第十六話 隔絶/凍結ノ銀世界 (Silver world of isolation/freeze)
目の前に広がるのは降り注ぐ雪。
それを被った灰色の岩に、空の光が屈折して銀色の世界ができている。
鬼が出るか蛇が出るか。
ここから先は未知の空間。
しかし、迷っている暇は無い。レットは雪原を一人で駆け出す。
追跡の指針は道となっている“敵の足跡”。
視界が霞んでいるが故か、それがどこまで続いているのかはわからなかった。
走り出してすぐに、レットは自分が身を投じた状況がどれだけ危険なのかを認識する。
(と、とんでもない状況だ――“急がなければいけないのに、周囲を警戒しないといけない”だなんて!)
レットの中で、焦りと警戒心がぶつかり合う。
走れば走るほどに、この二つの感情のせめぎ合いがレットの精神力を奪っていく。
可能な限り身を低くして、素早く、しかし音を立てないように進む道に自分の足跡を重ねていく。
再びマップを開いて周囲を確認すると、レットは自分が“地図の座標上のデモン”に徐々に近づいていることに気付いた。
(オレが敵に追いつけているんじゃない。ここで“動きが止まっている”!? つまり、敵はデモンをどこかに置いて逃げたのか? いや、これは違う――)
そこでレットは――
――それまで追跡していた敵の足跡が突然消滅していることに気付いた。
思わず立ち止まったレットには、何が起きているのか依然として理解できない。
しかし、耳元でサイレンの音が突如爆発したかのように彼の直感が激しい警笛を鳴らしていた。
(――ヤバイ! これは絶対にヤバイ!! 敵は、逃げたんじゃない! 既に、こっちの追跡に気付いて――)
レットが咄嗟にブレーキをかけると同時に、その耳に僅かに“聞こえるはずのない足音”が聞こえた。
それは咄嗟の判断だったのか、それとも極限状況下での焦りから来た失敗だったのか。
レットは自分でも理解できなかったが、反射的に――躓くように地面に倒れこんだ。
「う――わっ……!」
かまいたちのように、空気が真っすぐ切り裂かれる音がレットの頭上で鳴り響く。
立ち上がる猶予もないと判断して、レットは死に物狂いで自らの体に力を入れて地面の上を転がる。
自身の離脱を後押ししたのは、皮肉にも敵の攻撃の斬撃の衝撃の余波だった。
(――やっぱり“やり合うのは絶対に駄目”だ! 速度と音でわかる! 敵は上級者だ! こんな攻撃は絶対に、一発でもまともに食らったら戦闘不能になる!! そうだ……落ち着くんだ。オレは……“弱い”!)
相も変わらない揺るがぬ事実。
しかし、揺るがぬ事実であるが故にレットは自分の領分を見失わない。
(――だからこそ、デモンを救うために一秒でも長く生きて、クリアさんが来るまで敵を引き付けて――少しでも役に立つ情報を集めなきゃ!)
転がった勢いを殺し切らずに、それを利用してレットは可能な限り無駄なく起き上がる。
揺れる視界の中には地面の雪に刻まれたばかりの敵の足跡。耳には自分から離れていく足音が聞こえてくる。
しかし、『敵の姿そのものが一切見えない』。
(このまま、また仕掛けてこられたら、なすすべもなくやられる……今は一旦距離を開けないと――)
敵に目をつけられている状態下で、レットには“次の一撃は避けることができない”という予感があった。
ほとんど反射的に――悪あがきの様にその場から走って移動する。
向かうは敵が去っていった――足跡が進んで行く方向の逆側。
レットの中で絶望が広がっていく。しかし、その絶望を無理やり忘れようとするかのように、自分の知識を総動員させて目の前の敵に考えを馳せた。
(わかったことがある……敵の姿が全く見えないってことは……間違いない! これはステルススキルによる離脱だ――おそらく敵の職業は【アサシン】なんだ!)
アサシン。暗殺者。
キャラクターの移動速度の上昇や、短距離の座標移動、気配の遮断効果を持つスキル等を使うことで、一気に接近して敵をなぎ倒すのが基本の短期決戦型の職業。
特に、対人戦闘では徹底的な回避力と短時間での爆発的な火力に定評がある。
世界設定的には信仰対象が不透明なプリーストに対して、彼らが信奉するのはこの世界を見捨て去っていた神々である。
それが故に、彼らの恨みは重く深く。過激になっていったとされている。
鈍器のみが許されているプリースト達に対するアンチテーゼなのか、使える武器には殺傷力の高い殺意や死を連想させるデザインが多く、二本で対となるセット武器を使える。
これはソードマスターの二刀流とは別枠の武器だった。
(そういえば……昔……クリアさんからアサシンとの戦い方を教えてもらったな……)
空き時間を見つけては、ハイダニアで幾度も続けていた特訓。
その中の、とある日に行われたクリアとのやり取りがレットの頭の中で鮮明に思い返された。
『クリアさん。アサシンのステルスって、かなり危ないスキルじゃないですか? いきなりこれを仕掛けられて背後から暗殺されたら、オレの防御のスキルじゃほとんど対応できない気がするんですけどォ……』
『アサシンのステルスか……。実はなレット。アサシンにステルスで急に襲われても一撃で死ぬようなことはほとんどないんだ』
『――え? どうしてです』
『冷静になって考えてみろよ。いきなり遠くから透明状態で接近されて何の前触れもなく一発で殺されるなんて、ゲームとして面白いと思うか? 倒されたのが対人の為に時間を費やした上級者プレイヤーだったら、どんな気持ちになると思う?』
『うぐ……ぶっちゃけ“全然面白くない”でしょうね。時間をかけて強くなったのに一発でやられたら、かなり理不尽に感じるかも……』
『そうだ。撃ち合いをする戦争ゲームで例えるなら、遮蔽物もないフィールドで、遥か遠くのスナイパーにいきなり頭を撃たれて死ぬようなもんだ。不快度指数が高すぎて、このゲームのアサシンは何度も調整された結果、一撃必殺を実現するのは難しくなっているんだ』
(――そうだよ。この敵の“異常な一撃を重視した戦い方”は――敵が上級者だとしてもアサシンとしておかしい……オレがあの時にクリアさんに教えてもらったアサシンの情報と“食い違い”がある!)
レットの回想は、長すぎる静寂によって中断された。
マップを再び一瞥して、レットは相手の出方を推測する。
(まずい……相手の反応がもうずっと無い! 反応がずっとないってことは、もうそろそろ敵が攻撃を仕掛けてくる頃合い――)
直後に、レットの視界の右側にいきなり何の前触れもなく――幽鬼のような立ち振る舞いのキャラクターが映る。
背丈はレットよりもやや高い。
雪の色とほとんど同じ色の、フードのついたジャケットを着ていて表情はわからない。
ジャケットの隙間から延びる薄い緑色の、半透明のビロードが怪しく風に揺れていた。
そして――その右手の袖から僅かに白い刃が見えている。
敵は、左手で右の手首を抑えている。
まるで――虚空に向かって鋭い一撃をこれから射出するように。
(ヤバ――――――――)
思考が追いつかない。レットは咄嗟に持っていた剣を構える。
敵は一瞬レットの方に向き直り、その右腕をレットの胴体に向かって突き出した。
腕が伸びると同時に、袖から長く鋭利な――折り目のない巨大なカッターナイフのような刃が勢い良く飛び出す。
レットには敵の攻撃動作が見えず、攻撃にタイミングを合わせることができない。
金属音でレットの耳が遠くなる。
火花で目が潰れる。
凄まじい攻撃を剣に受けて、持っていた剣が弾き飛ばされて手が痺れ、攻撃の余波で大気が揺れて、その身体が宙を舞った。
「あ――――――――――――」
視界が回転して、その頭から地面に激突する。
「――ぎぃっ……う………………!」
首に衝撃が走って、あり得ない角度に曲がる。
もしもこれが現実ならば、何も感じないまま全身不随になっていてもおかしくないような衝撃。
しかし、今のレットにはそんなことを気をかけている余裕もない。
彼がこの瞬間最も気がかりだったのは、自らの身体にダメージを受けた時に発生する倦怠感。
それが全くないことを瞬時に理解して、さらにあり得ない角度で体を曲げて、咄嗟に立ち上がる。
(なんでだ――戦闘不能になっていない! “生きている”!? あの威力で、攻撃は武器に“ただ掠っただけ”って扱いなのか! でも、一体どうして敵の攻撃が直撃しなかったんだ!? 敵はオレの居る場所の目星がついているんじゃないのか!?)
再びクリアの声が脳内で思い起こされる。
『要は、今の環境でアサシンの一撃特化のビルドは組みづらいんだよ』
(これが――――――――チーム会話から聞こえてくる声だったら、嬉しいんだけどな……)
咄嗟に、その雑念をかき消す。
集中によってレットの感じる時間が圧縮されていく、頭の中の回想も加速していく。
『今はアサシンは“行って帰ってくることができない”んだ。基本的にステルスを使っても効果時間の関係で片道切符になる。それに、一撃必殺を実現するビルドの場合、“一撃が高くなるほど二の次が極端に弱くなる”。一撃火力重視のアサシンの二発目以降の攻撃は、お前でも受けられるくらい弱いのさ。次の強烈な一撃を撃てるようになるまで“一旦逃げてから再び待たないと何もできない”』
『そ、そんなに極端なんですか……』
『つまり、“失敗したら後が続かないし逃げられないから、今の環境じゃ誰もやろうとしない”わけだ。“行き帰りもできる完ぺきな一撃必殺ビルド”なんて存在しないってことだ。攻撃以外のステータスを全部捨てても不可能だし。火力に振りまくって一撃をぶち込んでも、二人もプレイヤーが居たら後が続かずに防御を捨てた自分のキャラクターを総攻撃されて確実に戦闘不能になる。だから、今のアサシンの主体は“堂々と接近した上でガチンコで殴り合う短期決戦”ビルドなんだよ。一撃必殺じゃない』
『へぇ~。暗殺っていうから、てっきりクリアさんみたいな性格の悪い意地汚い人がいきなりワンパンで殺してくると思ったけど違うんだなあ……』
『俺個人はむしろアサシンという職業は好きじゃないな。アイデアの介入する余地も少なくて、状況対応力が低めなんだ。良くも悪くも真っすぐすぎる。どちらかといえばプレイヤーの天性のセンスや人間性能に依存するし、行きつく先が“敵を圧殺するだけ”だからな。……使い手のセンス次第では、アサシンという職業は何のひねりもなく短時間の戦闘で圧倒的な強さを発揮できるんだが』
(そうなんだよな……ステルスを使っているのは間違いないのに、オレの戦っている“このアサシンのビルド”はクリアさんの言っていた“このゲームの今のアサシンの主流の戦い方”とは全然違うんだ。姿を見せない一撃離脱の戦い方なんてできないはずなんだ。この敵には何かしらの秘密がある! この敵と戦うにはどうすれば良い!? 思い出すんだ! 一秒でも長く生きて、少しでも敵の情報を集めないと――)
『うーん……。結局のところ、アサシンが襲ってきたらクリアさんならどうするんです?』
『とりあえず敵がアサシンだと思った段階で、真正面から一旦攻撃を凌ぐことに全力を尽くすかな。短期決戦ってことは、ピークを過ぎたらこっちのターンになるってことだからな』
(ち……違う! これは“今の環境のアサシンに対してクリアさんが出す答え”だ! オレの場合は敵に“向き合おうと考えるのが間違い”なんだ! 向き合うんじゃなくて、逃げないと――時間を稼がないと駄目だ!)
剣を持っていた手の痺れが抜けずに上手く立ち上がれない。
這いずるように地面を移動する。
(チクショオ……情けないッ! 追いかけておいて死ぬまでの時間を、延ばすことしかできないだなんて……)
逃げる姿は無様で、格好が良いとは到底言えない。
しかし――似たような出来事を過去に既に一度経験した身。
絶望的な過去の戦いを思い返して、レットの中で不思議と闘志が沸き上がる。
(だけど――あの岩窟の時だってそうだった。まだだ……もっと理不尽な目にあっても、ギリギリで乗り切ったじゃないか! ここで――ここで倒されてたまるか! この程度のピンチなんて――這ってでも乗りきってみせる!! 冷静になって考えるんだ! “オレの勝利条件は、戦いに勝つことじゃない!” オレは――オレなりの戦い方をやるだけだ………………待てよ? “オレなりの戦い方”――)
『一撃必殺のビルドが成り立たないっていうのはわかりますけど、弱いプレイヤーを“護衛が来る前に一撃で倒す目的で”そのビルドをやってくる人とかって居そうじゃないですか? オレの場合、当たり所が悪いと一発で死んだりしません?』
『……あ~悪い。これは俺の目線でのアサシンとの戦い方だったな。初心者のお前なら“火力が足りない一撃必殺ビルド”でもそれなりに脅威っちゃ脅威だな。一応念のために教えておこう。ステルス状態の襲撃者を見分ける方法としては、周囲の音や臭い、空気や地面の動きを“観る”ことが大事だと覚えておけ。自分のキャラが弱くて、ステルス状態の上級者がやってきたら俺はとりあえずそれをやるかな』
(観ること……観察すること……)
レットは、岩に手をかけて何とか立ち上がる。
それから岩の裏に迂回し、インベントリーから受け取ったのに返却し忘れていた望遠鏡を取り出して、自分が襲撃を受けた二箇所の地面を凝視する。
両方の場所には襲撃を受けたレットから逃げるように、点々と足跡が残っていた。
(足跡は一つ、敵は一人しかいないように感じる……。敵は二人組じゃないんだ! だけど――)
しかし、レットは死壊層のPKであるという疑念が“逆に湧き上がる”。
なぜなら、レットが立っていた――襲撃を受けた場所の“背後側”には、敵の一切の足跡が残っていないからだった。
レットは今まで見てきた光景を思い返す。
(変なんだ……デモンを攫った時も敵が襲ってきた時も、透明化するステルスどころじゃない! “接近の事実自体が全く分からなかった”。敵は対象に接近するときに“地面の上”を移動していないのか? まさか――宙を舞っていたり、長距離の瞬間移動をしていたってことなのか!? そ……そんな馬鹿な……)
情報がもっと欲しいと思った。
もう一度――今度は接近してくる瞬間を見れたら……。そう思ってレットは鈍く光る金色の筒を仕舞ってから周囲を見張る。
(考えろ……次に敵はどの方向から来る? 今までは……どこからやってきた? 接近してくるとき……敵は姿を見られないように立ち回っているんだ。だから――つまりこの場合は……オレの視界の外から――)
――気づきと同時に、すぐに振り返る。
ほんの僅かな時間の後に――何もない空間から、必殺の刃を構えた幽鬼が突如顕れる。
レットは咄嗟に岩を蹴って真横に倒れこむが、間に合わない。刺突が空を切って目の前に迫ってくる。
(駄目だ――攻撃の精度が上がってきている――避け――)
脳の信号を無視して、あり得ない角度にまで身体を捻じ曲げる。
鋭利な刃が脇腹を切り裂き、体から噴き出た血が周囲に飛び散る。
身体の力が抜けていく。
「あ――う――――――――――――――」
しかし――声は出る。
つまり、まだ――身体は動く。
動けるのならば――立ち上がれる。
「ゆ――き……………………」
舞い降りてくる雪に向かって手を伸ばしながら、レットは呟く。
「空気の……動き……“雪”だ――」
(敵が……来る方向を予測できていたからわかった――“舞っていた雪が、接近してきている敵には当たっていなかった”――――――敵が何をやってきているのか……わかってきたかも。でも――どういう原理でそんなことをやれているのかが、オレには全く分からない――)
レットは脇腹を抑え、血を地面に零さないようにしながら、自分の身体を引きずるように“自分の足跡を辿る”。
足跡を残さないように途中にあった別の岩を飛び越えて、その裏側に隠れる。
『例えば視界の悪い雪などの局地戦だと、足跡を見て敵のいる場所の目星をつけることができるわけだが、もちろん相手もそれをしてくる。視界が悪いときは自分の足跡を踏んで移動するだけで相手を“だまし討ちできる”から覚えておけよ』
既に何度も襲撃を受けている相手に対して、そんなことをやる意味があったのか定かではない。
しかし、敵の攻撃力は圧倒的かつ一方的。
あまりに理不尽的な暴力の前に、レットが取れる対抗手段はほとんどない。
これは彼ができる彼なりの最良の行動だった。
レットは沸き上がる倦怠感を忘れようとするかのように、大きく深呼吸をする。
極限状態で――否、極限状態だからこそ極限まで思考する。
敵から攻撃を受けたのはこれで三回。
(なんでもいい……考えるんだ! 敵の襲撃に違いはなかったか? 一回目の襲撃を受けた時、オレは立ち止まっていて、攻撃を避けれたのはオレがコケたからであって――ただの偶然に近かった。二回目の襲撃の時には、オレは走っている途中で、敵は俺の目の前に突然出てきて対応が遅れていた……。三回目の襲撃の時は、オレは様子を見ようと立ち止まっていた……結果的に致命傷を受けてる……)
岩の陰からほんの僅かに様子を見る。
いつまで経っても、敵が襲ってくる気配がない。
(“こっちが動いていないときが敵の思う壺”ってことなのか? デモンが攫われた時も、当然デモンは動いていない。座ったままだった。もしかして――敵は常にこちらの位置を把握しているわけじゃないのか? オレの足跡を見て、居る場所の“目星をつけてから一瞬で襲って一瞬で逃走している”。そんな接近が、今のアサシンにできるはずないのに……)
手のひらから、抑えきれなくなった血がゆっくりと雪を染めていく。
(死壊層を移動しているプレイヤーやPKK達が、何もわからないまま皆殺しにされている理由が今なら納得できる……これだけ運よく生き延びれても――結局、敵の戦い方が……謎の正体が全然わからない…………強すぎる……! 今、こうやって死にかけの状態でいられるだけで奇跡だ……。この敵を前にしてオレがまだ死んでいないのは、“時間稼ぎを考えていて最初から倒せるなんて微塵も思っていないから”だ! もしも、こんな奴にまともにやりあおうとしたら、何もわからないまま殺されるなんて当たり前だ――こんなの――誰も勝てっこない! きっと『アサシンに対しては立ち向かう』っていうセオリーを知っているクリアさんでさえ――いや……セオリーを知っているからこそ倒されてしまうんじゃ……)
唇を強く噛む。絶望感が再び自分の体を支配していく。
(駄目だ……後一歩、今のオレのゲームの知識だけではこの敵の正体がわからない! もう何もヒントになるような情報が浮かばない!)
『――おい、レット。聞こえているか?』
それは敗北を確信して流れる走馬燈のような物だろうか。
回想が再び、自然と思い返されたように感じた。
クリアの声が鳴り響いている――
《おい、レット――聞こえているか!? 返事をしてくれ!!》
――頭の中の回想ではなく……チームの会話で。
閉じかかっていたレットの目が見開かれた。
《ク、クリアさん!! すみません……オレ――敵にデモンを攫われて、今――追跡してるんです! 下の雪原を進んだ先で……戦闘中です。座標は(D-13)》
《なんだって!? すぐに向かう! 一体、何があった!》
《敵のやってくることがわからないんです! 敵がアサシンで――ステルスを使っている――そこまではオレにも何とかわかりました! でも、無理だって教えてくれた一撃必殺のビルドが成立してしまっているんです! この敵には……アサシンっていう職業のスキル以外の“何か”がある! 突然なんです……突然、敵が目の前に現れて……逃げる時にだけステルスを使っていて――だから敵の姿がずっと、ほとんど何も見えないんです! 逃げる時の足跡しか見えない!》
《今、雪原に降りた。敵とお前の足跡も見つけたぞ。その敵の対処は走りながら考える! 他に何か情報はないのか!?》
《後は――攫われた時もそうだった! クリアさんの設置してくれた罠に、敵が一切ひっかからなかったんです! 足跡が残らない瞬間移動みたいなことをしてくるんです!! それと多分……敵はこっちが足跡を残さない限りは……オレの居る場所の完ぺきな目星がついていない! まるで――まるで、別の次元を一度潜った敵が……目の前に飛び出しているみたいなんだ!》
《…………………………》
チームの会話から返事は返ってこない。
レットは自分自身が意味不明なことを言っている自覚があった。
クリアに対して、"自分の失態の言い訳をしようとして嘘をついている"。そう勘違いされかねない発言をしていると思った。
《――う……嘘じゃないんです! 信じてくださいクリアさん――本当なんです! 確かにオレはとんでもないミスをしたかもしれないけれど――》
《いや、お前――――――レット。……やるじゃないか! 敵の話を聞いてピンと来たぞ。お前が謝る必要な微塵もない。いや――むしろその敵相手に……ここまで情報を集めるだなんて大金星だ。おかげで――――――――――“敵の正体に気づけたかもしれない”》
レットは、クリアの声が鳴り響いている自分の頭を疑った。
《えぇっ!? 今の、オレの話だけでわかったんですか!》
《これはあくまで一つの可能性だし、不明瞭な部分もあるが。しかし、その敵の挙動を実現する方法を……俺は知っている。レット、このゲームで――――――――“データの送受信を切断された時”に何が起きるかわかるか?》
レットは自分の家に置いてあるVRゲームの稼働機材を思い返す。
《データの送受信を切断するって、通信の接続が切れちゃうってことですよね。ゲームから“ログアウトした扱い”になるんじゃないですか?》
《無印の後期では即視界が暗転して、『接続が切断された』というエラーメッセージが出ていた。だが、リニューアル後は違うんだ。フルダイブに移行するにあたって、いきなりゲームが暗転することの心理的抵抗を鑑みてか、切断をした直後に“回線が正常に復旧されるか、ログアウトするべきか”の判定を行う“猶予のような空白の時間”が用意されるようになった。時間にして最長で五秒程! 可笑しなことに、このゲームでの“切断行為”は結果的に一周回って一昔前のゲームと同じような仕様に戻ってしまっている。つまり、回線を切断しても即座にゲームからログアウトされないんだ。それが開発者の意図的な物かは定かではないがな!》
《えっと……つまりクリアさんは、敵が“回線を一瞬だけ切断して戻している”って言いたいんですか!? そんなことをして何の意味があるんです!》
《回線を抜いている間にキャラクターの座標を移動して、そして移動後に回線を戻す。そうすることで、サーバー側のデータの処理が遅れるから、キャラクターの位置座標も遅れて反映される。つまり、回線を抜いている間だけ敵は数秒間だけ使える“独立した、自分以外の時間が止まっている固有の世界を持っている”ことになる!》
《もしそれが本当なら、む……無敵じゃないですか! 切断している間に一方的に動けて相手を攻撃できるなんて――どんなプレイヤーだって倒せてしまうんじゃ――》
《いや、全然無敵じゃない。ゲームの情報を管理、処理しているのはあくまで“サーバー側”だ! 時間が固まっている世界において、プレイヤー側が扱える管理対象外のデータは“自キャラクターの座標だけ”なんだ! 要するに『敵は切断中に移動しかできない上に、向こうから見たレットの位置は切断した瞬間の座標に固定されてしまう』。つまり、攻撃を開始するにあたって“目星をつけてから回線を切断する必要がある”!》
クリアの言葉を聞いて、レットは今までの敵の動きを咄嗟に推理する。
殺害対象の位置を確認すると同時に回線を切断し、“足跡を付けず”に移動する。
敵の視点からすれば、眼前には『動かない状態の殺害対象』が立っている。
大凡の位置を予測して、回線を戻して攻撃を行い、ステルスを使って普通に“足跡を残して”即撤退する。
(そうか……切断している間、敵は“独立した。自分以外の全てが止まっている世界を持っている”。切断している間にオレが移動していると“予測がズレる”んだ! 回線を戻したらサーバーとキャラクターの位置情報が再び接続されるから、敵からもオレが一瞬で動いているように見えるのか! だから、つまり――この敵はアサシンのセオリー通りに対処しようとして“立ち止まったら逆に危ない”。『動いていた方が安全』なんだ! だけど、待てよ――クリアさんの推理には何かが抜けているような気がするけど――)
《だがな、どうしても気になることが一つある。それはこのゲームが“フルダイブ”だってことだ。つまり、自分でタイミングを計ることは愚か、そもそも“回線をゲームプレイ中に切断することができない”はずなんだ。この俺の推理はあくまで仮説止まりで実現が不可能なんだよ》
(タイミングを計れないどころか――切断もできない? 果たしてそれは本当なのか? いや…………待てよ!)
突然レットに沸いたその天啓は――ある意味で必然だったのかもしれない。
レットの刻まれた体験が、再びその人物の言葉を思い返させたのだった。
かつてクリアの知識でもあと一歩、事件の真相にたどり着けなかった時。
そして、レットが岩窟で例の敵と相対して絶望的な危機的状況に陥った時。
いずれも少年をギリギリ首の皮一枚で“本意ではなくとも救ってくれていた”のは果たして“誰の情報”だったのだろうか?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
『あの野郎、ちょっと前のアップデートでもやらかしたんだぜ? ゲームの配信機能を試用って名目で特定のプレイヤーにだけテスト解放しやがったんだ』
『配信機能って……いつの間にか追加されていたんだ』
『そうだよ。フルダイブ実装の時、あんだけ批難殺到したのに無理やりねじ込みやがった。今の段階では【身近な人間】に対して配信できるだけみたいだが、録画して世界中に公開できるようになるのも時間の問題だな』
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いつもそうだった。
何の気なしの優しさの欠片もない、皮肉屋の情報は役に立っていた。
――小さな気づきが勝利に繋がっていた。
《ありますよクリアさん! このゲームで、“外部からプレイ画面を確認する方法”が一つだけあります――ストリーム機能だ! 最近限定的にテスト解放されたって、ベルシーが言ってたんです! あれって――身近にいる人間限定で、ゲーム中の映像を外部から確認できるんじゃないですか?》
チーム会話でクリアの息を呑む声が聞こえてくる。
《そうか、配信機能の話は聞いたことがあったが――テストはもう既に始まっていたのか……。なるほどな……頭の中で点と点が線で繋がったぜ。つまり、敵のゲームプレイを、今まさに『現実で第三者が観測している』ってことか。有線だろうと無線だろうと、敵がゲーム内で行う何らかの合図と同時に隣でゲームプレイを観測している人間が回線をぶっちぎっているわけだ。“奴ら”は二人で組むことで隔絶した世界の中から攻撃を仕掛けてきている!》
レットはインベントリーからぐしゃぐしゃになった羊皮紙を取り出す。
新聞の記事にぽつぽつと雪が降り、注視していた項目の一部分を湿らせる。
《そうか、レットの情報で、新聞の記事を思い出したぞ!》
《オ……オレにもわかりました。だから、この敵は一人なのに――》
《《“自称”二人組なんだッ!》》
二人の声が一つに重なる。
今、相対している敵と同じように。
《100%の確証はないかもしれないが、決め打ちするぞ――一か八かだ。俺は、もうまもなくで到着する! もしも俺たちの推理が正解なら、敵を倒すことができるはずだ! “俺達が謎の正体を知っている”ということを敵に感づかれたら、おそらく敵は二度と俺達に付き合わないだろう。だからこそ、このまま一回の攻撃で決着をつけるぞ!! レット、奴の居場所がわかるか!》
クリアの指摘を受けてレットは慌てて岩から僅かに身を乗り出して、再び様子を見る。
敵が残した足跡を頼りに相手のいる場所の目星をつける。
(敵が最後にステルスで後退した足跡を見るならば――奥にある岩だ。あの岩の裏にヤツが居るってことになる……! でも、妙だ。オレがここに隠れてから大分時間が経っているのに、あれから一度も襲撃をしてこないだなんて――そもそもオレの体力の減り方を見たら、装備を偽っているわけでもないただの初心者だってことはわかっているはずなんだ! すぐ襲撃に来てもおかしくないのに、一体どうして――)
その不安が的中したことを、レットはマップを見て即座理解する。
《――うわ……まずいです! 敵はすでにデモンを抱えて再度動き始めている! オレの足跡が消えたから、目星をつけられなくなって“今後の指針”を考えていたんだ!》
《なんだって!?》
デモンを抱えたまま逃げられるという選択肢は今のレットにとって論外。
もしも黒幕と繋がっているのなら、この敵は何としても逃がしてはいけない。
倒さなければ――情報を得なければならない。
それは――覚悟を決めたレットの咄嗟の判断だった。
「「こっちだ! かかって来いよッ!!」」
レットは全力で叫んで、岩陰から飛び出してあえて敵の居るであろう方向に対して背を向ける。
マップ上のデモンの位置座標がぴたりと動かなくなる。
《レット。今の声は――》
《――クリアさん。もう時間がありません! 敵は逃げたがっている。今、“オレ自身を囮にしました!” 敵はこの後、オレを狙って“切断”してから接近してきます! オレの立っている位置から“切断で移動できる時間”を逆算して、切断している途中の敵を攻撃してください! 目印は――》
敵に背を向けているレットは前を見据える。
目に映るのは自分がここに来るまでに残していた足跡。
《ここに来た時のオレの足跡がまだ真っすぐ残っています! 敵はその直線上から――オレの真後ろに来るはずだ!》
《む、無茶なことを言うが……アドリブで合わせてみせる! ちょっと到着が間に合わなそうだが。だからこそ、久しぶりに――“とっておきの秘密兵器”だぜ!》
直後に、前方から“何か”が空気を切って接近してくる音がする。
自分の身体の真横をクリアによって投げられたであろう槍が飛んでいく。
それを見てレットは目を瞑る。
敵は背後から来る。
不要な情報をカットしながら、レットは防御のスキルを全て発動させた。
次の一撃を止めるために。
敵を逃がさない為に。
高速でクリアの身体が飛んでいく音が聞こえ、突然――背後の空気が動いた気配がした。
目を見開きレットは振り返る。
クリアと入れ違いになった暗殺者の必殺の一撃がレットに突き出される。
(駄目だ! 失敗だ――クリアさんは切断する前の敵を捉えられなかった!)
《――――――――捕まえたな》
襲撃者の動きが一瞬止まり、その視線が足元に行く。
その右足を玩具のようなトラバサミが挟んでいた。
(クリアさん――い、いつの間に! オレの真横を通り過ぎる一瞬で置いてたのか!?)
「お前が“回線を戻す場所”がわかるなら――万が一の“保険”もかけられるってわけだ! やっぱり俺達の推理は正解だったな。ゲームから切断して、隔絶した世界の中に居たお前には……この罠が一切見えていなかったはずだ!」
大声を出しながら、クリアが襲撃者の後ろからレイピアを構えて全速力で接近していく。
(急いで敵から距離を取るんだ! 一歩でも後ろに、早くっ!)
襲撃者は一瞬背後のクリアに気を取られた。
しかし再び足元を見遣り、即座に解除された罠を確認する。
一瞬の迷いの後に顔を上げて、自分から離れようとするレットに対して再び右手を構えて攻撃を繰り出してきた。
時間が凝縮され、止まったようだった。
クリアがレイピアを持った腕を限界まで伸ばして、敵に肉薄する。
(このままあっさり倒されて、コイツに逃げられるわけにはいかない! この攻撃はこのままオレが受け流すべきだ! これは焦って放たれた、意思の無い“死んでいる剣”! ――見える――軌道自体はギリギリわかる!)
レットは残された剣を両手で持ち、構える。
(でも、早すぎる! 今のオレじゃ、ぎりぎり……受け流せな――)
クリアが手を伸ばすことで、その手に握っていたレイピアが眼前の敵の胸から飛び出す。
レットに対して突き出された敵の攻撃の速度が、ギリギリで半減された。
半減されて尚、圧倒的な速度と長さの“射出される死の斬撃”が迫ってくる。
「ウ――――――ォォオオオオオオオオオオオオオ!」
レットは叫びながら全力で敵の一撃を両手で持った銀の剣で攻撃を受けた。
熱い火花が散って、降り注ぐ雪を解かす。
レットの身体が再び宙を舞って、背後の地面に無様に転がる。
レイピアが突き刺さっているが故か、敵は右手を突き出したまま、その場からそれ以上レットへの追撃をしてこない。
「――予想は、当たっていたな。このチートこそが、そのままお前自身の弱点となる。回線を抜いている間は俺が罠を置いたことも、レットがスキルを使って全力を出していたことも、お前には全くわからなかったはずだ。このタイミングで切断した時点で、お前の敗北は決まっていた!」
レイピアが背中から乱暴に引き抜かれそのまま宙を舞う。
同時に曲剣の斬撃の音と、緑色の光が走る。
クリアが敵の真横を通り抜け、飛ばされたレットの隣で雪をブレーキに身を屈めて停止する。
「――“俺達の勝ち”だ」
クリアは振り向くこともせず、微動だにしないままそう呟く。
同時に、時間差で敵の身体に赤い線がゆっくりと――しかし次々と刻まれていく。
だらりと垂れた襲撃者の袖から、射出式の鋭利な刃が地面に落ちる。
思い出したかのように大量の血飛沫が周囲にちぎれ飛びぶ。
地面の白を派手に汚して、敵は斃れた。
【Battle Result】
《メンバーの状態》
レット 瀕死
クリア 無傷
タナカ (おそらくまだ)就寝中
デモン 昏睡状態(原因は未だに不明、まもなく起床予定)
ワサビ 実はずっとチーム会話に居たが――後に空気を読んで黙っていたことが明らかになった。
《得たアイテム、ゴールド》
・敵の首級
・交渉材料【敵の不正行為】
【一時的回線切断】
本作における回線切断のルールや、実際に行った場合にどのような現象が起きるのかを記載。
①切断している間、自キャラクターの座標データのみを動かせる。(切断中は、自由に触れるオブジェクト、他者、自己へのアクションは一切できない。あくまで可能なのは移動のみ)
②切断している間、地面はキャラクター移動の影響を受けない。(地面の処理はサーバー側で管理しているが後から処理が適用されない。途中をすっ飛ばしている扱いになるので、足跡が残らない。トラップを踏まない)
③切断“前”にデバフを受けている場合は切断中も影響を受ける。
④切断中に移動阻害のデバフを受けた場合、回線復旧時に初めて移動阻害の影響を受ける。(つまり、瞬間移動自体は問題なく行われる)
⑤切断中は(本人の画面では)バフ、デバフの効果は消えていない。(効果時間のカウントはユーザー側で管理されるがバフ、デバフの消滅処理自体はサーバー管理。効果時間がゼロになる前に切断することでバフが消えずに効果時間を延ばせるが、他者、自己へのアクションは一切できないのでほとんど意味がない)
⑥切断中は(本人の画面では)HPの処理が行われない。切断後に一気に計算される。切断中に戦闘不能になると、回線を戻した時に死体の座標が転送される。
⑦移動速度上昇系のバフを受けて、効果が切れる寸前に切断すると、バフの時間が延びる(バフ消滅の処理が行われない)為、通常より長い距離を移動できる。
⑧切断中に行われた他者のアクションは一切わからない。(わかるのは切断した瞬間の他者の位置座標のみ、相手の魔法は詠唱中のまま止まり詠唱のエフェクトだけが流れ続ける)
⑨切断時間が長すぎたり連続で切断した場合、復旧不可能な切断扱いになる。(強制的なログアウト処理が行われる。こうなると隙だらけになる)
例:切断前に毒を受けた。→本人の視界ではデバフのマークだけが確認でき、回線復旧時に一気にHPが減ったように見える。(他プレイヤーからは通常通りに見える)
切断中に毒を受けた。→本人の視界でもデバフのマークは確認できないが、回線復旧時に毒のデバフエフェクトが発生して一気にHPが減ったように見える。(他プレイヤーからは、毒を受けた瞬間に動かなくなってHPの減り続けるプレイヤーが見える→突然瞬間移動する)
敵の行っていたことについて。
デモンを攫った際は、二人を発見→切断してトラップを避けて音も立てずに急接近→デモンをステルスで連れ去る。
戦闘時は、レットの位置に目星をつける→切断による転送→攻撃→ステルスや移動速度上昇スキルによる安全な高速離脱。
「何でクリアさんが敵の正体を理解できたのかわからないけれど……今はそんなことより――この敵に聞くべきことが沢山ある!」
【一進一殺】
アサシンのスキルである『ステルス』中のたった一撃に全てを掛けた一点特化ビルド。
ゲームバランスの観点で見れば、「一撃で倒されてしまう」という概念は理不尽極まりないもの。
それ故にアサシンはどれほど威力に特化してもたった一撃で相手を葬ることは難しくなるようなバランス調整がされている。
このビルドはその理を歪めるために、攻撃以外のありとあらゆる要素をかなぐり捨て一撃必殺を実現したもの。
それだけでは火力が足りず、ステルスの時間を短くしてまでステータスリソースを攻撃に割くことでようやく一定レベルのプレイヤーに致命傷を与えられる。
結果として、ステルスは行きと帰りの両方に使うことができなくなっている。
一度行動を起こせば、"すぐにステルスが切れて隙を晒した自分が死ぬ”。これでは使い物にならない。
防御に長けた相手や対複数人では後が続かないため現環境では使われておらず、せいぜい初心者を不意打ちで倒せる程度。
今後も環境が変わらない限り、使われることは無いと思われる。
『キャラクタービルド考察ブログ! 一進一殺ビルドで相手をワンパンしちゃえ!(※現行のバージョンではあんまり使えません)』
【“一切”一進一殺】
『死壊層の二人組』が設計し使用した、欠点だらけの上記のビルドを不正な方法で改良したもの。
本来は一進一殺の所に、理を断ち切り次元を独立させる邪悪な“一切”が入っている。
即死ビルドの弱点である『接近するまでのステルスの時間が短すぎる』『行っても帰ってこれない』と行った構造上の弱点を
回線を一時的に切断し潜水状態のように接近した後に戻すというワンセクションを入れるだけでほとんど解消してしまっている。
対アサシンのセオリー取ってしまうと敗北する辺りも、悪辣極まりない。
それに加えて、回線切断の原理を把握できていないと何がなんだかわからぬうちに敗北してしまう。
今回彼らの攻撃をいなしてレット達が勝利できたのは――
①レットが追跡をしていながら、勝てるとは思っておらず最初から時間を稼ぐ腹積もりで居たこと。
②潜水状態で行動をし過ぎて無駄な時間を使いすぎたこと。
③天候が悪化し、山の上層には常に雪が降っていたこと。
④駆け付けてきたクリアが戦いの場に居もしないのに、“なぜか”原理を見破ってしまったこと。
⑤そもそもクリアが最初から同伴していなかったこと。(同伴、もしくはクリアが闘った場合、対アサシンのセオリーを真っ先に行ってしまい戦闘不能になっている可能性が高い)
⑥看破されることはないと、敵が切断に頼り過ぎたこと。(実際は戦法どころか、構造上の弱点を突かれて罠を踏み、攻撃をいなされた挙句に戦闘不能になってしまった)
――などが挙げられる。
切断に拘らず、早期の段階で真正面から攻撃を仕掛けていれば“彼ら”は確実にレットを倒せていただろう。
「それにしても恐ろしい敵だったな。 やり方は規約やモラルに違反したものだが、今までに俺達が対峙した敵達とは、また別のベクトルで強敵だったことは間違いないだろう」




