第6話 〜初陣〜
おまたせしました!ようやく戦闘シーンが出ます!
鎮西町南西近方についた勇二達は、車両をおり菱形隊形で異形が発生した地域へと前進していた。遠くで爆発音や何かの叫び声が聞こえる。異形と味方が既に戦っているのだろう。道中、第1騎士団第3騎士隊の別働隊として動いている5名と合流した。「お疲れさまです。1-3騎士隊の佐々木です。我々が皆さんを誘導します。」佐々木と名乗る男が話しかけてきた。巧次は「おつかれ様です。2-3騎士隊長の山口です。お願いします」と答え隊員に隊形の隊形変換を指示する。
一同は隊形を組み直し前進を続ける。前進しながら「ここの敵の数は?」と巧次が尋ねる。「猿型が10、魚頭型が8程です。」「ということは敵の勢力のほとんどがここに集まっているということか」と巧次は言う。それに対し佐々木は「いえ、他の地域も同数の異形と戦っているようです。どうやら初めに確認された数よりも異形は増えてるようです」と答える。「3箇所でこの数ということはおよそ60はいるということか。かなり多いな。それに当初確認された数よりも増えすぎてる。誤差というより新たに湧いてきたか」と巧次は呟く。
さらに一同は前進し、その目に異形の姿とそれと戦う騎士隊の姿を映す。「敵確認!前方500!」と巧次が注意喚起する。続けて「横隊に展開し速やかに敵に接近!50の距離まで近づいたら射撃する!くれぐれも味方に当てるなよ」と指示を出す。
その指示を聞き隊員は菱形の隊形を崩し、横一列に並び敵との距離を詰める。およそ50mのいちまで接近した。異形の集団は既に戦っている騎士たちに気を取られこちらには気付いていない。一方で既にこちらにの存在に気付いている騎士に対し巧次はハンドサインを送る。それを見た騎士達は異形達から距離を取る。
「撃て!」巧次の号令と同時に勇二達は力を解き放つ。炎球、氷塊、多量の石礫などが異形に襲いかかる。攻撃を受けた異形は甲高く気味の悪い悲鳴を上げながら倒れていく。今の攻撃で2体の異形が倒れ、3体の異形に傷を与えた。異形達は勇二達に気付きこちらに振り返る。異形達と交戦していた騎士達は異形達の注意が自分たちから逸れたのを逃さず、攻撃を仕掛ける。勇二達の方を向いてる体長2m程の1体の猿型の異形に3名の騎士が斬りかかる。2名が異形の足を斬り、膝を着いた異形の頭を遠くから跳躍して一気に近付いた騎士が斬り落とす。
これが「リシーバー」達の授かった力であった。身体を強化すれば普通の人間では出せないような力や速度を発揮し、ある程度の衝撃などにも耐えることができる。この身体を強化する力を退魔師団が開発したプロテクターや剣に流し込むことによって性能を引き出すことができる。また炎や氷などをを生み出しそれを操ることもできる。扱えるものは人によって異なり、多くの人間が2、3個の属性ともいえるエネルギーを操れる。操れる属性は現在発見されているものでは火、水、土、風、氷、電気、光、鉄、木などがある。「リシーバー」が生み出したものは永遠に残ることなく暫く時間が立つと消えてしまう。なので「リシーバー」が生み出した木や鉄などでいえを作っても、時間が経つと消えてしまい、長期的に利用することは出来ない。
さらに別の騎士が注意の逸れた別の異形に襲いかかる。体長5m高さ3m程で、魚の頭とトカゲのような身体、カンガルーのような足を持った異形に剣を突き立てた。魚頭の異形は暴れ回るが騎士も突き立てた剣を放さず力を込めた。ドカンと音がし魚頭の異形がふらつく。どうやら突き刺した剣の先で爆発を起こし、異形を体内から破壊したようだ。まだかろうじて立っているその異形の口に向かって、別の騎士が炎球を放つ。異形をギリギリで顔を逸らすも背中に炎球があたりそのまま背中が延焼する。その隙に先程剣を突き立てた騎士が魚頭の異形に近付き喉元を掻き切る。とうとう異形はその体躯を地面に横たえる。
4体の異形が倒れ、到着する前に騎士達が倒した異形を含め9体の異形が斃された。残りは後9体である。こちらは勇二達を合わせ、22名の騎士がいる。油断さえしなければ十分に倒せる数だ。
異形達も体制を立て直し、6体が勇二達、3体が当初から交戦していた騎士達に向かった。「奴らしっかり互いをカバーしていやがる。一筋縄ではいかないぞ」と巧次が叫ぶ。
全員が剣を構え敵の攻撃に備える。