39/70
夢から覚めて
まぶしい。
「お嬢様?直ぐに旦那様を呼んで参りますね」
斎花は変わっていた。髪型も、体格も。一体わたしはどれくらい眠っていたのだろう?力が入らず起き上がれない。
「蝶?」
「竜……樹様」
声が上手く出ない。長い間声を出していなかったせいか。
「蝶あれからどうなったのか分かるか?」
わたしは反乱を鎮圧した後、竜火様に報告をしようとして其れから?其れから……。
「わからない……」
「蝶は父上への報告をしている途中で倒れた。原因は毒だ。5年間眠っていた」
5年……。わたしは気がつかないうちに25歳に成っていたようだ。
「お嬢様、一つ言うことを忘れております」
「……ただいま。迷惑をかけてごめんなさいね」
「はい、お帰りなさいませ。お嬢様」
「嗚呼、お帰り。蝶」
取り敢えず体をきちんと動かせるようにしないとな……。流石に前のようにはいかないか。
「蝶様~」
「凪?」
「はい、凪です。心配しました。ご無事でよかったです‼」
「ありがとう」
こうして戻ってきたわたしだったけど、大切な人を失うなんて考えもしなかった。




