第14話 夢2
読了ありがとうございました!
できれば感想なども宜しくお願いします!
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目が覚めた。
そこには全てを覆い尽くすような真っ黒い空間があった。
そして俺はその中にただ一人ぽつんと座っていた。
「どこだここ?シェリアは?ロインは?」
俺はひたすらに、今自分のいる状況に疑問を抱いていた。
「そりゃそうだろ、目が覚めたらいきなりこんな所でただ一人なんて……」
いや、一人じゃなかった。
よく見ると、俺の前で男女が何かを言い争っていた。
男の方は老けた老人って感じだ。
50〜60歳ってとこだな。
でもなんだか、親近感の湧く人だった。
女の方はまだ幼い、せいぜい10〜15歳くらいだろう。って感じだ。
「そんなことをしては取り返しがつかなくなるわ。やめなさい!」
「俺の決めた道だ。もう後には退けない…」
「あなたの気持ちはよくわかる…それでも!」
「お前に俺の何が分かるんだ!親しかった人を全部失って…それでも進もうとしてるんだ!もう止めないでくれ!」
話を聞くに、どうやら自分の進行方針について喧嘩をしてしまっているようだ。
「やれやれ……」
ここはビシッと、俺が言ってやらなきゃダメだな。
「おいあんた達、何があったかは知らんが喧嘩はよそでやれ!」
よしっ!
ビシッと言ってやったぜ!
「ほう……アンドリュー、俺を止めるか…」
止めるよ!
……というかこいつ、なんで俺の名前をしってんだ?
「あんた…何者何だ?何で俺の名前を知ってんだよ」
「俺は……」
それを聞いた途端、衝撃と痛みが体を走り…
「痛ってててて」
気づくと床に頭を打っていた。
「夢……か…」
…そう、夢だったのだ。
しかしまあ、妙にリアルな夢だったな。
鮮明に覚えてるぜ。
確か最後に……
あれっ?
最後の言葉…何て言ってたっけ?
「何だっけ?」
思い出せないや。
まあでも所詮夢だし、気にすることはないか。
「起きたか、アンドリュー」
扉からロインが出てきた。
「それにしてもお前の寝相はどうなってんだ。どうしたらベッドの上にいるやつが床に頭を打つんだよ」
どうやらここは宿屋のようだ。
そして俺はベッドから落ちて床に頭を打ち、その衝撃で夢から覚めたみたいだ。
それにしても、昨日は何をしたんだっけ?
確か…最後に飲食店に入って、食べ物を食って…そこからの記憶がすっぽりねえや。
「聞きたいんだけどさ、飲食店に入った後何があったんだ?」
「ああ、それは……」
そこからはロインが話してくれた。
その飲食店の食べ物は、思っていた以上に美味しかったらしく、俺もシェリアもロインもみんなガツガツ食ってしまったらしい。
そして俺はそのまま夢の世界へGOしてしまったわけだ。
「そんなに美味かったかな?あんまり覚えてないな…」
……あれ?
いつもならここらで騒ぎ出すシェリアがいないな。
「シェリアはどうしたんだ?」
「ああ、あいつならさっき外に気分転換しに行ったぜ。なんでも頭を打ったらしくてな、大丈夫だといいが……」
俺の知らん間にそんなことがあったとは…
まあ何にせよ、ロインの剣ができるのにはまだ3日はある。
それまでのんびりと過ごしていよう……
ーヒスフィア王国のとある橋上にてー
「私は今まで、なぜ忘れていたのでしょうか……アンドリューの事…ルークの事…」
シェリアは悩んでいた。
いつか坊ちゃんにも話さなきゃならない時が来る…
その時には……
「おーい、シェリア!何してんだ?」
後ろからアンドリューが話しかけてきた。
「アン…坊ちゃん!?い、いつからそこに…」
「今来たばっかだけど。で、シェリアは何してたんだ?」
ビックリしたー……
さっきまでのを聞かれたかと思ったわよ。
「私は……ただの気分転換をしていただけです。丁度今から戻ろうと思ってたとこですよ!」
「そっか。じゃあ宿屋に戻ろうぜ!ロインが手料理を作ってくれてんだ!」
「そうなんですか!それは楽しみです!」
その時には……ちゃんと告げよう。
"アンドリューの母親が私"だという事を……
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