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入内
この年、後宮は騒然となった。長年女性に興味を抱いてこなかった皇子 翠 竜樹が自身の後宮に周 胡蝶を入れた。
四夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻の内貴妃の身分を授かり後宮に入っていった。王 翠 竜火の後宮にいる現皇后周氏と区別するために此から彼女は蝶貴妃と名乗ることとなる。
「わたしが貴妃ねぇ……」
「お嬢様、貴妃たる方はそんな溜め息なんてつきません」
「そうはいっても。斎花。わたしずっと官吏だったんだもん。絶対お茶会とか柄じゃないよね」
「胡空様もお嬢様が後宮入りするだなんて思って居なかったと思いますよ」
この乳兄弟斎花は色々言動が容赦ない。しかし有能だからという理由でわたしの筆頭女官としてお父様につけられた。
「確かにね……」
「それよりお嬢様。この宮は貴妃の宮ですけど女官が圧倒的に足りません。私一存で決めてもよいのですけど……。どうします?」
「斎花の一存で決めて。貴女の選んだ人ならいい」
「畏まりました。手配します」




