約定
「行ってきな。卯月神の世話がかりは胡明君だから」
……ってことで連行されました。
卯月神様は艶やかに微笑んで……
「貴女、、女人でしょ?」
わたしの隠し事をあっさりばらしてくれました。
「でも、わたしは貴女のような人のオーラは好きなの。要するに気に入ったのね。だから取り引きしない?」
そう持ちかけられたらわたしはどうしようもありませんから。
「……わかりました。卯月神様の提案に乗りましょう。わたしは今の職場が気に入っていますから。まだ退職する気はありません」
実際何だかんだいっても今の職場は好きだ。たとえ上司が変な方でも。……あれ?何でここで上司が出てくるの?可笑しくないか?
「条件っていうのはね、竜樹のこと見守ってあげてほしいの。あの人は寂しい人だから。でも、私前にあの人と喧嘩しちゃって。それ以来近づかせてもくれないわ。だから、守ってあげて、そばにいてあげて?」
なぜかはわからない。卯月神の方が寂しい人なのではないか。そんな気がした。
「わかりました。慎んでお受けします」
ふわりと微笑んだ卯月神はわたしの知る誰よりも艶やかだった。
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