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葵将軍
「初めまして。お嬢さん。わたしは葵家和といいますよろしく」
「久しぶりだな、葵。もう将軍か?」
「ああ、一昨年父上が亡くなったからな」
将軍と言うことは一番偉い筈の王ではないのだろうか?
「勘違いするなよ。蝶。将軍イコール王と同じようなものだからな」
「ばれました?」
でも、正直心を読まないで欲しい。
と言うか読めるのか。わたしはそんなに単純だろうか?
「蝶の事を愛しているからだよ」
「わたしは愛していませんからね。竜樹様」
「えーと。わたしがいるの分かってるかい?」
ごめんなさい。葵将軍がいたの忘れていました。ついつい竜樹様と二人きりの時と同じ感じで話してた。
「なんともあれ此処は四季折々。時によって時間によって様々な姿を見せてくれる。大したおもてなしはできないがどうか楽しんでいって欲しい」
葵将軍は此処……大和の事を心底好いていることだろう。わたしみたいな半端な愛国心の持ち主にとっては眩しい方だ。
ともあれ、此処の四季と言うものに興味はある。
何か此処は……大和でわたしに新しい観念をもたらしてくれそうなそんな雰囲気が此処にはあった。




