再開を誓う
今日から官吏2年目編開始となります。引き続きよろしくお願いいたします。
陛下に命じられて此処 神降省を去る日が刻一刻と迫ってきた。本当は離れたくない。でも離れなければならない。この矛盾が私を追い込んでいく。そしてわたしの2年目の春が始まる。
卯月神様はあいからわずお綺麗だった。
そして卯月神様の御前には……仏頂面の竜樹様。すれ違ってた2人を仲直りさせようと強制的に竜毅様を連れ込んだ結果である。とは言うもののわたしはこの件については口を挟む気はない。
という訳でずっと進展はない。
「な、なあ。竜樹。お前は私を恨んでるのだろう?それで今まで避けていたのであろう?」
其は間違えですよ‼って本当は言いたい。でも言ってはならない。分かっているんだけど。言いたくなるのはなぜだろうか?
「卯月神様こそ、避けていたでは御座いませんか。何をおっしゃいますか」
「「そんなことない‼」」
「私は」
「俺は」
「お前のことを」
「卯月神様のことを」
「「愛しています」」
「「勿論恋愛的な意味じゃなくて」」
結局のところ、卯月神様と竜樹様の仲は抜群に良いのだろう。これほど息が合っているのだから。
「胡明。……ありがとな。私と卯月神様はすれ違ってただけだった。ちゃんと2人で話し合っとけばな」
いいえ。わたしは、わたしは何もしておりません。ただ其処に、側にいただけ。
「胡明。ちょっと話したいことがある」
「わかりました。卯月神様」
かつて私の近くにいた女人の話しをしたな。其奴の名をな。思い出したのだ。そして其奴はな、確かにお前にそっくりなのだ。なぜなら……なぜなら其はお前の母親なのだから。周蝶明。それがその女人だった。
予想外の展開になった。まさかお母様がそのようなことをしていたなんて。少し混乱していたわたしに卯月神様は手を伸ばして……何故かわたしを撫でた。子供じゃないのにとか思ったけど今は甘えておくことにした。
「それでは、今までありがとうございました。またご縁が有ったら戻ってきます」
「そうかよ。頑張ってください。胡明様」
「頑張れよー、胡っ君?」
「もし、戻ってきたら話しがある。其まで待っているからな」
三者三様の送り出しかたを背に私は神降省を去ったのだ。
(それにしても竜樹様は最後何が言いたかったのだろう?)




