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抗魔大戦記綴  作者: 語部きゅうり
第1章 〜鎮西事態編〜
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第3話 〜現地偵察〜

すみません。まだ戦闘シーンは始まりません

4人を乗せた車は唐津市の打上小学校付近にある退魔師団の事務所に到着した。ここは予知夢の日が起きた際に防御拠点作成の基盤となる場所だ。常駐している隊員とともに荷物を降ろした後、隊長の巧次と副隊長である叶は打ち合わせがあるため勇二達とは別行動となった。手空きの二人はこの拠点で活動する一人の少女の案内のもと周辺の地域の偵察を行うこととなった。

「そりじゃあ案内しますね」そう勇二達に話しかける少女は斉藤涼香という。少女は退魔師団のメンバーではあるが、まだ14歳と若く戦闘員ではない。幼い頃に力が発現し、そのコントロールを学ぶために退魔師団へ入った。家がこの拠点の近くにあり、しばしば退魔師団の活動をサポートしてくれている。よろしく、と勇二と良人は伝え涼香の後に続く。


 涼香に案内されながら二人は防御拠点予定地域を案内されるが、たしかに隊長の巧次の言うとおり敵を妨げるのに使えるものはほとんどなかった。周囲には畑や森が広がり、大きな丘や河川等、障害として使えるものはほとんどなかった。「ここで守るのはキツイんじゃないか〜」と良人が言う。「たしかに。けどわざわざ上の人はここを選んだんだ。なんかしら理由があんだろ。」「昔みたいに城とか作れたらなー」「そんな金どこにあんだよ笑」良人の軽口に勇二は突っ込む。「作るのは無理ですけど、市街地の方に行けばお城ありますよ」涼香が教えてくれる。良人は「市街地って言うと後方防衛線よりも後だろ〜遠いなー」とため息をつく。「ですね〜。唐津城こっちまで飛んできてくれればいいのに」涼香もまたため息をつきながら冗談は言う。「まあないものねだりしても仕方ない。利用できるものを少しでも見つけるぞ」と勇二は二人にこう。「真面目か」と言いながら頭を叩いてくる良人。「お前はもっと真面目にやれ!」と言いながら勇二は良人を叩きかえす。「ほらお前がアホだから涼香ちゃんに笑われてるぞ」と雄二は涼香のほうを指で示す。二人のやり取りを見ていた涼香は笑っていた。というより爆笑していた。くだらないやり取りが彼女の謎のツボにハマったらしい。


涼香が笑いを抑えるのに10分程かかりつつも現地の偵察を再開した四人は、それから約四時間程歩き回り日も落ちてきたので事務所の方に帰還することにした。涼香は帰宅する家があるので勇二たちは彼女を家まで送り届けてから事務所へと帰った。

 勇二がドアを開けると「お、帰ってきたね2人とも」と叶が2人を出迎える。「ご飯できてるよ〜。手洗ってきてー」そう言われ2人は手を洗いに行き席に戻ってきた。すでに食卓にはこの事務所に常駐している隊員3名とともに巧次、叶が着いていた。二人が席に着くと全員でいただきますを言い食事をはじめる。

 「二人とも今日の収穫はどうだった?」巧次が尋ねる。「何も見つけられませんでした」と雄二は返す。

「ま、そうだろうな。むしろ何も見つからないってことが収穫だな。ここは田んぼのような平坦な土地ばかりだ。森林も広がっているがおそらくそこは猿型の異形にとって有利に働く可能性が高い。それならば森林から離れ、道路が集約している場所で防備を固めるのがいいだろう。」と巧次は答える。だが、と巧次は続ける「あくまでこの戦術はもともと車だったりを利用した人間を想定したものだ。そこに様々な人の予知夢の情報を集め予想した敵の動きを組み合わせただけにすぎない。あらゆる想定外を想像して準備をしなくてはならない」良人は「今の俺らに何ができるんでしょうか?」と尋ねる。「できることは意外と多いぞ。異形の群れが発生してからすぐに構築できるバリケードとか作ったり、その資材を集めたり。あるいはその地域に住む住民と信頼関係を構築するのも重要だ。あとは当然力の錬成や戦闘訓練だな。無いものねだってもも仕方ないさ。今できることをやるしかないな。そのためにもここにいる全員!頼むぞ」巧次はその場にいる全員に向かい言った。





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