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冒険記録-世界を救う30年間-   作者: 鮭に合うのはやっぱ米
第3章 三人旅 : 中央大陸編
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38話 下山

 それから俺達二人は、難ありながらも切磋琢磨と山を登っていき、遂に───


「着いたー!」


 頂上には、エドワードとルーナが座って待っていた。


「おぉ、思ったより遅えな」


 エドワードは、へとへとな俺達を一蹴する。


「元はと言えばお前が……」


 俺は良い留まった。


 背後から物凄い殺気を感じ、恐る恐る振り向いた。


「そうだな、元はと言えばお前が……お前もだな」


 グリムがそんなことを言ってきた。

 そうだ、確かグリムも寝ていた俺を運んできてくれていたらしい……


「わ、悪かった……」


 俺は一応、謝っておいた。

 まぁ、これもトレーニングの一貫だと思って頑張りたまえ。


 そんなやりとりを終えると、エドワードは立ち上がってこう言った。


「さてと……それじゃ、そろそろ出発するとするか」


 そうして、俺達は山を下るのだった。






----- 下山中 -----


「うわあああああああああああああああああぁ!」


 下山を始めて間もなく、そんな悲鳴がそこら一帯に響いた。


 一体何があったのか……


 それは遡ること、5分前……




「何か見た感じ、登りより急じゃねえか?」


 俺は崖すれすれの下山スタート地点から、見下ろす様にして下山ルートを見て言った。

 これは、ほぼ90度と言ってもいいくらいの急差だ。


「俺、絶対無理だぞ?」


「お前じゃ無理な事は分かってるよ」


 エドワードは、俺の呟きをまた一蹴して返した。


「……じゃあどうすんだよ?」


「そりゃあ……」


 エドワードは、そう言葉を溜めると、俺達3人を一気に抱え出し、そして───


「……ちょっ!」


「跳ぶに決まってるだろ!」


 エドワードは瞬間、地面を勢いよく踏みつけ、跳んだ。

 ただただ単純に、ジャンプする程度の勢いで、地面を踏みつけて、上へ弾む。

 ただそれだけの単純なこと。

 だがそれは、一般人での話。

 ……もしもそれが、【騎士団長】という、人類トップクラスの能力を持つ《怪物》の場合だったら───


「……飛んだ」


「……飛んでるね」


「……飛んだな」


 グリム、ルーナ、俺と順に、そうぽつりと呟く。


 超人は物理法則すらも無視するのかね?

 俺達は、今なら雲にも触れるんじゃ、というくらいの高さまで行きそうだった。


 ……だがその上昇も、ずっとは続かなかった。

 ありえないほどの高さを浮遊……いや、上昇し続けている中、突然にポツリと、その勢いはなくなった。

 そして勢いのなくなった俺たちは、そのまま下へと急降下していった。

 

 ぎゅーーん!


 凄まじい風を切る音が耳中に響く。

 だがそんなのよりも、それをかき消すくらいの別の轟音も鳴り響いていた。

 

「ぎゃあああああああああああああああああああ」


 ルーナの悲鳴だ。


 それは、いつものクールで陽気な姿からは想像もつかないような怯えた表情だった。

 



 







 


 

 


 




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