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プロローグ
ひらり
ひらり
ひらり
ひらり
蝶が舞った。
いや、蝶が産まれた。
ひらり ひらり
大空に舞う。
周胡蝶。後の世に於いて伝説となり、数多の史書に描かれた記録は今なお多くの女性、研究者を引き付ける存在である。
彼女の人生については多くの事が解ってはいない。幻の姫君とも呼ばれている由縁である。
史書に寄れば彼女の誕生と共に蝶が舞ったとされる。
ひらり
ひらり
舞ったとされる。
此れはそんな彼女が産まれて成り上がる物語である。
ひらり
ひらり
彼女は舞う。