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エリオット航海日記  作者: syuruna
1/20

出航

どうもsyurunaです。

このサイトでは初投稿になる

作品です。

小学生~お年寄りまでの幅広い世代の方に

文学の素晴らしいを知っていただきたく、

投稿させていただきました。


少しレトロな感じを出して、

読みやすくしてみました。


小説家志望で大学を頑張りながら投稿するので

応援してください。


連載ペースが遅くなったら、

「早くしろ」

みたいに言ってください。

励みになります。


あと、スカウト待ってますww。

やぁみんな、僕の名前はエリオット。

少しの間、僕の話を聞いて欲しい。

それはこの日記に書かれたことなんだけど、

僕の昔話さ。

確か僕が15歳ほどから書き始めたものなのだが…

おいおいあからさまに嫌そうな顔をしないでおくれ。

きっとみんなも飽きないと思うから。

それでは始まり始まりぃ。


………



「おーい、エリオット 起きろよ。まったく」


「んんー、よく寝た って 今は何時だ?」


「4時だ。」


「4時? ……!?」


「寝ぼけてるのか?」


どうやら学校で眠ってしまったらしい。

昼休みからの記憶が一切ない。


ちなみに今起こしてくれたのは「アレックス」

家が近所で、保育所からの付き合いだ。


「エリオット 部活に行くぞ。先に行ってるから。

 準備が出来たら急いで来てくれ。」


「どうしたって言うんだ?」


「まあ、来てみればわかるから。」



そう言い残しアレックスは教室から出て行った。


12月の日はすぐに落ちる。

燃えるような夕日が、あまりにも強く差し込むもので

教室が少し寂しくも見える。


中学校三年。 卒業してしまえばアレックスとも

会えなくなってしまう。


僕はそう思うたび、胸が苦しくなる。



「さぁて 部室に行くか」

僕は、アレックスの待つ部室へと向かった。


僕とアレックスはエアバルーン研究部と言う

部に入っていた。


入っていたというか、中学入学の時に、

アレックスが、勝手に作り、強制的に入れられた。

活動内容は、気球のメカニズムを研究して、

気球を作っていた。



「遅ぇぞ エリオット。待ちくたびれたぜ。」



そして完成した。

僕とアレックスの気球が。


「ところでアレックス、気球は完成した。

 なら今日からこの部では

 どんな活動をするんだい?」


「そりゃ、この有人気球に乗って見たくはないか?」


「乗りたいけども。やっぱり危なくないか?」



僕はもう一度気球を見た。


ゴンドラは木の皮で出来た骨組みに

長い紐を巻きつけたもので

ナイロンとポリエステルを縫い合わせた球皮部分は

今は折りたたまれているが

拡げるとかなりのサイズがある。

バーナーの部分は火力の問題もあり、

製品のものを使うことにした。



「アレックス、ほんとに飛ぶのかな?」


「エリオット?どうしたんだ。

 まさかびびってんのか。」


「びびってねぇよ。」


強がっているが本心はすごく怖い。

なぜなら、明日この気球に乗る予定なのだ。

普通自作の気球に乗るのは怖いに決まっている。


だが、アレックスは目を輝かせていた。

自分の腕に相当な自信があるからこそ

あれほどまでに堂々としていられる。

そこが僕のアレックスを尊敬している所だ。


「今晩、びびっておねしょすんじゃねぇよ。」


「だからびびってねぇよ。」


「そうだな。じゃあなエリオット。」


「また明日、アレックス。」



その晩、僕は一睡も出来なかった。


風に揺れる葉の音が

いつもより大きく聞こえた気がした。


………


朝 目を覚ます。

顔を洗い、朝食のパンとコーヒーをいただく。

ここまでは、いつも通りの日常。


お気に入りの服を着て、学校へ向かう。

いつもなら教室に向かうが今日は違う。


僕が部室に到着したときには、

すでにアレックスが準備に取りかかっていた。



「アレックス、ゴンドラなら僕が運ぶよ」


「なら俺は球皮を運ぶ」


誰にも気づかれぬように、

校庭に運び出す。


「俺たちが学校サボって、気球に乗って飛んでったら

 先生たちどうなるかな?」


「怒るに決まってるよ。」



ゴンドラと球皮を運び出し連結させる。



「エリオット、ガスタンクをゴンドラに乗せてくれ。」


「わかった。」


僕がタンクを乗せている間に、

アレックスは、送風機で球皮を膨らませ始めた。



「これで最後っと。アレックス、終わったよ」

僕がタンクを運び終わるときには、

球皮は半分以上は膨らんでいた。


「よし、バーナーを点火。」


プロパンのガスにより、

勢いよくバーナーが火を吹く。


「やっぱ、正規製品は火力が違うな。」


瞬く間に球皮が膨らみ、バルーン状になった。


「すげぇな。」

圧倒的な大きさの迫力に

思わず言葉がこぼれた。



ふと校舎をみると、気球に気づいた生徒たちが、

窓に張り付くように集まっていた。


「アレックス。バレてるよ。」



顔を真っ赤にした教師が走ってくる。

「こらぁ、エアバルーン研究部。

 今すぐ気球を片付けなさい。」




「おいエリオット。」


アレックスはそう叫ぶように呼ぶと、

バーナーの火力を上げた。


その声を合図僕は気球のゴンドラに

飛び乗った。



「じゃあねぇ」

アレックスは先生を馬鹿にした態度をとると、

バーナーをさらに強めた。



ゴンドラが地面から離れる

バーナーが凄い音を立てる

校舎から歓声が上がった。


先生がゴンドラを、つかもうと手をのばすが

後5センチほど、足りず。




僕とアレックスを、乗せた気球は今飛び上がった。


空高く。天に向かって。

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