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冒険記録-世界を救う30年間-   作者: 鮭に合うのはやっぱ米
冒険者編 南の大陸
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第11話 恐怖の食卓

読了ありがとうございました!

できれば感想なども宜しくお願いします!


※これまでの話で分からない点なども感想で記入してもらって結構です

 助けてくれた大陸王は、そのまま俺達を家へ招待してくれた。


「まさかあんたが、あの噂に聞く《大陸王》とは思いもしなかった。それに助けてくれて、本当にありがとうございます」

「俺も、ありがとうございました」

「私からも、ありがとうございました!」


 俺達全員が、大陸王に感謝をする。

 今更ながら《大陸王》とは、北・中央・南に分かれる三つの大陸にそれぞれ一人ずつ存在する者の事。

 各大陸から選ばれた選りすぐりの一人が大陸王となり、主に大陸中の見回りを行っている。

 しかしこの南の大陸王だけが唯一見回りも何もせず、呑気に暮らしているんだそうだ。


「いやいや、別に俺は大した事してないって!なにせ、最弱の大陸王だからな」


 皮肉だな………

 なのに何故か嬉しそうだった。


「ははは!アンタが最弱って、北と中央の大陸王はどんな怪物なんだよ!」


 ロインが冗談っぽくそう言う。


「あの二人は強いぞ。俺なんかとは比べものにならない程にな」

「へー!そんな強いなら、俺も一度くらい会ってみたいな!」


 俺は会いたくないな。

 大陸王はおっかない連中だって聞くし、この人みたく他のがいい奴とは限らない。


「それにしてもお前。えっと………」


 大陸王が俺を指差してきた。

 そういや名前言ってなかったな。


「アンドリューです」

「そうかアンドリュー!お前凄えな!見た所、歳は15ってところだな?その歳で上級並の魔術を扱えるとはやるな!」


 俺が冒険者になる前で10歳。

 それからまだ一年半しか経っていない。

 つまり、俺の本当の歳は………


「俺の歳は11です」

「……………ま、マジで?」


 驚かれた。

 ふんっ、こいつもやっと俺の凄さを理解したか!


「そりゃあ凄えや。末恐ろしい限りだぜ………」


 驚くどころか、少し怯えられた。

 流石に大袈裟だが、まあ悪い気分ではないな。

 俺の無双が今、始まる!!


 だが俺も大人。

 ここは謙遜しておくべきだろう。

 今は丁度、シェリアもロインも外に出ていっていないわけだし、これを話しても大丈夫だろう。


「まぁ魔族の血を飲むまでは、俺も初級魔術しか使えなかったんですがね!ははは!」


 ほんと、なんで俺があの血を耐えられたのか。

 不思議で仕方ない。


「……………それは本当か?」

「え?」


 大陸王は俺にそう尋ねた。

 鋭い目つきで見られ、俺は少しビビってしまった。

 何だろう、何か言ってはいけないことでも言ったか?

 どう見ても怒っているようだが………


「あー、えっと………本当……です」

「そうか………。器は、お前だったか」


 器?

 何の事だろう……


「それとその………俺、何か言っちゃ悪い事言っちゃいましたかね?」

「ん?何故だ?」

「いや、その……少し怒っているようでしたから……」


 正直に言った。

 勘違いのはずもなかったしな。

 この時にはもう目つきは、さっきの優しいものに戻っていた。


「そ、そうか?それはすまん。そんなつもりはなかったのだが……無意識にそうなっていたかもしれん。すまん!」


 謝ってくれた。

 ほんと、礼儀のしっかりしたいい人だよ。

 大陸王の噂とは似ても似つかない。

 こんな人がおっかない怪物だなんて呼ばれてるわけがないわな。


「そろそろ暗くなる、子供は寝ろ」

「子供扱いしないでくださいよ……まあ寝ますけど」


 俺はそうして、一足先に寝る事にした。

 その後、外にいた二人も戻ってきて寝たみたいだ。

 ただ唯一、大陸王だけが寝ていなかった………




◇◇◇


 皆が眠る中、大陸王は考えごとをしていた。


「あの子が炎神の器か………」


 そう言うと大陸王は、棚に置かれた謎の石をもち、そして机の上に置いた。


『火の神 魔を滅ぼし 人に祝福を』

『火の子 魔に祝福を 人に災いを』


「この予言が正しいとすれば………俺はどうするべきなんだ………」


 大陸王は眠る事なく、ずっと悩み続けていたそうだ。




◇◇◇


「おはよー」


 俺は起きた。

 正直もう少し寝たいが、まあ我慢だ。


「朝食できてるから、食ってけよ!」


 大陸王がそう言って、机にある朝食を指差す。


「じゃあ遠慮なくもらいます!」


 俺はそう言って机に着いた。

 朝食は、定番の汁物とおかず。

 中々に美味そうじゃないか!

 俺はこういった普通の定食が大好物なんだよなー!

 さて、どれからいこうか………


「まずは………」

 

 と、目線を動かしていると目に止まった。

 それは、汁物だ。


「………何だこれ?」


 遠目だと凄く美味そうに見えたのだが、よく見ると中身が謎すぎた。

 『こんにゃくのように透明な固形物』や『そこら辺の雑草のようなキャベツ。というか雑草』が入っていた。

 そして食べてみると、やはりクソだった。


 透明な固形物は、こんにゃくのように『ニュルッ』とした感触で、そして容易に噛みきれない硬さがあった。

 そして何より、臭かった。

 獣臭とおっさんの口の臭いを足したようなものであり、それは想像もつかないだろう。

 まあつまり、言葉には言い表せられないようなものだったというわけだ。

 強いて言えるなら、『クソまずい』って事だけだ。


「どうだ?美味いだろ!俺、料理は大得意なんだよ!」


 自覚なしかよぉぉぉ!!


「うん、美味いよ!」


 美味いわけねぇだろぉぉぉ!!

 いや、もしかしたら不味いのは汁物だけだったのかも!

 この土を焼いただけのような見た目のおかずはきっと美味しいんだ!

 うん、そうに違いない!

 

 俺はそう言い、自身を信じ込ませる事でしか、この食べ物を食べる事ができなかった。


「これは………何なんだ?」


 土を焼いただけにしか見えないおかずを俺は指差し、そう言う。

 

「あぁ、それは昨日のA級モンスターの内臓を丸焼きにした物だ!美味いだろ!」


 まだ食ってねえよ!


「美味しそうだね!」


 モンスターの内臓。

 一応肉みたいなものだ。

 さっきよりかはマシだろう。

 うん、きっとそうだ!


「はむっ………!」


 食べた。

 一口目。

 先に結論を述べるが、不味い。


 生焼けというやつだ。

 表面は真っ黒に焦げているにも関わらず、中身は真っ赤。

 生そのものだった。

 恐らく、A級モンスターの耐熱性能が高すぎて、表面しか焼けなかったのだろう。

 そして噛むたびに、血が溢れ出す。

 そして臭い。

 この世の地獄を詰め込んだかのような食べ物だった。

 いや、まずこれは食べ物なのか?

 それすら怪しいレベルであった。


 さすがの俺も、限界だ。

 言うしかない!


「あ、あのー」

「どうした?あっ!まさかお腹減ってないとか?」


 予想外の対応がきた。

 だが、これはありがたい。


「えっ?あーーー、はい!実はお腹空いてなくて!」

「そうだったの!?我慢は良くないし………うん!残していいよ!」

「じゃ、じゃあそうさせてもらいます……すいません」


 よぉぉぉぉぉーーーーしッ!!

 なんとか生き延びたぞーーー!!


「おっ!もう起きてたのかアンドリュー」


 声の方へ振り向くと、相変わらず元気よく、ロインがこちらを見ていた。


「朝食できてるんで、食べてってください」

「おっ!じゃあ遠慮なくもらいます!アンドリューも食おうぜ!」

「アンドリュー君はお腹がいっぱいなんです。だから残しました」


 ふふん。俺は一抜けだ!

 さぁ、地獄を見ろロイン!


「そんなわけないだろ、だって俺達、まるまる二日間も食べてないんだぞ?」

「あ……」


 おま……それ言ったら……


「そうなんですか!?じゃあアンドリュー君、もしかして遠慮してたんですか!?」

「遠慮とかいいんだよ!大陸王もこう言ってんだし、食おうぜ!」


 ロインが俺を引っ張って、無理矢理机に座らされた。


「抜け駆けは許さんぞ………」


 俺の耳元で、大陸王には聞こえないような小声でロインがそう言った。

 こいつ、分かってたのか!?


「クソ野郎がぁぁぁ……………」


 俺もそう小さく呟いた。

 ロイン………お前は絶対に許さねぇ!!


 その後二人は、死ぬ気で朝食を食べきったと言う。


 そして何故か、シェリアは早起きをして外にいたそうだ。

 そして、外で飯を済ませたから大丈夫!と大陸王に言っていたそうだ。

 一体何故そんなことをしたのだろう。

 いつもの彼女なら、みんなでご飯を食べようとするはず。

 一体何故なのでしょう?

 

 ただ一つ分かっているのは、俺はあのくそメイドとクソ剣士を許さないって事だけだ。


 今回のは、ほとんどネタ話みたいな感じでした。

 終わり方が変な感じになっちゃったんですけども、多めに見てくださると助かります……

 

 何か質問等がありましたら感想の方からお願いします。

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