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プロローグ

小説を書くのは初めてなので、文の構成や言葉がおかしいかもしれませんが、温かく見守っていていただければと思います

俺、進藤晶(しんどうあきら)は、今車に乗って仕事場に向かっている。

都会とも田舎とも言えないような場所にある工場が俺の職場だ。

高校を卒業して大学に行かず、今の仕事に就いてからもう十年近くになる。

仕事内容に不満はないし勤務環境にも不満はない。

強いて言うなら家から少し離れているので通勤は歩きではなく車を使わなければならない事だが、まぁその程度だ。


…だがしかし。

ああ、退屈だ。

毎日同じことの繰り返し。

朝起きて仕事に行き、仕事を終えて帰宅しだらだら過ごし眠る。

そして次の日もその次の日も変わらない日々。

何か趣味といえるものがある訳でもなく、これと言ってやりたいこともない。

このまま年をとって特に何も残すことなく死んでいくのだろうな。

…なら、せめて今までやってこなかった何かをやってみようかな。

でも何をしようか。わりと気軽にできて尚且つ少し日常から外れたものが理想だけど、そんなものがあるだろうか。

……ああ。外国旅行なんかいいかもしれないな。今まで一度も飛行機に乗ったこともないし、人生で一度くらいは世界を旅するのも面白いかもしれない。幸い意思表示ができるくらいの英語は話せるしなんとかなるだろう。

まぁその時は会社を辞めなくてはならないからそれなりの覚悟が必要だけど。


…しかし。ああ、本当に退屈だ。


そんなことを考えながら運転していると、何だかすごい音と衝撃が起こり世界が逆さまになった。

否、世界が逆さまになったのではない。俺が逆さになっているんだ

何が起こったのかわからず周りを見ると前方の少し離れた所にトラックが横転していた。

俺はここでやっと自分が事故にあったのだと理解した。

そして改めて自分の状態を確認すると


「…は、はは。いや、嘘だろこんなの」


途端に物凄い痛みが全身にやってきた。

だが、そんなことには構っていられない。

事故にあったんだ、痛いのは当然といえよう。

でも、これはダメだ。こんなものは認められない。

…なんで、なんで


「なんで足がないんだよ」


それはもう足がないというより下半身がないというような状態だった。

潰れた車と一緒になって潰れている下半身。

そしてそこから溢れ出る赤い液体。


その様子を呆然と見ていたが流れ出る赤い液体、血が自分の顔に到達すると不快感から我を取り戻す。

…それがいいことなのかはわからないが。


…いや、だ。いやだ。いやだいやだいやだいやだいやだ!

まだだ。まだ死にたくない。せっかく、せっかくやってみたい事が出来たのに!

「…い、やだ。…まだ死ねない。死にたくない」


だが、いくら足掻こうとも、いくら願おうとも現実は変わらない。

むしろ、足掻いた分だけ傷が広がり多くの血が溢れて死に近づき、願った分だけ助からないという絶望を直視することになる。


現実は、無情で無慈悲で奇跡なんて起こりはしない。

そうして俺はそう長くもない人生を終えた。

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