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姉と妹

「あら、大姉様。私を忘れたとは言わせないわよ?」

 其れは、わたし官吏になる時に生き別れた妹……叉喜さきだった。

「叉喜……。久し振りね……。」

 わたしには生家の家督を叉喜か美笠みかさに継がせることとなってしまったという負い目がある。あの、呪われた周家の家督を。

「本当にお久しぶりです。大姉様はご存じのようですけど一応紹介しておきますね。りん弓牙きゅうが。私の夫です」

 まさか……そんな……。

「弓牙。貴方あの呪われた家に……」

「あら、私は母上のように父上を道具としてなど見ませんわよ。大丈夫。母上は一昨年の冬に亡くなっておりますから」

 わたしの知らない間にお母様は……あの女王様は亡くなっていたらしい。

「其れは御愁傷様です」

 お母様が居ないほうがたぶん周家は良い方向に行く。お母様は周家の男の人を護衛者として低く扱った。わたしのお婆様に当たるらしい先の周家当主は周家の分家の没落を促進させた……らしい。

「私はそのような事は断じてしません。周家の女性の当主制は私の代で終わりです。次期当主には男性を押します」

 ならばわたしは……

「わたしは貴妃として、周家を支持致します。存分におやりなさい」

 其ともう一つ。叔母上のことも伝えておかねばなるまい。

「叉喜。叔母上が……皇后様が5年前亡くなったのは公式発表で知っていると思う」

「ええ。私ほとんど会ったことは御座いませんでしたけど……。御愁傷様でした」

「遺言が御座います。今後わたしを除き周家から皇后をだすな……と」

 叉喜が怪訝そうな顔をした。

「大姉様を除いて……?」

「ええ。わたしにとっては不本意ですが。わたしは近い内に皇后になるそうです。叔母上の予想ですがたぶん当たるでしょう」

「分かりました。周家当主としてご遺言を守ることをお約束致します」

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