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久しぶり

久しぶりに交易に出てみた。


あんまり長らくご無沙汰すると、ワタシの理解が及ばない方向に進化が進んでしまいそうな気がする。

例えば、言葉とか。


かつての人生では、たった数百キロ離れているだけの地域ですら、違う言語圏となっていたものだ。

また、起源を同じくする言語すら、全くの別物と化していた。


有史来同一言語であったはずの日本は本州ですら、東北や、雪国山間部などの一部には、方言とか訛りとか言う表現では絶対に足りないレベルで、聞き取りはおろか、カタカナ表記すらできない謎言語が存在したものだ。


今世、せっかくワタシ主導で地味に進めつつある言語普及が、ワタシの現場離脱によって、明後日の方向にばく進してくれては困る。

転生に伴う言語チートは、ワタシにはない。

というか、言語がないのでチートがあったとしても無駄ではあった。

だが、身近な所に言語が生まれる事になれば、話は変わる。

発端を作ったワタシの思惑から外れ、ワタシが理解できない言葉になっていってしまっては困るのだ。


ボクは、身綺麗にさせてきっちり食事を与えたところ、数ヶ月間で、もはや別人レベルの成長を遂げていた。

元々、想定よりも年齢が高かったのかもしれない。

せいぜい2~3歳だと思っていたが、今では、幼児というより、児童と表した方が合っている状態だ。

背中まで伸び放題だったライトブラウンの髪を三つ編みにしてやると、幼いながら、いかにも先住民族の少年といった風情でなかなか精悍だ。


これなら、交易に連れて行っても問題なかろう。

それに、集落の子供らと遊ばせる事で、自然と言葉を広める事になるはずだ。


品物は豊富だ。


釜焼き実験の結果、土器製作が飛躍的に進化して、大小さまざまな器を焼き上げて最寄りの別荘(笑)に保管してある。


そして、ぞうりとワラジ。

ワラジの正確な作り方は忘れてしまっていたが、そこにはこだわらない。

なんせここに正解を知る人なんかいないので、要は、ぞうりをしっかりと足に固定できれば良いだけだ。

前々世のサンダルを思い出しながら作り上げたソレは、最終的に、古代ローマ人の履き物っぽい仕上がりとなった。

これくらいの物なら、すぐに自分らでも作り始めることだろう。


要は文化を伝えたいのであって、この交易で大儲けをするつもりはない。

というか、貨幣はないのでもとより物々交換なのだし。



久しぶりに訪れてみた馴染みの集落は、大きな変化こそなかったが、なんとなく秩序が整ってきている様子であった。

ワタシとボクは歓迎され、しばらく逗留しろという意味であろうか、ねぐらまで用意周到してくれた。


「ボク、なるべくしゃべるようにしてね」


「どうして?」


「こうやって伝え合うと便利そうだとわかってもらうためだよ。あなたは子供たちと仲良くしなさい。どんどんしゃべれば、子供はすぐに真似し始めるからね」


今回こちらの強みは、会話ができる事だ。

これまでは一方的に単語を発してモノや動作と結びつけるだけであったが、これで、会話という便利な意思疎通手段を見せる事ができる。


せっかくなので数日は滞在して、土器製作をレクチャーしてみようかな。




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