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抗魔大戦記綴  作者: 語部きゅうり
第1章 〜鎮西事態編〜
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第5話 〜異変(後編)〜



 勇二達と別れ、家に帰った涼香は食事等を済ませベットに入りスマホで友人と電話をしていた。「初詣、涼香も一緒行こう〜」そう誘っているのは涼香の中学校のクラスメイトである潮彩花だ。「え、めっちゃ行きたい!」と涼香は返す。「舞香も来るし、後直人君たちも来るよ」潮はそう続ける。「えー絶対楽しいじゃん。1日から行くの?」「お、直人君って聞いた瞬間乗り気になりましたね〜」と潮はからかう。「いやいや最初から乗り気だったし!なんですぐにそういうのにつなげるかな」と涼香はため息をつく。以前潮とお泊り会をした際、クラスメイトで誰がカッコイイか話した際に直人の名を出した。それ以降潮は涼香が直人を好いているとからかうようになった。たしかに直人の事はカッコイイとは思っているが好きという程ではない。未だにその事を弄ってくる潮に呆れながら「で、集合時間は?」と聞く。「せっかくだし大晦日から行かない?除夜の鐘みんなで聞こうよ。煩悩をともに無くそうや」と潮が返す。「日またぐのか〜、お母さん許してくれるかな」涼香の母はあまり日を跨ぐ遊びを許してくれない。ある程度知ってる友人の家に行く時も事前に話して置かないと行けないのだ。「こっそり抜け出しちゃえば」と、潮は言う「え、無理無理そんなことしてバレたら殺されちゃうよ」「大丈夫だよ〜窓からこっそり出ればバレないって。あたしはそうするよ」潮の豪胆さに涼香は若干引く。「まあ、しょうがないか。そしたら1日の10時位に集合にしようか〜」と潮は言う。「ほんと〜。ごめんね」と涼香が返す。潮が「それじゃあ、他の」といったところで潮言葉を切る。涼香は不審に思い「どうしたの」と聞く。「いや、外から変な音が聞こえてさ」と潮が答える。ガラガラと窓を開ける音がした。潮が外の様子を見ようとしているようだ。「え、ヤバいヤバいヤバい!」潮の尋常ではない焦りが電話越しに伝わってくる「え、何!どうしたの?」と焦りながら再度涼香が聞く「いるいる」


        アレが

 

その一言が聞こえた瞬間世界が遠く感じた。アレとは間違いなく異形の事だろう。昔のニュース映像や騎士団で聞かされていた人を食らう化け物が現れたのだ。よりによって親友の近くに・・・。しかも窓から見えるということはかなり近くにいるようだ。「どうしよう涼香!え、どうしたらいいのあたし」電話の向こうの潮はかなり焦っているようだ。「落ち着いて彩花、まずは窓から離れて彩花のお母さんたちを起こして避難の準備をして」潮を落ち着かせる。自分は彩花の電話は繋ぎつつ騎士団へと連絡するため、固定電話のある一階まで向かう。階段を降りきった時涼香の電話のバイプレーションがなる。見ると事務所長からメールが来ていた。[鎮西の方で異形発生。距離はある程度離れているが念の為に家族と避難準備をし、いつでも逃げられる体制をとるように。くれぐれも現場には近づくなよ]と書かれていた。すでに騎士団は事態を把握し、行動を起こしているようだ。涼香は彩花を落ち着かせながら両親を起こして避難の準備を進める。

 「あや、もう騎士団の人たちはそっちに向かってるから落ち着いて。パニックを起こさないで慎重に動いて」「でも怖いよ!デカいし見た目もキモいし」彩花は返す。「うん、でも何か危険な目にあった時パニックを起こすのが一番危ないの。だから落ち着いて」と涼香は彩花をなだめる。電話の向こうから彩花を呼ぶ声がした。「準備出来たから家出るね。とりあえずまた避難所言って落ち着いたらまた連絡する」と彩花が伝える。「うん、分かった。くれぐれも気をつけてね」と彩花に伝える。「初詣、絶対行こうね。なんて死亡フラグ立ててみたりー」と彩花は冗談をいう。まだ声は震えてるが少しは落ち着いて来たみたいだ。「縁起でもないからやめなさい」と涼香は返す。えへへ〜じゃあまた、と彩花は電話を切った。

 涼香は彩花をすぐにでも助けに行きたいが、まだ自分は中学生であり騎士団の正式なメンバーではない。また一人で勝手に現場へ行った所で足手まといになるだけだろう。親友の危機に何も出来ない悔しさを感じながら彩花の無事を祈るのであった。

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