手を交わし、親睦を深めた。
「それでよ、このパーティの名前は何だ?」
はっ!しまった。
「あぁーーー!それ、聞いちゃいます〜〜〜?」
シェリアは嬉しそうに笑っていた。こいつ、絶対言うなよ!
「チーム名は─────」
終わった……………
「─────《殲滅の黒龍》です!」
「…………………………」ロインは黙っていた。
「…………………………」俺も黙った。
「…………………………」お前は黙るなよ。
「……………《殲滅の黒龍》です!」
もういいわ。
「なんて言うか………クソださいな!」
「あぁっ!」
「…………………………え?」
それは、ロインからの痛恨の一言だった。
◇空気の読めない男◇
「バカヤロォォォォォォォォォォォォ!」
俺はロインを連れて、シェリアに聞こえないようにそう言った。
「あれでも、シェリアは真面目なんだぞ!」
「わ、悪い」
申し訳なさそうにロインはそう言った。
「だったら、シェリアに謝ってこい!」
そう言うと、ロインはシェリアの方へと走っていった。
一応悪気はあるようだし、これで何とかなるだろ。
「………何ですか?どうせ、私はクソダサいですよ!」
ここだロイン!よりを戻すチャンス!
「その、さっきは本当に悪かった!」
「……………まぁ、反省しているのならいいですけど」
「本当に悪かった!あまりにダサかったもんで、正直に言ってしまったんだ!」
やっぱこいつバカだろ。
この二人の仲は、そう改善しないだろうな。
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