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ついに  (夜明けの予感)

令嬢時代の挿話を入れたいけど、名前を決める段階で行き詰まってます。

いっそエセ西洋じゃなくて、長岡京時代の朝廷貴族とかにしとけば良かった。

機会をうかがい続けること数日。


数週間とか言いたいが、日付というもののない世界では、細かい日数とか覚えていられるものではない。 

正直、自分の年齢すらよくわからないが、おそらく、今は8才児くらいの感じだと思う。 子供ではあるが、全体的に発達年齢が低い集団ゆえに、既に一人前だと見なされ、とっくに親離れもしている。 まあ、群れの子供として庇護されてはいるが。

考えてみれば、このサイズの哺乳類で、10年経っても巣立なくなっていた人類って、生物としてはかなり異端だったのだなあ……。 まあ、食って生きてりゃそれでいい社会生活と比べちゃいけないんだろうけど……。


脱線したが、要は、こんな子供でも一人前に食べ物の採取に赴くわけで、一人で出かける理由には事欠かない。

例の畑は目立たないように設えてあるし、ほとんどは未だ食用に向かない作物であるために、誰にも気付かれてはいないようだった。

2~3年目のそれは、わりと順調に収穫できるようになってきており、あちこち探し歩かなくてもそこそこの食材を持ち帰ることができるため、1日中を研究に費やしていてもバレずに済んだ。


大事なレンズは日々改良を重ね、最近は、ものの数秒で着火できるクオリティとなっている。

だが、火の利用方法どころか、利用使用という発想すらないところに、いきなりこんな道具で着火なんかした日には、いくら知的レベルの低い皆さんでも、なんか変だと思うにちがいない。


自然界での発火理由は様々だ。

それこそ墓場の鬼火よろしく、生き物の死骸から出た燐の燃焼とか。

メタンガスの発生とか。

クモの巣や植物に付いた水滴がレンズの役を果たす場合もあるらしいし。


だが、チャンスは思いがけない所からやってきた。

もしかしたら、天の助けというヤツかもしれない。

なにせ、正に天から降りてきたのだ。



雷が。



落雷は、老いて乾いた巨木を炎に包んだものの、続く豪雨で間もなく鎮火した。

だが、十分だ。

要は、理由さえあれば良いのだ。


雨のあと、再び降り注ぐ暖かな陽光の下、ワタシは、人類の未来をも変えるであろう一歩を踏み出した。



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