堕ちていく雫
雫は堕ちる。
ダークなサイドに落ちる。
ちょっぴり悪くなっていく。
ぴちょぴちょ落ちる。
ダークな雫が。
雫様のお通りじゃ!
道を開けろ、ものどもめ。
雫は堕ちる。
ヤンキーになる。
建物は恐れ、傘はよける。
生き物だって、遠巻きにする。
雫は天狗。
殿様気分。
万能感で、かなりいい気分。
けれどそれは。
本当じゃない。
実際がっさい。
真実じゃない。
それは雫の力じゃなくて。
もっと別の何かの力。
けれど雫は勘違い。
自分の力と勘違い。
ダークな雫は、今日もうはうは。
雫様のお通りじゃ!
「はぁ、いやになっちゃうわ。酸性雨なんて」
「やだー。ぬれたくなーい」
「お気に入りの傘、金属部分が腐食しちゃう」