事件
瓦南風烈。わたしが官吏になった時に一緒に任命された内の1人らしい。正直覚えていない。そんなに注目するような人では無かった。官吏試験でもそんなに高い順位では無かった。兎に角目立たない青年だったらしい。裏で軍部を荒らし、問題視されたこと以外は。問題視されて居たものの実家が権力を持っていて辞めさせることが出来なかった……らしい。
邑将軍に最低限の瓦南 風烈についての情報を聞き出した私は夜闇の中を疾走する。
しかし……
「申し訳ございませんっ」
人とぶつかった。
「そなた、瓦南の関係者かっ」
「邑将軍それでは脅しになります。お嬢さん御名前は?」
「は、はぃぃ。わ、私は丁砂玖と申し上げます。姜雅豊様の御屋敷にて侍女をしております」
「瓦南という人を知っていますか?」
「申し訳ございません。その方に心当たりはございません」
「そうか。協力感謝します。行きましょう邑将軍」
また、走り出す。本来の目的に向かって。
「場所は此処で合っているよな?」
「はい。此処のようですね。入りますか」
そこには……
瓦南風烈の死体のみ。
「誰か報告を」
「はい、死亡時刻はつい先程。最後の言葉を……お聞きになりますか?」
「ああ」
「我の望みは我の弟が叶えるだろう……しかし、瓦南風烈には弟がいるという記録はございません」
謎を残しながらも、一件落着。もうわたしが軍部に残っている意味は何も無い。




