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竜岳の反乱……出陣

その日の朝は折しも快晴であった。嗚呼なんて数奇な運命なのだろう……。


「お嬢様、そろそろ時間です」

いつもの通り斎花が呼びに来る。違うのはいく場所。

「そう。宮を、後宮を頼みます」

「畏まりました」


何故平和な中で反乱が起こるのだろう?その問を、もはや何十回にもなる問を心の中で一人ごちる。

「邑将軍」

かつての同僚だった人の名を呼ぶ。もう近い存在ではないその人に。

「胡明……?や、そんな筈は……」

やはり貴方はかつてのわたしの名を呼ぶの。捨てた筈のその名を。

「わたしは周 胡蝶です」

かつての名を名乗れないようにわたしは変わってしまった。

「……っ、此れは失礼を申し上げました。かつての同僚にあまりにもそっくりだったものですから」

やはり貴方もあの時のことを覚えている。

「誰が反乱を起こしたのは誰なのですか?報告を」

「はい……。今回反乱を起こしたのは瓦南がなん風雅ふうが。半年前に起こった事件で自殺した瓦南風烈の弟と見られます」

覚えてますよね?というように挑発した目でわたしを見てくる邑将軍に何をいって良いのか分からなかった。

「……続きを」

「瓦南は……人質を取っています。現在分かっている人質はきょう雅豊がほう様とその娘のなぎ様、其れにてい砂玖さくと名乗る女です」

「そう……。厄介なことに成りそうね」

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