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ビームサーベルで異世界無双  作者: 上泉信綱
2/3

#2

「いや、特に普通の人と違うなんて思ってないよ。剣の腕前には自信あるけど」


 おれは嘘をついた。だが、雨宮の人を見る目は認めざるを得ないようだ。ただの不思議ちゃんと言う訳でもないらしい。


(だが、まだカマをかけているという可能性もある)


「そんなことないわ。あなたからとても強い光が見えている。とても戦闘的な色よ」


 おれは他人からは温厚だと思われてるし自分から喧嘩もしない。ただ、どうしても戦わなきゃならない時がある。腕に自信があればなおさらだ。見て見ぬ振りをするということができない。


「あなたの性格を見込んであなたを呼ぶ人たちがどこかにいる」


 いよいよおかしなことを言い始めた。いや、最初からか。


 三半規管に違和感を感じるのは、彼女の話に気が滅入ったためだろうか。


「いや、待てよ。おれはそんなにやわじゃない」


 長年の武道の鍛錬で肉体は頑健そのもの。目眩を起こした事など県の稽古を始めた幼い頃ぐらいのものだ。


「あれ、地震か?」


 周囲の風景が揺れてどんどん不鮮明になっていく。


「地震ではありません、石舟くん」


「なんだ、これは」


 雨宮以外の空間が暗闇になった。


(暗闇なのに雨宮の姿がはっきり見えるのは変だな)


「今、体育館の外にいたはずだよな」


 まだ日が暮れる時間でもない。


「わたしたちはまだどこにも移動したわけではありません」


(まだ?)


「ここは体育館の入口そばです」


「雨宮さんにも同じものが見えているのか?」


「あなたは共感力の高い人だから、わたしの言葉を真実と感じ取っている」


「それとこの風景と関係あるのか?」


「わたしの言葉に集中しているからわたしの心象風景とシンクロしているのだと思う」


(そんなことあるのかよ?)


 武道の世界ではスピリチュアルな逸話が多く伝わってはいるが、刀を持っていない相手に斬られて昏倒したとか、敵が巨人に見えるとか、相手の動きが止まって見えるなんてのは、漫画の演出にも良く使われる現象だが、実在の剣豪の逸話をモチーフにしたものだ。


 剣士としてそのような事象に理解があるからこそ気脈が通じたのだろうか。そのことを天宮は不思議にも思っていないようだ。


「普通の人ならもっと取り乱しています。そうならないのはあなたの胆力とはやはり共感力の大きさなんでしょう」


「そんな豪快な性格ではないそんな豪快な性格ではないよ」

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