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第3章 え?新キャラ?

ちゅんちゅんと、小鳥の囀りが聞こえる。心地よい朝。

膝の上では天使…じゃなくてカナが寝ている。


「ふう………もうちょっと寝顔見ておこう」


ああ、幸せな朝だ!てな感じで幸せに浸っていると、コンコンッと、ノックの音が響く。


「はい」


「朝食をお持ち致しました」


「あ、はい」


俺はカナを起こさぬように抱っこし、ドアの前まで行き、朝食を受け取る。


「ん…」


「おはよう、カナ」


「うん、おはよ。…朝ご飯?」


「そうだよ。食べようか」


「うん」


と言ってパクパク食べ始める。眠たそうに食べてる姿がソゥキューゥト!朝から心の中ではハイテンションでございます。


「いつ、出るの?」


「ん?…そうだな、食べたらもう出ようか。のんびりしてると、カナの戦い方を見つけられないし」


「戦い方?」


「ああ、ここに来るまでに見てきたけど、ぎこちなかったからな。昨日カナの《力》のことを考えて、どんな感じに戦えばいいか、考えてみたんだ」


俺はカナの頭を撫でながらそう言う。


「あ、ありがとう」


「カナに合うかは分からないけどな。じゃあ食い終わったみたいだし行くぞ?」


「おー!」


さて、カナに戦い方を習得させ、目指せ観光地!お花畑へ!


***


そして今現在、広い草原にいる。


「よし、じゃあ武器を出してくれ」


「うん」


カナは片手直剣を顕現させた。


「したよ」


「よし、じゃあ短剣にしてみてくれ。…えっと、カナの武器は形を変化させたら重さはどうなる?」


「大きさに比例する」


予想通りだ。もしかしたらなんて考えたが、良かった。


「じゃあその短剣を上から振るう途中、短剣が頭上を通り越した瞬間に大剣にしてみてくれ」


剣は振るうスピードが速ければ威力が出る。大剣は振るうスピードがが遅い分、重さで威力を出す。では、短剣を振るうスピードで大剣を振るう事が出来れば、カナみたいに多少力が無くとも高火力な攻撃が出来るのではないかと考えたのだ。


「こう?」


カナはそう言いながら俺の言った通りする。するとズドンッと、ものすんごい音が発生し、下を見ると大地が10メートルくらいひび割れしてた。

訂正。超高火力。


「…えげついな。ああ、そんで大剣のままだと色々不便だから攻撃したらすぐに短剣に戻す。他にも短剣の突き攻撃に対して、バックステップで躱されたら槍にして貫くとか、槍の突き攻撃をサイドステップで躱されたら、槍の側面から槍を生成すればいいって感じ」


「な、なるほど」


「他にも聞くか?」


「うん!」


「よしじゃあ………」


俺のレクチャーはカナの呑み込みが早く、20分程度で終わった。良かった。カナに合ってたみたいだ。


「さて、行くか。お花畑」


「うん!」


俺はカナの元気な返事を聞いてから歩き始めたが、突然カナが腕を掴んできた。


「ん?どうした?」


「あそこ、戦ってる」


「どれどれ………」


ああー、でっかい魔物は見えるが、ああー、まあ攻撃しているように見えるかなー?

…もしかしてカナは、助けたいと言い出すのだろうか。


「…なあカナ、助けたいのか?」


「うん…ハルは?」


「…俺は嫌だ。俺の《力》は知ってる奴が多いほど弱くなっていく。………でも、カナが助けたいって言うなら、助けるよ」


そう言うと、カナは嬉しそうに笑った。…決まりだな。


「じゃあカナ。カナはあの魔物の顔面に打撃系の武器をぶち込め。ノックバックを狙う。その後は俺に任せてくれ。じゃあ…ゴー!」


俺の合図でカナが走り出す。それを追うように俺も走る。ってカナ速え!俺はどんどんスピードを上げていくが追いつかない。

最高速度は負けないだろうが、初速からあれはやばい。

そんなことを思っている間にカナはもう魔物まで約1キロメートル程になっていた。そのでカナは地面が抉れる程強く地を蹴り、頭に向かって飛んでいく。


「やあああぁぁぁぁぁぁあ!」


そして気合の入った叫びと共に、カナは短剣を振り、魔物の手前でカナよりもでかいハンマーに変え、打ち込んだ。その際、高速で走っていても聞こえる程大きいバキボキッという音が響いた。

カナの一撃は魔物が仰け反るどころではなく、数十メートル吹っ飛んで倒れた。

その風圧で飛ばされた女子が1人。俺はスピードの落とし、受けめる。


「…大丈夫ですか」


「ええ…ありがとう」


ええと、この人知ってる。この前のテストで学年2位の人だ。確か…なんちゃらミオ。

やっぱり苗字が出て来ない。漢字も。自分の苗字もだが、そういう設定が施されてるな。

あ、ちなみに学年1位俺ね。


「ミオちゃん!大丈夫?」


「ええ、大丈夫よ、ユイ。ありがとう」


「よかったよ。で、こいつは」


「…俺はハルだ。あんたらの記憶にねーかもだがな」


ミオ、ユイ、トオル?の3人組。関わったことねえから好き嫌いもクソもないな。

そんなことを思っていると、ユイと呼ばれていた女子が「あっ…」と、何かに気づいた。


「ミオちゃんミオちゃん、この人あれだよ!学年1位の人」


あー、そう覚えられてるのね。なるほど。


「あ、貴方が?」


「ええ、まあね。とにかくお話は後回しでいいですかね?魔物もう起き上がっちゃったから。あんたらは休んでろ」


「でも!」


ミオと呼ばれていた女子がそう言う。だけど体は動いていない。


「その体で何が出来るの?死なれちゃ困るから黙ってろ」


俺は優しくなんて出来ない。カナは、特別なだけ。


「ハル!」


「よ、ナイスだカナ。あ、そうそう、ヒーラーいる?こん中に。えーっと、回復担当」


と聞くと、ユイと呼ば…ってめんどくせえ!ユイが手を上げた。


「回復使えるか?」


「ごめんなさい、魔力?がもう無くて…」


「別に謝らんでいい。手を出せ」


そして恐る恐る出してきた手を握り、魔力を渡すという感覚を意識した。


「あ、魔力が」


「満タンになったら言え。カナ、時間稼ぎ頼む」


「了解」


それから数分経った。早く加勢したい。


「もう大丈夫ですよ、これだけあれば足ります」


「そうか、なら大人しくな」


そう言い残し、地を蹴る。


「カナ!後は任せてくれ!」


「うん!」


カナは最後に顔面を殴りノックバックを起こしてから下がる。

さて、やっちゃいますか。なんか知らんけど新キャラ登場させた恨みだ!八つ当たりだけどね!


「【愛する者のため、我が剣を振るおう】」


と、詠唱し、抜刀を開始する。この【絶技】の代償、リスクは無防備になってしまうこと。だが、抜ききってしまえば変身するまで無敵化する。

なんて思ってるといきなり空から4本の柱が降ってきた。そこから濃い紫色の稲妻が発生し、俺を包む。恐らく、変身準備完了だ。

俺は剣を抜ききり、横に思いっきし振った。すると稲妻は四散し、柱が分解され、俺を包む。そして黒に近い、濃い紫色をしたい鎧に変化した。そうだ、名前つけてみるか。


「エ…《エンチャント:ヴァーサーカー》」


びっくりするほど掠れた声しか出ない。だから1回止まっちゃったんだよね。


「ヴァァァァアァアァアァァァアァァ‼︎」


なんかうおーって言ったつもりなのに魔物の雄叫びみたいになってるぅ!

カッコつけてバーサーカーをヴァーサーカーにしたけど声が掠れていい感じになったし、狂戦士か。ぴったりじゃないか。

俺はとりあえず地を蹴る。驚くことにスピード落ちてた。そのかわりと言っちゃあなんだが雷を纏った一撃が出せるぞ!あの女神結構説明省きやがったな!

という訳で試しに雷を纏わせて剣を振ってみた。


「ヴァァァァアァアァアァァァアァァ‼︎」


何叫んでもヴァァになるんだが。ってうげえええええええええええええええええぇ!

ま、魔物の左足消えたぁぁぁぁあぁ!?

やっほぅっ!無双だぜ俺TUEEEE出来てるよぉ!よっしゃ2発目、胴体じゃ!


「ヴァァァァアァアァアァァァアァァ‼︎」


うっひょぉおおぉぉおぉ!たのすぃー!ってあれ?魔物が消えた。倒したのか?ってあ、れ?ちか…ら、が…はい…ら…………ドサッ。

なるほど。鎧から稲妻がなくなっているのを見て察するに稲妻使い切ったらアウトなのね。って、あ。鎧が消えていく。


「ハル!大丈夫!?」


「ああ、調子に乗っちゃっただけだから」


「そっか」


安定して体は動かないよっ!どうしたらいいんだこれ。

それからしばらく、俺は動けなかった。

早く!早くカナたんとお花畑デートさせてぇぇぇぇぇぇえええ!ガクッ。

ていうか!新キャラ来なかったらもうキャッキャウフフ出来たのかあぁあぁあああぁあぁぁぁぁあぁあ!

残念だね、ハル。

ていうか強くしすぎたかなとか自分で思ってしまいますね。

何がともあれ頑張ります!

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