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形のないアレ

作者: 超カブト

男はモテませんでした。

しかしいつも隣には同じ女性がいてあの時は実はあなたに好意を寄せる人がいた、あのときのあなたの行動で誰かがあなたを気になっているといっていたなどと男をいつも持ち上げていました。

そのおかげで幸せなことに男は自分がモテていないことに気づかないのでした。しかし男は高望みばかりしていていつも隣にいる女性のことは少しも見えていません。

いつしかいつも隣にいた女性は男から離れていきました。


ある日男は女性が知らない男性と歩いているのを見かけました。女性と男性はとても楽しそうに話をしていました。


男は初めてかつて自分の隣にいた女性のことを考えました。

自分が今まで寂しくなかったのは彼女がいたからだったのだ。

彼女はいつも自分が自信を失いそうなときに助けてくれていたのだ。そのことに気づいたのです。


男は好きだと彼女に伝えようと思いました。ですがあんなに幸せそうな彼女を見ることは今までありませんでした。彼女の表情を見るのが辛くなりました。

その日の晩に男は電話で告白することにしました。コール音が五回ほどなって彼女が出ました。

彼女の声はなんだか嬉しそうでした。彼女に理由を聞くと気になっていた人とデートができたとのことでした。

男は辛くなって黙ってしまいました。彼女はそんなことは知る由もなく男になぜ電話してきたのか尋ねました。男は間違えて掛けたと嘘をついて電話を切りました。


男は切り替えが大事だと前向きに考え女性が以前話していた自分に好意を持つ女性を探すことにしました。

しかしいくら考えてみても自分に好意を持つ女性を思い浮かべることができませんでした。

そこで男は気づきました。自分はいつも彼女といたことを。彼女以外の女性と関わったことなどほとんどなかったのです。彼女がいつも言っていたことはすべて彼女自身のことだったのです。

男はそれからは彼女の目を見て笑顔で話すようになりました。

彼女と親友と呼べるほど仲良くなることができたのです。


彼女に彼氏ができても彼女が結婚しても男は仲のいい友人であり続けました。


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