第28話 詐欺師
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剣魔闘祭が始まった。
メインである【剣魔闘大戦会】は午前から午後までぶっ通しで行われる。
だけど俺が出るのは本当に最後の最後のため、その時間まで暇つぶしをしていようと思う。
剣魔闘祭は、名前の通り祭だ。
祭ということは、勿論のこと売店もある。
「売店を全部カラにして、午前の部で負けて帰ってくる奴らの分をなくしてやろう!」
「あんた……サイテー野郎ね」
俺が楽しく息舞えている所に、カーナの鋭い棘が刺さる。
「グァっ……」
「あんた、そんなこと言ってたら奢ってあげないわよ?」
「いいよ、そうなったらグリムに奢って貰えば良い!」
「なっ!そ、それはダメよ!」
ふへへへへ!
俺は知ってる、コイツがグリムに対して好意を抱いていることはな!
だからそこに漬け込ませてもらった!
これでカーナは俺に奢るしかなくなる!
……ん?なんで自分で買わないのかって?
そりゃあ勿論、俺に金がないからさ!
「あっ!もうこんな時間じゃない、早く!ルーナのショーが始まっちゃうわ!」
途端にカーナは焦り出し、俺達を連れて走り出した。
「本当だ!もう始まっちゃうよ!」
グリムも焦っていた。
「お前ら、何にそんなに焦っているんだ?」
「ルーナのショーが始まるからよ!というか何で知ってないのよ!」
まぁ、そりゃあ何も聞かされてないしな。
というかルーナのショーって、あいつ出し物するのか。
面白いのを期待してるぞ!
そして俺達は、ルーナのショーが行われるという大型運動場に来た。
まさか運動場でやるとは、激しく動くものなのかな?
「それでは、お願いします!」
ステージに立っていた案内人がそう言うと、ステージ奥からルーナが出てきた。
いつもと服装は何ら変わりないな。
「これから、私の【レンジ魔法】を見せます!」
ルーナはそう言うと、ポケットから小さな石を一つ取り出した。
「これは、見ての通り輝石です。魔力を流すと、その量に応じた時間分だけ光ってくれるものです」
へー、そんな石があるんだな。
もしかして、教室とかの天井から出る光は、これを使ったものだったのかも。
「しかし、無限に光らせることはできません。それは、魔力は有限だからです。ですが、これがあれば……」
ルーナはそう言うと、更にポケットから石を取り出した。
「無限に光を出すことが可能です!」
ルーナがそう言った瞬間、周りの空気がざわついた。
本当にか?嘘じゃないのか?そんな声がちらほらと聞こえてくる。
「嘘だと思われても仕方ありません。ですので今から、5分間!この石を光らせ続けます!これでできれば信じていただけますね?」
そう言ってルーナは、石を持ち上げて5分間のタイマーを測りだした。
…‥5分後、石は未だに光続けていた。
「どうです?これで証明できましたね?」
さっきまでのブーイングの嵐は、すごい!夢みたいだ!と言った歓喜の声へと変わっていった。
「それにこうやって、ボタンを押せば……このように、簡単に光を消せます」
「すげぇ!ボタン式かよ!」
さらに歓喜の声は上がった。
「はぁ……はぁ……では皆さん!価格はまずは150ドルから!」
「はい!500ドル!」
「いいや、1000ドルだ!」
「まだまだ〜!2500ドル!」
やがて、大金を叫ぶ声で運動場はいっぱいになった。
「お、おいちょっとまって!何なんだよこれは!?ショーを見に来たんじゃなかったのか?」
「は?だからショーじゃない。ショーはショーでも、お金をかけましょーってね!フフ!」
「誰が上手いこと言えと……」
たく、何しに来たんだってんだ……
……それにしてもルーナのやつ、妙に息が荒いがどうしたんだろう。
「落札ー!」
瞬間、うぉー!という大声が、会場にこだました。
本当にどうなってんだこの学校は……勘弁してくれよ……
そうしてルーナの、お金をかけまショー!は終わった。
「おつかれルーナ!」
「うん!見ててくれてありがと!」
ルーナとカーナがそんな会話をする。
「それにしてもお前、よくそんな凄いものを手に入れられたな」
「え?あれ全部嘘だよ?」
「……え?」
「あれは私の魔力が5分経っても尽きなかったってだけで、別に無限に続くというわけではないよ!」
そうだったのか……騙されたぜ……
ということはコイツ、ただの詐欺師じゃねえか!
読了ありがとうございました!
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