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竜岳の反乱……その根本
わたしは凪と錘斜をその場に残して元の陣営に戻った。本当は凪を陣営まで連れて来なければ行けないが其れでは時間が足りない。錘斜は同期の官吏試験の4位。相当の手練れのため此処まで来るのは容易いだろう。
「胡蝶様、戦闘の準備が整いました。瓦南
がせめかかってきてから兵を動かす許可を頂きとうございます」
「許可します」
其れから一時間。邑将軍がどうなってるのか、瓦南がどうなったのか。全くわからないまま只時間だけが過ぎた。
「もう一年早かったらわたしも戦闘に参加していたのよね……」
独り言を言ってみるものの答えてくれる人はいない。
さらに一時間後。
「凪さん、着きましたよ」
「はぁはぁ、やっとですか」
「お帰り、戦場だから大した食べ物無いけど食べときなさい」
「ありがとう、ございます」
さらに一時間後。
「胡蝶様、瓦南を捕らえました。お越しいただければ」
「分かりました。参ります」
猿轡を噛まされている男が一人いる。瓦南風雅。今回の主犯その人である。
「貴方が瓦南風雅ね。わたしは今回の行軍元帥の周胡蝶です。死ぬまでに一つ。貴方は何で反乱を起こしたの?」
「知らねーよ。兄貴に言われたからな」
「その兄とは瓦南風烈で間違いないですね?」
「ああ、そうだよ」
首を切る直前、わたしの首筋に一瞬鋭い痛みが襲った。直後、瓦南風雅は絶命した。




