お前のこういうトコ、かなわないんだよな……くやしいけど、してやられたってカンジだ。
雨が続き、冷え込んだ朝とうとう雪がうっすら積もった。
「ほし、みにいかない?」
本が友達だと家に籠もりきりのアイツがぽつりと言う。
ワクワクする誘いなんだからもっと楽しそうに誘えよ!
親を引き連れ雪灯りの森へ。
直ぐ息切れするアイツを途中待ちつつドンドン奥に進む。
木々が途切れ不意に開けたそこは、まるで違う世界。
「ほしがふってる!」
手を伸ばすと冷たい氷で湖面に映ってるのだと判ったけど。
全方位星空みたいだった。